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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第五章 失って気づくこの世界
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02-勃発-

 さて、話を突然戻す。

 12月16日金曜日の出来事だ。


 突然侵入してきた空き巣犯を捕まえて、王城たちが帰ってきてから話を開始する事にした。

 そのときすったもんだ有った事はスルーしてみた。


「貴方は一体何者なのかしら」

 虎郷がまず質問した。ちなみに海馬と雅は「会議だ。ちょっとこい」と海馬に言われて雅の部屋の整理を始めつつおそらく喧嘩中。誰の所為かといえばまあ俺なんだけど。


「・・・・・・」

 口を固く閉ざしている。

「もう一度気絶してもらいましょうか」

 と虎郷が言って拳を構えた。

「た、タンマ!」

 男は危険を感じたのか叫んで、手を縛られているため足だけで後ろに下がる。

「俺は頼まれたんだって!ここで盗みをしろって!」

「嘘だね」

 隼人が即座に言った。

「明らかに30分くらいはココにいたと思われる。その証拠に荒らされていた部分は多いのにも拘らず、何一つ盗まれていない」

「やっぱりもう一度気絶させましょうか」

「わ、分かったよ!本当のこと言うよ!」

 どうやら殺意におびえたようで、すぐにそう言った。

「頼まれたのは本当だ!ここに侵入しろって!そしたら誰か帰ってくるから、そいつを傷付けろって!最悪殺してもかまわないって!」

「そんな・・・・・・」

 音河が驚く。だが、それよりも気になる。

「・・・・・・それは誰による指令だ?」

「・・・・・・・」

「じゃあ、気絶させるとしましょうか」

「・・・・・・・・・それだけは・・・・・・言えない」

 今度は恐怖に屈する事は無かった――いや、それ以上の恐怖があったようだ。それは決意と言うより、逃避に見える。

「・・・・・・響花。龍兵衛さんを呼んでくれ」

「分かったよ」

 響花は携帯電話を取って、警察へと電話を掛けた。


 すぐに警察が来て、空き巣犯を連行していった。


「どういうことなのかな、隼人」

「うん・・・・・・。多分、誰に指令されたのかばらしたら殺すとか、依頼者に言われていたのかもね」

「にしても、アイツの殺意も凄かったぜ?俺、殺されると思ったよ。元軍人なんじゃないのか?」

「例えそうだとしても私たちにどうこう出来る話ではないわ。警察の取調べの結果で何か分かるでしょう」

 虎郷がそう言ってこの話は終わった。


「・・・・・あ。そういえば隼人はどこ行ってたんだ?俺より早く出て行ったじゃないか」

「ん?ああ。寄り道してたのさ」

「寄り道?どこにさ」

「工具店。まぁ結局無かったけどさ・・・・・・」

 そしてそこまで言って隼人は少し思案顔になった。

 彼があの顔をしたときたいてい事件開始の合図なんだけど。まぁとりあえず放置しておこう。

 明日になれば事態は変わるだろう。そう思っていた。


 次の日俺達は、とうとう自分の巻き込まれた状態を知った。



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