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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第四章 回り廻るこの世界
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24-You are welcom-

 ネタバレになるので訳は、後書きへ。まぁ多分皆知ってるよね?


 事故や事件が多くなるなか、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 手紙の冒頭にこんなことを書いてはどうでしょう。


 2人が4人を倒した時、俺達は油断していた。


 はっきり言おう。

 俺達は油断していた。だから、彼女たちの心に気付いていなかった。

「大丈夫かよ、海馬・・・・・・と、常盤」

「いきなり呼び捨てですね。まぁいいですけど」

 俺の発言に常盤はそう言った。

「・・・えっと、聞きたいことが幾つかあるんだけど」

「何ですか?手短・・・・・・にお願いします」

 言葉を一瞬詰まらせて常盤が言った。

「やっぱり常盤君もアクターかい?」

「正先輩の言っていた、能力者の異名ですね?はい。私は「あくたー」です」

 隼人の質問に常盤はそう答えた。

「名称はついてません。正先輩は自らで決めたらしいのですが、私のは――――」

「ターニングポイント」


 常盤の会話を遮って隼人が言った。

「それならターニングポイントで間違いないだろう」

「何ですか・・・・・・それは・・・・・・」

 常盤が苦しそうに言った。

「ターニングポイントっていうのは、回転力や遠心力によってエネルギーを作り上げる能力で――」

 そこで隼人は喋るのをやめた。

 そして、常盤をじっとみる。

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・だ、大丈夫かい?」

 隼人がそう言って常盤に視線をむける。

「・・・・・・はぁ・・・・・・くっ・・・・・・」

 常盤は苦しそうにしゃがみこむ。

「な、何だ?どうしたんだ?」

 海馬がそう言って常盤に近づいてしゃがむ。

 俺も思考を開始する。何がどうなっているんだろう。何かに侵食されているように徐々に顔色が悪くなり、症状も悪化しているようだ。こういうタイプのは、タバコとかそういうタイプの毒・・・・・・!

「毒?」

 そういえば、常盤は長柄川に何か仕掛けられていると言う見解だったな。ということは・・・・・・。いや、それはさっき浄化したはず。ということはそれ以外・・・・・・!!

「まさか!」

 だとすれば、アイツは・・・・・・!



「・・・・・・・・・・・・クックックック」



 長柄川は俺達の惨状を見て笑った。

 どうやら彼女だけは気絶せずに残っていたようだ。だが、頭を打ったせいか初めからそういう性格だったのか分からないが明らかに妙な口調になっている。

「私が本当に解毒薬を持っているとでも思ったのか!持っていたとしたら気絶した振りなんかせずに意地でもその解毒薬は渡さない!!」

 つまり・・・・・・。

「偽物を持っていたのか!」

「ちがうねぇ。私の「爆弾ボム煙毒スモーキング」を解除する方法なんて初めから無いんだよぉ!!」

 長柄川はそう叫んで、高らかに笑った。


「くっそ・・・・・・!」

 海馬は動き出した。そして、長柄川に首元を両手で締めるように突っかかる。

「治せよ!お前らに協力するから雅を助けろ!!!」

「むっりー。さっきも言ったよ。解除する方法なんて無いよー」

 ひゃはははははは!

 と、長柄川はあざ笑う。

「くそぉぉぉぉ!!」

 海馬は拳をを振り上げて、長柄川の顔に向かって振り下ろす。

「待て!」

 叫び声によって海馬の腕が止まる。

 だれの叫びかと言うと、隼人だった。

「・・・・・なんだよ、王城・・・・・・。お前にどうにかできるってのか・・・・・・?」

「僕にはどうにかできない。」

「だったら止めるな!」

「でも!」

 隼人はもう一度振り下ろそうとする海馬の腕を掴んでから言った。



「響花ならどうにかできるかもしれない」

「え・・・・・!?」

 言われた本人は驚いている。

「響花。君のギターなら何とかなるかもしれない。感情を込めるんだ」

「でも・・・・・」

「それしかないんだ。そもそも「エモーション・エイム」は救護者に能力者が多いんだ。何とかなるだろう」

 隼人が説得するが、音河は若干戸惑っている。



「頼む!!」

 その音河に近づいて、海馬が言った。

「音河だけが頼りなんだ!頼むよ!助けてくれ!!」

「・・・・・・」

 黙っていた音河は、




「分かった。やってみるよ」

 と、強い視線と声で答えた。

「だったら、俺の仕事もするか」

 取り敢えず俺は宣言して、長柄川に近づく。


「おい。常盤のどこに仕掛けた?」

「教えるわけ無いよ」

「虎郷。ぶっとばせ」

「了解」

 虎郷は右手を構えた。

「そ、そんなことしても私は答えないよ」

「いや、今の心の隙をついた。もう答えは聞いたよ」

 言ってから俺は叫んだ。

「即効性はないようだ!腹の中央に置かないと効果は得られないから、そこに仕掛けられているはずだ!」

「!」

 長柄川が驚いた顔をしたので間違いないだろう。

「響花。できるか?助けたいという感情だ。難しいかもしれないけど・・・・・・」

「大丈夫。絶対やってみせる」

 音河はギターを構えた。

「・・・・・よし!」

 ギュィィィィイイン!!

 音河はギターを鳴らした。

 音符が飛んでいく。まがまがしい物ではない。

 常盤の腹部の中心にヒットした。


「・・・・・・嘉島君・・・・・・どう?」

 音河が訊いてくる。




「・・・・・・ああ。長柄川の感情バランスが崩れている。間違いない。消滅した」

「・・・・・・ふぅ」

 音河が安心したように、地面に座り込んだ。

「常盤はしばらく倒れていると思うけど心配ないぜ、海馬。時期に戻るだろう」

「そうか・・・・・」

 海馬も同じように安心した声で胸をなでおろす。

「じゃ、最後の締め・・・・・・海馬君やりなさい」

 虎郷が道を開けた。

 それは長柄川までのルート。

「・・・・・・長柄川」

 一歩一歩踏みしめるように歩く海馬。

「やめて・・・・・・。い、嫌だ」

「お前はいつもそうだな。私利私欲のために頑張って、仲間を巻き込んで。そんなお前を慕ってる奴もいるってことが驚きだよ。嫉妬深い女だけど・・・・・・でも俺はそんなところが」

 長柄川の目の前に立つ。

 そして海馬はにっこり笑った。

 長柄川も安心したように苦笑いする。




「俺はお前のそんなところが 大嫌いだ!」

 長柄川が絶望の顔をした。そして、海馬は拳を振り下ろした。

 ドゴォォォォォォォォォォ!

 ものすごい轟音を立てて地面にひびが入る。長柄川はその床にめり込んで気絶した。


「・・・・・・皆・・・・・・」

 海馬は立ち上がり少し俯いて俺達の方を向いた。

 そして照れくさそうに言った。



「・・・・ありがとう」

「どういたしまして」

 俺達は全員声をそろえてそう答えた。

 こうして、海馬とその大切な人の命は守られたとさ。

 


 めでたし、めでたし。だけど、ま、次はまとめといこうか。




24話「どういたしまして」


 僕の友達にお礼と謝罪ができない奴が居ます。

 友達には出来るのに、他の人にはできないんだよ。普通逆だよね。

 まぁ言われるだけ、ましか。

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