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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第四章 回り廻るこの世界
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21-The Boss-

21話「頭領」


 隼人の戦いだ。これで4人分終わりだろう。


「さて・・・。リーダー対決と行こうか」

 隼人は歩みを止めてそのまま直立する。

「あ」

 が、そのままダッシュで左右をうろちょろと走り始めた。

 2階部分にいる銃撃戦隊(勝手に命名)の銃口が全て隼人に向いていた。

 というか連射されていた。

「なるほど・・・リーダーだから守らなきゃならないのか・・・・・・」

 隼人は呟きながら、そのまま相変わらずぐるぐると長柄川の周りを回る。時には障害物をよけるために飛んだり跳ねたり転んだりしゃがんだり。

「王城くん・・・君、勝てる気で居るの?」

 長柄川は隼人を冷めた目で見つめながら言った。

「諦めたほうがいいよ。私たちには勝てっこない。無駄な労力を使うだけだよ」

「僕は最強のヒーローだから。遅れてやってきたことがその裏づけかな」

 隼人はそのまま空中を舞うように飛んだ。銃撃はその隼人を狙い続ける。

 一応言っておくと、隼人は弾丸に当ってないわけではない。当りそうな弾は、障害物に潜り込んだり、最小限のダメージに抑えている。

「さて、久しぶりにやってみようか」

 隼人は動きを止めた。

「キングダム」

 言った瞬間空間が変わる。

 そこに入ったのは長柄川のみ。

 そして相変わらず隼人は動き回り始めた。

「この世界は痛覚は否定できても銃弾は否定できない。確実に銃弾はヒットしてしまうんだよ」

 長柄川に説明しているようだが当の本人は驚きの表情をしながら

「やはり君も能力者ね・・・・・・」

「そうだよ。じゃ、解決と攻撃を同時に行うよ」

 言った瞬間隼人は攻撃を始めた。その攻撃方法は超接近戦。

「・・・!」

 長柄川が距離をとろうとしても、その距離を全力で縮めてくる。

「こうやって近づいて攻撃していればあの銃撃軍も君に弾が当るかもしれないから狙えないよね」

「くっ・・・・・・」

「こんな事件が起こってしまったのは、またもややこしい属性の何か。僕の不得意分野だよ」

 隼人は言いながら攻撃を続ける。

爆弾ボム速攻スピード

 長柄川は手から爆弾を作り上げた。

「ウェポン・・・・・・しかもサイボーグに近いけどアームスか・・・・・・」

 呟きながら長柄川が投げる爆弾を他の方向に弾き飛ばす。

「で、話を続けるよ。これは君の私利私欲・・・つまり、偶然現れた海馬をそちら側に入れるために行われたものだったんだ」

「君のようなタイプにはこの爆弾ね。

 爆弾ボム衝撃ショック

 そのまま爆弾を隼人に向かって放り投げる。距離が近いから意味が無いのだ。

「名前からして衝撃を受けたら爆発するんだろうね」

「その通りよ。ココで地面に触れた瞬間や貴方が触った瞬間に爆発するわ」

「あ、そ」

 そしてその爆弾を素通りする。

「!」

「君の考えは見透かしているよ。僕に爆弾をよけさせる、或いは当てることで距離を稼ごうって算段だろう?」

 爆弾は地面に到着した。

 が。

「どういうこと!」

「いったろう?ここは痛覚を否定するんだよ。だから、衝撃も無意味だ。話を続けたいけど、君が邪魔するからとっとと終わらせるよ」

 隼人は長柄川を思い切り上に打ち上げた。

「が・・・・・」

「海馬君への愛だ。それにしても最近の犯人は愛を求めすぎだよね?」

 言いながら、隼人は指を構えた。

「だれか!早く王城君を撃ちなさい!」

 長柄川が叫ぶ。同時に、隼人は指を鳴らした。

 パチンッ!

 音がなって、空間が一瞬で元に戻る。

 そして長柄川は。


 1階の天井・・・つまり2階のベランダの下に頭をぶつけて、気絶した。

「君がその距離に逃げるまで時間を稼いだんだよ。空間が戻ったら頭を打つようにね」

 隼人は言って笑った。

 狙撃手たちは指導者を失って呆然としている。


「あぁ・・・・・・どうやら僕が最初に終わったようだ」


 隼人はそう言って、長柄川をロープを探して縛る事にした。


 今回は頭領というリーダーの意味と、

 これで詰んだという投了の意味をかけてみました。

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