15-He understands the truth-
15話「彼は真相が分かる」
実は英語は不得意です。「understands」と「founds」をどちらを使うべきか迷うところです。
「どうしたんだい?ソウメイ君」
俺の思考は隼人の声で1度止まった。
「・・・・・・あ、話は終わったのか?」
「え、あ・・・・・・うん。どうやら、爆発はそんな強い衝撃ではなかったらしい。人を殺すような力はなかったようだよ」
「そうか・・・・・・」
「でも」
隼人はそこで、1度区切った。
「やっぱり、タダシ君の話は嘘だったみたいだよ」
「どういうことだ?」
椅子に座って、隼人は会話の準備をする。俺も隼人の対角に位置する椅子に座った。
「爆弾の威力が威力だったから、壁は破損されていない。彼は、水銀レバーが作動してから、周りに危害が及ばないように、窓ガラスが無い場所を選んだんだ。よって、外に爆弾の破片が飛んでいる事も無かった」
「なるほど」
「さらに火力も自然弱かったため、紙が落ちていたら、燃えカスが残ったらしい」
「で、海馬正へ っていうプレカードは見つかったのか?」
「いいや。焼け焦げになっていて、文字のところは焦げ跡になって潰れていたけれど、屑にはなっていなかったから、鑑識が調べたよ」
「文字が潰れてても読めるのか!?」
「鑑識を甘く見ちゃダメだよ」
隼人は指を「チッ、チッ」と振ってきた。ウザし。
「そこには1文字だけ、「ト」と書かれていたそうだ。他の部分は焼け焦げていて、修復は不可能らしいよ」
「残念だな・・・・・・」
「でも、これで1つ判明したよ。海馬正へ というカードは無かったんだ」
「・・・・・・残念だな」
結局海馬に悪い状況だけが出来上がってしまったというわけか。
「で、君は何を見たんだい?」
「ん?」
「何を見たのか。あの階段で」
・・・・・・コイツには何もかもお見通しというわけか。
「何を見たというか・・・・・・。聞いたんだよ。遺留物からな」
「遺留物?」
「赤い髪の毛だ」
「赤・・・・・・ああ、常盤雅か」
で。
隼人の顔つきが変わった。
その間、10秒。
そして。
「分かったよ。この事件も。彼が隠している事も」
そこまで言って、隼人はにやりと笑った。
が。
「王城君!嘉島君!」
その声は突然聞こえてきた。
その方向には、まぁ俺達をそういう風に呼ぶのは虎郷だけだろう。
「どうしたんだい?そんなに焦って――」
「海馬君が・・・・・・1人で「READ TALE」のところへ」
「!?」
俺が驚いている間に、隼人は、
「どこに言ったのか分かるかい?」
と冷静な対応をとる。
「いいえ。彼のタブレットに送られてきた写真と文面を見て、すぐに走り去っていったわ」
と、海馬のタブレット(俺が電子板と呼んでいたもの。最近になって正式名称を知った)を見せて言う。彼の焦りが伝わってくる。
「それ、見せてくれるかい?」
隼人は相変わらず冷静な対応で、そのタブレット端末から写真を開いた。
「・・・・・・何だこれ」
俺がそれを見て開口一番のセリフがこれだった。
そこには、どこかの工場のようなところから窓の写真を撮ったようだ。
「文面を見る必要がありそうだね」
メール(を見るためのアプリケーションなのかは知らない)の画面を開いて、文面を見せる。
『君の大切な子が大変な目にあうよ』
それだけ書かれていた。
「・・・・・・やっぱりそういうことか」
隼人はそういうと、
「東先輩に連絡だ。彼ならどこのことか分かるだろう」
「分かったわ」
それらのやり取りの間に、俺は考えていた。
海馬の大切な人・・・・・・それは長柄川だ。しかし、長柄川はREAD TALEのメンバーのはず。仲間割れと言う事は無いだろう。彼女がリーダーのはずだ。爆弾を作っているのは彼女なのだから。
「・・・・・・何がどうなっているんだ?」
そこまで考えている間に、虎郷は連絡を済ませたようで、
「2丁目のビルの裏側にあるらしいわ。ここから5分も掛からないそうよ。東先輩は来てくれないみたいだから」
といった。正確にはまだ言い切ってなかったが、俺は
「走るぞ!」
と、彼女の続きであるだろう言葉を叫んで、動き出した。
俺は考える専門じゃない。とにかく今は、海馬とその大切な人を守るために俺は力を使うしかない。
最近は娯楽道具が無さすぎて
こまりものです(-_-)