11-The Investigation-
11話 取調べ
大嫌いなものを好きになる方法。自分で考えてみてください。
休憩所から先ほどのホールに戻ると、海馬を含めた5人が居た。
「・・・・・・ん?」
その内の気の強そうな男がこちらに気付いた。
「・・・・・・何だ?」
静かにこちらを睨んだ。それに気付いた海馬が
「あぁ・・・・・・。落ち着け満。俺の友達だ」
と、警戒を解かせるように話しかけて、こっちに来た。
「コイツは嘉島奏明、んで、こっちが虎郷火水だ」
まずは俺達の紹介をしてから、向こう側の紹介に入った。
「私はさっきも挨拶したよね?長柄川里子だよ」
と、長柄川が自ら挨拶すると続けるようにさっきの気の強そうな男が、
「花咲満だ。宜しく頼む。お前らの話は長柄川から聞いてるよ。見学しに来たらしいな」
と自己紹介した。
あぁ・・・・・・そういう話だったな。
さらに
「・・・・・・長堂寺 志楽。よろしく」
と、少し暗そうな少女が言った。てか女だったのか。
「俺っちが丹波龍馬だ。よろしくさん」
さらには明るい少年が続ける。
そして俺は。
1人ずつ握手する事にした。
[花咲満:READ TALE:諜報]
[丹波龍馬:READ TALE:防衛]
[長堂寺志楽:READ TALE:キラー]
間違いなかったな。俺の取調べ(手を取って調べる・・・・・・我ながら上手いな)の結果、間違いなくコイツらは「レッドテイル」のメンバー・・・・・・ということか。
「じゃ、俺は取り敢えず別のところ行くわ。ココに居たら危険そうだし」
と言いながら、そこから消えていった。
「おい、海馬」
俺は呼び止めてみたが、何の返事も無く何処かへ行ってしまった。
「全く・・・・・・相変わらずだな、海馬は」
丹波が言う。
「昔からそうだ。自分が危ない時は基本的には介入してこない。仲間の危機にのみ介入して来るんだ・・・・・・。まぁ、それがアイツのいいところでもあるんだろうけど」
「あ」
ちょうどいいので訊いてみることにした。
「あのさ。海馬ってここでダンスのレッスンでも受けてたのか?」
「ん?まぁな。俺達とアイツらでよくつるんでいたよ。でも――」
丹波が口ごもった。それを見かねたのか、
「海馬君の過去は知ってるよね?」
と長柄川が言った。
「まぁ・・・・・・ある程度なら聞いているわ」
「ならわかるでしょ?彼の家庭が崩壊して、サッカーをやめてから、彼はココを去った。もちろん、ココに来なくなっただけだけどね」
なるほど・・・・・・。
「今は・・・・・・君達が彼の仲間なんだろう・・・・・・」
長堂寺がボソリと言う。
「彼は・・・・・・優しいから・・・・・・仲良くしてやってくれよ・・・・・・」
そうつなげてから、口を噤んだ。
「彼も居なくなったからそろそろ雅も来るでしょうし、このホールは使用するから、お引取り頂ける?」
「あ・・・・・・うん。分かった。じゃあ、また今度」
俺達はそこで、ココから退室した。
そして、事件は発生する事になった。
僕は、受け入れるのが精一杯です。どうすれば嫌いなものを好きで居られるのでしょうね?