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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第三章 響き渡るこの世界
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後日談-恋バナ-


 まぁ、いつも通り後日談といこうか。


 何かいいことあったらいいね。お相手は榊乃幽也でした。

 あれから数日後。


「なぁ、隼人と音河って、どんな関係として理解すればいいんだ?」

 リビングで、俺と虎郷と海馬と隼人と音河(多分これからは、これが基本メンバーとなろう)で、たわいもなく話していた最中の俺の疑問だった。


「?」

 隼人は不思議そうな顔をしている。

「別に付き合ってるって風じゃないよな?」

「あぁ・・・。もう、婚約でいいんじゃね?」

 海馬が適当に答える。

「そんな簡単に決めていいもんじゃないだろう・・・」

「・・・・・・まぁ、そういうのはあまり考えなくてもいいんじゃない?」

 俺の疑問に虎郷は素気なく答えた。

「付き合ってるとか、カレカノ関係では無いでしょう?強いて言うなら『好き合ってる』ってかんじでしょうね」

「あ~・・・・・・。なるほどな」

「あの・・・私たち抜きで話し進めてない?」

 音河が割ってはいる。しかし隼人は

「でも、まぁそんな感じの理解でいいんだと思うよ。僕もそうでありたいと思うから」

 と、虎郷の言い分を肯定した。すると今度は音河が、

「そうだ。ついでだからこっちから質問するよ」

 と、明るい顔で言った。うん、拒否する暇なし。

「皆の恋愛経験は?はい、まず嘉島くん!」

「・・・・・・なし・・・だな。初恋くらいならあったと思うけど、今思い返してもそんな深い思いではない」

「はぁ・・・・・・。そうなんだ」

 なんか残念そうに言われた。そんな顔されてもなぁ・・・。

「火水は?」

「私は、本気で愛していた人がいたわ」

「へぇ!」

「まぁ、偽物の愛……いえ、騙されたと言うべきね」

 虎郷はそう言って、虚空を眺めながら笑った。

 分からない人は一章を読もうね。

「ん?んー……?」

 音河が唸る。うん、流石に一章を読めとはいえない。


「まぁ気にしなくて良いわ。結局、言ってしまえば、恋にはどこにでも落とし穴があるのよ。恋に落ちたり、相手に落とされたり。そう思えば、いつのまにか、失敗の方向に落ちていったり」

 と、虎郷は言って締めくくるように、海馬の方に質問するように促した。


「海馬はなぁ…」

 俺は思わず笑ってしまった。

「そいつは美人や可愛い人なら誰にでも声かけるからな」

「しかも無駄にもてる」

「女たらしね」


 かしま、はやと、こさとのさんれんこうげき!

「ハッ!」

 しかし、かいばにはきかなかった。


「はぁ。でも私は声かけられてないから……私は美人じゃないってことだね」

 音河が落ち込む。しかし海馬は、

「違うな。音河は美人だが、すでに相手がいる。そんな幸せを破ることを楽しみにはしていないからな」

 と、静かに釈明した。

「でもお前は女たらしだろ?恋愛経験は豊富そうだな」

「いや、恋愛まで発展することは無い。というか、大きな勘違いがあるぞ」

「勘違い?」

 俺の疑問に頷くように、隼人と虎郷も海馬を見る。



「俺には彼女がいる」

 海馬は静かに言った。

「……」

 ということは、だ。

「お前、相手がいるのに女子口説いてんのか!?」

「当然だ」

「当然じゃねぇよ!」

 俺が叫んだあと、隼人は

「本当に女たらしか…」

 と呟いた。

「きっとこの間の電話の相手ね。タジタジって感じだったから」

「あ、そうだ」

 言って、海馬は立ち上がり部屋にはいると、荷物を持って出てきた。

「その電話で約束していたから行ってくる」

「どこに?」

「デート。言っとくけど、つけ回しても無駄だ。俺の運とあいつなら逃げ切れる」

 そして出て行った。


「……うん。この話は終わりにするよ」

 音河が何らかの空気を察したのか、話を打ち切った。

 しかし……。

 東先輩と今日元さんの関係はよく分からないから言及できないけど、贔屓目に見たとしたら。


 恋愛経験が無いのは俺だけなのか。


 ……どうして、恋愛ができないのかも自分で分からないから解決のしようがないな。

 まぁ、いっか。気にしなくてもいいだろう。




 このときはそう思っていたが、真剣に考えることになってしまったのは、3ヶ月程経ったときだった。


 だが、まぁ、このときの俺はそんなこと予測もしていなかったので、しばらくは、普通に物語が進むだろう。

次回予告。


第四章『回り廻るこの世界』


 この地球は絶えずまわっている。まわっていない時間なんて無い。


 その回転が止まる時はこの世の終わりなのだ。


 あるいは、生命が終わった時。もしくは、自分の世界が滅んだ時。

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