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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第三章 響き渡るこの世界
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16-女王の声明:王への衝撃-


 僕はどちらかと言えばってか、楽器で1番好きなのはドラムだな。



 助ける。

 彼がなかなか言わない言葉を飲み込んだ彼女は、開口一番にこう言った。



「うるさい!」

 

 ギターの弦をピックで弾く。

 音符がこちらに飛んでくる。


「っておい!」

 床を変換させて壁を作る。

「ダメだ!ソウメイ君!音符を避けるんだ!」

 言いながら隼人は壁から離れた。

「どういうこ――」

 横腹に激痛が走った。そして外に向かって弾き出される。



「・・・ぐ・・・ッ」

 受身を取って何とか音河の方を見た。もう既に10メートルも会場から離れている。

「どういうことだ!」

 すぐに走ろうとしたが、俺の方向に向かって隼人が飛んできた。しかしダメージを負った様子ではない。

「アレは『音波』と『振動』だ」

 登場するなり彼は言った。

「はぁ?」

「ギターから流れる音が自分に近づいてくる事によって、ソレが今1番自分に近い状況を『無意識』に頭で判断する。それを感じ取った時に、振動がピンポイントで入れば衝撃を受けたように『錯覚』するんだよ」

「何だそりゃ。そんな理論で起こる現象じゃないだろう?現に痛みも感じてる」

「多分だけど空振みたいなものだろう。火山活動の際のアレだよ。可聴周波数の振動は爆発音として聞こえる・・・ってそれはどうでもいいや。空振は窓を破壊したり、ドアを歪ませたりぐらいなら出来る。それを密集させて・・・とかじゃないかな」

「何か曖昧だな」

「そもそもこれらに理論を求めちゃいけないんだよ。僕や君らのだって理論は説明しにくいだろう?」

 ・・・確かに。そう言われると言葉がない。


 そこまで会話が終わって、疑問。


「じゃあお前はなんでダメージ食らわずに来れたんだ?」

「いや。ダメージは食らっていると思うよ。単純に脳を騙しているんだ。すぐにガタが来るさ」

「それ冷静に言う事じゃないぞ」

 だがそんな芸当が出来るのは、彼の脳があるからだろう。

 と、そこで音河が猛スピードでやってきた。そのまま俺達2人突っ込もうとする。

「これなら・・・」

 俺はまた床を変形させて壁を作成する。

「!」

 音河は今度は急ブレーキで止まる。

「君も・・・特別なんだね。いや、異常なのかな?まぁ、いいや」

「・・・これはどういう原理なんだ?」

「・・・まぁ、反作用だろう。床とか壁に向かって音符を発射するんだよ。で、その方向とは逆向きに飛ぶって訳だ」

「なるほど、理論で説明できるものもあるわけか」

「でもそもそも音符が飛ぶ原理は説明できないけどね」

 ・・・確かに。

「そんなことはないよ」

 俺達の疑問に答えたのはなんと音河だった。

「アレは振動で形を作っているだけだよ。いや、作ってるというよりは、何もしなくてもそういう形になってしまうんだよ」

 そして、音河は。

 ギターを槍のように構えた。

弦と音符ストリング・ノート

 ヘッドの部分から弦が伸びてくる。反応できない速度で。

「!」

 それが俺の体に突き刺さった。

「しばらく動かないでもらうよ」

 言いながらギターをかき鳴らす。

「な・・・」

 なんだ。これは。

「あ゛あああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 体に何かが流れてくる。電波かなんかがのうないにながれてくるようなかんじだというかどんどんとのうがまひしていくやばいこれはやばい。


「大丈夫かい?ソウメイ君」

「・・・・・・麻痺た」

 舌が思うように回らない。困った。


「彼女はこの間に成長しているようだね。音符にも性能の違いがあるようだよ」

「・・・ごめん。後は任へた」

 俺は語り部に専念する事にした。


「響花。もう一度だけ言っておくよ。君を助ける」

「無理だよ。私のことは私以外分からないもん」

「そんなことはない」

「そんなはずないよ。だって、私のことが分かってるなら、隼人はそんな態度じゃないはずだよ」

「・・・?」

「私の幸せを理解できてないんだよ。隼人は」

 

 ギターのボディから棘が出てきた。それは、彼女の怒りを証明している事が容易に想像できた。

「また・・・進化した・・・」

 驚いている隼人。

 その隼人に、音河は言った。





「私は・・・隼人が好きだ」




 彼女は隼人を見て言った。

 



 その隼人は、目を大きく見開いて動きを止めた。



 ・・・こういうセリフ言わせるのは得意じゃない。


 てか、キャラじゃないから知り合いとかが見たらひくだろうな・・・。



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