10-参加者戦争-
偽善偽証偽装偽造偽計偽称・・・・・・
この世の中は偽者と偽物で回っている。
しかし、偽は世界で一番大切なのだ。
「では、1人1人に自己紹介をしていただきます」
司会がそう言って、御堂の話が始まった。
「俺は、運動の神です」
アホだ。
「運動ならば誰にも負けません。それは武術に対しても同じです。どんな兵力で来ようと、如何なる正義感でも、最高の知恵でも俺は負けない自信があります。俺は、ボクシングでも空手でも柔道でも最高級の力を誇っています。俺に勝てる大人はそうそう居ませんよ」
それから、自分の経歴を長々と話し始めた。優勝の回数とか、準優勝の回数とか、取った賞の個数、勝ったプロの選手の人数などの自慢をした。
次はジャンだった。
「この世で1番大切な物は、お金です。これは間違いありません」
最悪だぁぁぁ。
「私は誰よりも金に関する能力が高い。金の能力というのは、使うタイミングやモノに対する払うべきお金が一発で分かってしまうのです。それによって私は絶妙な兵力を手に入れました。また、私の軍略は最高を誇っています。ただの知力レベルではありません。その証拠に私は今までチェスで負けたことはありません。また、ポーカーも負けたことは滅多にありません。どうです?後で誰かカジノで1戦でも・・・」
それから彼は自らの知力や戦略についてグダグダと話し始めた。全く・・・彼らの頭はどうなっているんだ。明らかに、社長さんは面白く思っていない。この距離でも感じる。・・・そういえば、彼女は親が居ない・・・ということは社長さんはおばさんかな?
そして西条。
「・・・僕は、皆さんと違って自慢話になるようなことはあまりしていません」
お、いい印象を受ける出だしだ。
「唯一のとりえが、正義感があることですが、だから何だ、という印象を受ける人も居ると思います。その通りです。正義感だけがあっても仕方がありません。でも、僕は不正は行わないという絶対の自信と埃があります。僕は誰よりも信じられる人間になりたいと思っています」
・・・うん。コイツは俺は好きだな。誠実さを感じる。最も、近づかなければ分からないのだが。
最後に隼人だった。
「・・・・・・」
「王城さん。何かありませんか?」
「・・・・・・・・・僕は・・・・・・」
隼人は少し口ごもって、その後、決意に満ちた目で、こう言った。
「僕は王城は継ぎません」
空気が変わる。社長さんを含めた皆が驚いている。驚いていないのは、王城グループの人間と、僕ら3人だけだ。
「僕は―」
隼人が口を開いた。
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同時、警報音と爆音と轟音、そして周りに居た警備員の無線機がなった。
「・・・・・・何かあったんですか?」
流石正義感代表の西条が質問する。
「・・・・・・玄関ホールが爆発、カジノでヤクザの暴動、男が人質を捕まえて立てこもりました」
司会の人が、気が動転した状態で言った。
同時、3人の男が立った。
「俺は、立てこもりのところに向かうぜ」
御堂。
「私はカジノに向かいましょう」
ジャン。
「僕は玄関ホールへ」
西条がそう言って足を進めた。
隼人は動こうとしない。全く動かない。微動だにしないどころではない。無の境地だった。
「・・・・・・隼人はどうしたんだ?」
海馬が誰に聞くでもなく言った。
「・・・私の見た未来と全く一緒よ」
「そう・・・か」
ということは・・・。
「俺は玄関ホールへ向かう。海馬はカジノへ。虎郷は」
「立てこもり犯ね」
「ああ。任せたぞ」
「隼人はどーすんだよ?」
「長年・・・って程じゃないけど、アイツの事は俺が1番分かってる」
俺達はホールを出た。
「アイツはもう推理を始めてるんだよ」
俺達3人はバラバラに行動を始めた。
俺は隼人の考えている事が分かっていたわけではない。ただ、
「頼んだよ。タダシ君、ヒスイ君、ソウメイ君」
隼人はそう呟いたような気がしたからだ。
だって僕らは偽者だから。1人も本物はいない。
嘘をついたことのない人間は居ない。存在が嘘だもん。