05-王への尋問-
捲る。捲る。日にちを見る。
巡る。巡る。日にちは廻る。
さて。
「チッ」
アレから、すぐに隼人は見つけることは出来たのだが、そこに女の姿は無かった。てことで、家に帰った。で、家で会議が始まる。その時の俺の第一声だった。声とは言えないだろうけれど。
「で、君らは何がしたかったんだい?」
「何が・・・って」
ん・・・?
「何がしたかったんだろうな」
「理由なんか分からないわ」
「てか、無くね?」
「というか、面白そうだったからな」
と、俺達の会話を聞いて彼は、
「死ぬか、お前ら」
と言った。うわー。久々の性格変動。虎郷以来だ。大変だ。
「とは言ったが、結局隼人は落ち着きを取り戻した」
「モノローグを自分で言うな。落ち着いてねぇよ」
うむ。俺の作戦失敗。
「とはいえ、僕も軽率だったね。君らに何も伝えないというのも仲間という枠を無視していたかもね」
「そうそう、元はと言えばお前が悪かったんだよ」
「調子に乗るなよ、海馬。殺すぞ」
「ごめんなさい」
この辺はギャグパートと言う事で・・・でも、これ終わるのかな?
「で、隼人。あの女の子は誰だったんだ?」
「彼女は幼馴染だよ」
「あなたは幼馴染とキスをするの?」
「そんなもんさ。外国の生活をともにしていたからね。一緒に暮らしていたし、男女という感じではないよ」
「・・・ふぅ」
と、このタイミングで彼女は溜め息を吐いた。何故だろうか。海馬は笑っている。
「・・・まぁそんな感じさ」
「で、彼女は結局誰だったんだ?」
「・・・嘉島君はともかく、君らなら知っているだろう?音河響花だ」
「!」
「!」
「?」
俺ならともかくって・・・。しかも、2人とも気付いてるみたいだし・・・。落ち込むなぁ・・・。
「まぁわざわざ仕方なく面倒だけど嘉島君だけのために教えてあげよう」
「・・・・・・」
「彼女は所謂『超中学級の音楽家』だ。バイオリンとピアノ。その辺に詳しくは無いんだけどギターやドラムとかの軽音は携わってないらしいんだ。言っても彼女もお嬢様だからね」
隼人がそう説明すると
「昔、俺の家のパーティーに来たな。確か、その時はフルートを演奏していた。俺は音楽には疎いが、彼女の演奏には感動したな」
と、海馬が細く説明した。さらに
「私も2年前にテレビで見たわ。中学1年生のころで同級生だったから、少し気になったものよ。スーパー中学生として人気だったわね」
と虎郷も続けた。しかし・・・2年前か。彼女としては思うところもあるだろう。
「ちなみに、彼女には両親が居ない」
俺と同じ事を隼人も考えていたようだ。彼女も2年前に両親をなくしている。そのころ、彼女に親が居たのか居なかったのかはわからないが、テレビならその話題も言うだろうから、彼女はそれも知っているだろう。どちらにしても、今、彼女は共感するところがあるはずだ。
「君は本当に聞いたことが無いのかい?」
「・・・俺は音楽関係には疎いからな」
「疎いじゃなくて、避けているんだろう?」
「その話はしたくない」
本心で言っている。取り敢えずは逃げる事にした。虎郷と海馬は不思議そうな顔をしている。しかし、結局
「で、彼女は一体何なのかしら?ただの幼馴染なら私達に隠れて合う必要は無いでしょう?」
と、俺から興味を外して話を元に戻した。
「・・・まぁ、隠しても仕方が無い。来月にはまたどこかに行くしね」
隼人は足を組みなおした。そして、
「来月、彼女は婚約者選びをする」
と言った。その時の俺のコメント。
「って・・・なんだ?」
つまり
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