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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第三章 響き渡るこの世界
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04-王の逃走-

僕らは走り続ける。足に痛みが来ようが、友が先に行こうが、絶対的な自分のペースで。

僕らは走り続ける。自分の真価を問い続けるように。

「ほら、見失った」

 すぐに追いかけたが、結局見失う羽目になってしまった。

「何でアイツが気付いたって分かったんだ?」

 海馬の質問は最もだが、そんなの1つしかない。

「勘」

「あぁ・・・そう」

 うん。そういうもんだよ。

「残念だけど、私の能力でも探索は無理ね」

『こうなれば人海戦術だな』

 人海戦術か・・・。

「こうなったら・・・」

 俺は携帯電話を取り出した。人海戦術といったら、機動力だろう。

「東先輩。昨日の話しだけど」

【分かってる。OKだ。俺達はいつでも動けるぜ】

「よし。任せたぜ、頭領ヘッド

【ああ。行くぞ!てめぇら!】

 オォォォ!

 という雄叫びが聞こえたと同時に電話が切れた。


「というわけで、何とかなるぞ」

『しかし、いくら暴走族・・・といえど、街中でバイクは走らせまい。特にあの頭領は、人に迷惑をかけない主義だからな』

「・・・・・・そうだな。じゃあ今日元さん。監視カメラの映像で捜してください」

『残念だが、俺は完璧じゃない。方向音痴だから、どのカメラがどこなのかもわからない』

 ・・・・・・若干万事休す。少しだけ打つ手無し。

「・・・はぁ・・・」

 海馬が溜め息を吐きながら携帯電話を取り出し、電子板をいじり始めた。

「あ、もしもし・・・。あ、いや、それは・・・うん。ごめんなさい。で、頼みがあるんだよ。あ、いや、あのそれは・・・・・・うん。それは分かってる。・・・・・・え!・・・わかったよ。約束するよ。で、この2人を捜して欲しいんだよ。あぁ、頼んだ。・・・・・・え!?いや、今・・・友達といるから・・・・・・分かってるよ。約束は守るから・・・。うん、じゃあな」

 で、通話を終了した。何か顔が青ざめている。マンガで言うと3本線だ。

「もうすぐ・・・見つかるから。うん。・・・はぁ」

「・・・・・・電話の相手は・・・訊かないで置くわ」

「・・・・・・ありがとう」

 で、海馬の電話が鳴った(海馬はビクッとした)。

「・・・・・・おう分かった約束は守りますハイ」

 一気に言って、無理やり電話を切った。

「・・・・・・見つかったぞ」


 うむ。海馬にも秘密がありそうだ。何か、友達の秘密がどんどんと分かってくるな・・・。隠れた性格を知れて楽しいな・・・。

 さて、『追跡』『盗聴』『逃走』とくれば、ようやく、『尋問』だな。但し、『王への』だけどな。

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