01-王の予定-
これから第三章です。
まぁ、お手柔らかに。
10月10日、第2月曜日。すなわち「体育の日」にあった体育祭を無事終了し、俺と隼人と海馬は、2階のトレーニングルームの居た。
「疲れた日に2倍運動して、明日休めば超回復で筋肉増強だ。明日は振り替え休日だから、ゆっくり休めるぞ。さぁ頑張れ!」
「嘉島・・・・・・お前体育会系だったのか・・・・・・」
「・・・・・・・・・死ぬ・・・・・・・・・」
俺達3人はルームランナーで走り続けていた。現在20時だから2時間くらいか?あ、今21時になった。
「よし!終わり!」
俺の声を合図に、隼人が崩れ落ちる。海馬も息を切らしている。
「お前ら、体力無いぞ?大体、こんな良い部屋があるのに使わないなんてもったいないじゃねぇか。なぁ隼人?」
「・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・息切れか。5秒待機。
「確かに・・・そうかも・・・知れないけど・・・流石に・・・疲れたよ・・・」
うーん。俺の体力は割と凄いな。ブランクがあるとはいえ、元サッカー部の海馬より体力があるようだ。
「・・・・・・とりあえず、早急に俺は風呂に入るから、この辺か・・・・・・あるいは、下でストレッチでもしてろろよ」
俺はそう言い放って、下に降りて、バスルームの扉を開け――る前に、虎郷の位置を確認せねば。中に居て、所謂お色気シーンに巻き込まれることを俺は望んでいないのだから。という訳でノック。
「はい?」
「あーやっぱ居たのか。OK、次は俺が入るから」
何か、年頃の男女が同じ風呂っていうのはどうだろうと思っている人、心配ない。なんかよく分からないセンサーで、人が1人入るごとに水が入れ替わるらしい(設計者は潔癖症とお見受けする)。まぁ、同じでもいいと思うけど。あと、水の無駄遣いのような気もする。流石、王城グループ。
ともかく、取り敢えずはリビングに戻って、降りてきた隼人とVSダウト。能力は使用不可(自然現象で起こる物は別)だが、それも一興だろう。
というところで、
「どうぞ、嘉島君」
虎郷の登場。
「あぁ・・・・・・。!」
バスタオル1枚だった。
「ななななななななな何してんだお前!!」
「?風呂から出てきたのよ」
「服を着ろ!」
「悪くないスタイルだな」
「お前何言ってるか分かってんのか!」
「何よ、あなたもうすぐ高校生でしょう?」
「まだ、中学3年生だ!」
いや、待て俺がおかしいのか中学3年生はそういう方面に耐性があるべき或いは喜ぶべきなのだろうか海馬のような対応が正しいのか正だけにいや上手くないっていうかそうじゃなくてアレが大人の対応なのかなぁ隼人?というか平静さを保てずに疑問符と句読点が消え去った読みにくいなコレ。
と、見ると隼人は居なかった。おそらく、自分の部屋に逃げ込んだのだろう。
あぁ、俺と同じと言う事か。
所謂、「はやとはにげだした」だ。回り込まれなくてよかったな。
取る物も取り敢えず、海馬が虎郷に対して暴走しないように(ちなみに中学3年生にしては虎郷のスタイルはいいらしい。いや、俺はそういう類に興味がなかったから、よく分からないんだけど)注意してから、風呂に入り(出た時には虎郷は着替えていた)、その後、隼人と海馬も順番に入浴した。
「お前にはいつも驚かされるよ・・・」
「嘉島君に・・・・・・バスタオル1枚で出て来いって脅されて・・・・・・・・・」
「お前がそういうだけで、誤解されるからやめろ!!」
一瞬隼人が本気で驚いた顔をしたので、一応言っておいた。
「お前には、おどろおどろかされるなぁ・・・・・・」
「私に対して、よくそんな表現が出来たものね。とそれはともかく、明日の予定はどうするのかしら」
と、虎郷は俺の話を無視した。
「俺は今日元さんにナンパしに行くかなぁ」
「WRは、あの人のバイオリズムに合わしているから、夜の9時からしか入れないよ」
隼人は海馬の問題発言を受け流す。
「何!では今すぐ行こう!」
「落ち着け、海馬。隼人は明日どうするんだ?」
俺は、基本隼人に合わせる。だから、隼人に訊いた。
「明日は宿題もないし、久しぶりに1人で動いてみるよ」
「!・・・・・・」
ほー・・・・・・。なるほど・・・・・・。
「じゃあ、僕はもう眠るよ。誰かのせいで、体力の限界を感じる。明日は勝手に起きるよ」
と言いつつ、部屋に入った。
「・・・・・・嘘ついてたな」
俺の発言に、
「そうなのか?」
「そうなの?」
と、2人は返答した。
「明日、アイツは俺に知られたくない事をしようとしている。それを隠そうとすると、アイツはいつも、『1人で』っていうんだよ」
俺の発言に対する2人の反応は以下のようだった。
「・・・・・・明日の予定」
海馬はニヤリと笑う。
「決まったわね」
虎郷も同様だった。
気が合うなぁ・・・。
明日は隼人を追跡だ。