後日談-気絶-
久々の投稿となりました。
本当に申し訳ないです。
もし愛想を尽かしていなければ、これからもよろしくお願いいたします。
さてさて。
こうして選挙は幕を閉じ、本来の意味での宴会という形で、俺たちはまたシオさんの家を訪れた。
海馬と楊瀬さんは二人で何か語っていたし、虎郷とシオさんは最終的には仲良くなっていた。隼人と一条字先輩は二人で何やら会話している。後のメンバーも適当にそれぞれ話している様子だった。
と、遠目で見るようなことができるのは、俺はその輪の中から外れて縁側に座り込んでいるからだった。
平和だなぁ、と思った。
思えば最近忙しすぎたような気がする。
夏休みに入ってから、今まで。
ずっと走って、止まって、ぼろぼろになって。それを続けてきた気がする。
まあ、ボロボロになってって言っても、俺はあんまり怪我もせず過ごしてきたわけだけど。
「どしたよ?」
そう言って俺の隣に来たのは華壱だった。
「みんな楽しそうだなぁ、と思って」
「ん? ああ、そうだな」
そう言って華壱は笑った。
「お前は楽しくないのかよ」
「いや、楽しいさ」
「何ていうか、俺が言えたことじゃないけどさ」
そう言って華壱はコップに入った水を飲んでから言った。
「お前って観察しているような目をしてるよな」
「観察?」
「何ていうんだろう……誰かに伝えるために、カメラのレンズみたいな写し方をしてるなぁって」
どういうことだろう。
それは、俺が語り部だから――ということだろうか。
いや、違う。それは、一種のメタ発言だから。
「ま、俺もよくわかんねぇけどさ。もう少し素直に行動してた方が、人らしいぜ」
そう言って華壱は元の輪の中に戻った。
カメラのレンズ。
誰かに伝えるように。
俺は自分が見てる世界を――映像を誰かに伝えているのか?
……そんなはずがない。それは分かっている。だが、可能性はある。
『ムービー』
つまり、映像。
それが俺の能力なのだから。
「ではそろそろお開きとしようか」
シオさんの発言が聞こえて、ハッとして目を移す。
「え」
そこには不思議な光景というか……あってはならない光景があった。
倒れている華壱と雅と音河。気分悪そうに口を押えている楊瀬さん。朦朧として顔を赤くし、周りを見ている隼人とシオさんと海馬。しっかりとした面持ちでその状況を見ている虎郷。
そして、机の上に置いてある一升瓶。
「……おい」
「何かしら」
「これは……」
「間違えてお酒を飲んでしまったようね」
「何でそんなに冷静なんだよ!!」
「一口口に含めばみんなわかるだろうと思っていたのだけれど、私以外は誰も気づいていなかったようね」
「だから、何で実況見分してんだお前!!」
「まあ、何とかなるかなぁと思って」
「お前……ハァ……」
俺は携帯電話を取り出そうとして、縁側から立ってポケットの携帯を取ろうとすると。
「……え」
目の前が軽く眩んだ。
「貴方も飲んでたのよ? 気が付かなかったの?」
「……マジかよ」
その発言を終わりに膝から折れて、俺は体を地面に伏した。