表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第七章 戦う未来とこの世界
302/324

43-宮殿-


 昨日書いたら、データが消えてやる気をなくしましたが、今日頑張って書きました。


「うぉわ!」

 俺は叫んで後ろへ飛んだ。

 乱さんはなんと、シオさんと同様で刀を使っていた。さらに同じ所を挙げるなら、鞘に収まった刀の方は遣っていないというところだろうか。しかし彼女の場合は単に二刀流という様子だった。

「刀運が悪いって言うか……なんていうか」

 俺は苦笑を浮かべながら彼女を見た。

「いくらなんでもいきなりってのは卑怯じゃねぇか?」

「私は負けるわけにはいかないのですよ。代理である以上は、敗北は許されない」

「なるほどねぇ……そして、さっさとやらないといけないと」

「そういうことです」

 彼女はそう言ってさらにこちらに向かってくる。俺は横っ飛びに地面をけって教室に転がり込んだ。彼女も俺の姿を追ってくる。そして俺の視界の中に入ってきて刀を振るう。

 しかし、

「!?」

 キンッ!という音がして刀は押し返される。

 俺は左手に金属の棒を持っていた。それは机の脚を左手で分解して作った、長くも短くもない程度の棒だった。

「そう簡単に負けるわけにはいかないんでな」

 俺の発言を聞くこともなく、そのまま彼女は俺の首元を刀で狙ってくる。俺はそれを避けるようにして、体をよじる。それから左足でがら空きの横腹に蹴りを入れた。

 予想通り。戦闘慣れはしていなさそうだ。ただし刀の使用は常人とは一線を画しているため、油断は大敵だろう。

「……さてどうしたものか」

 俺はそう言って、彼女を見下ろす。

「仕方がない」

 彼女はそう言うと、ブレザーの内ポケットから何か取り出した。

 拳銃だった。

「……は?」

 俺は後ずさる。

「おま……そもそも刀だって銃刀法違反だろ!? その上ピストルって……!?」

「忘れたんですか? 私は選挙管理を担当しているんですよ?」

 そう言って彼女はにやりと笑った。

「この選挙においてのみ『治外法権』を適用する」

 そう言って引き金を引いた。

 俺の背後で窓ガラスが割れた。

「次は当てますからね」

「……さてと」

 俺は死にたい気分を抑えて、生きる道を探し始めた。




「旋風!!」

「旋回!!」

 雅の回転蹴りと華壱の振りまわした棒が同時衝突する。

「く……!!」

「チッ……!!」

 遅れて風圧がやってきて、瞬間2人はお互い吹き飛ばされる。

「どうなって……」

「どうしてただの木の棒で蹴りが受け止められるのか、か」

 そう言って華壱は棒を振り回す。

「簡単な話さ。オイラは測定しただけだ。お前の足の長さ、蹴りの威力、癖、弱点……それらから判断した位置にオイラの攻撃を置けば、お前の足ではオイラの攻撃は受け止められない」

「くッ……!」

 雅はスパイラルを地面を蹴るときに使用して、高速で距離を詰めにかかる。

「測定できればもっと深いところも分かるんだぜ」

 そう言って、華壱は無造作に棒を振った。

 すると吸い込まれるように雅がその位置に頭を出してきた。雅は棒に操られるようにその方向に飛んでいく。

「今のは……」

「オイラが棒を置いた場所にお前が突入してきただけだぜ。測定結果だよ、これもな」

 それは。

 それはつまり未来予知と一緒。攻撃が読まれている。

「追撃行くぜ」

 そう言って華壱が猿のように飛び上がって、こちらに近づいてきた。

 そして倒れている雅の上にのしかかろうとする。

 が、その瞬間。

 華壱が吹き飛んだ。

「!?」

「予想通り、空中では測定できても行動には移せないわね」

 そう言ってそこに居たのは、

「火水さん……」

 虎郷だった。石を投擲したようだった。

「雅ちゃん、交代よ。私たちはそうした方が相手取るのには釣り合いが取れる」

 そう言って虎郷は走り出す。

「虎郷……なるほど、面白くなってきた。計測てやるよ」

「未来予知は私の専売特許よ」

 虎郷の拳が華壱の木の棒を砕いた。


「流石ですね……」

「油断大敵だぞ」

 そう言って背後から声が聞こえた瞬間、雅は反射的に回転して蹴りを入れようとしていた。

「おっと」

 籠目さんは一歩後ろに飛び下がってそれを避ける。

「やれやれ、相性は抜群というわけか」

 籠目さんは姿を現してから言った。

「よろしくお願いしますね」

「私も余裕ぶってはいられなくなってきたところだ。早めに決めよう」

 そう言って2人も戦闘を始めた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ