表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第零章 紡がれゆくあの過去
168/324

05-『青天の霹靂』-

 誰かには誰かにしかできないことがある。


 僕には僕にしかできないことがある。君には君にしかできないことがある。


 何かできることをしよう。誰かのために。



『いいか?俺は、お前に全てを託したといっても過言じゃないんだよ』

「それくらい知っているよ。僕は、そのためにも生きなければならない」

『分かってないな・・・・・・。いいか?俺は俺に出来ない事をお前にやって欲しいんだよ』

「お前に出来ない事なんてないだろ?」

『今は出来ない。だから、今こうしているんだろ?』

「それは・・・・・・」

『ほら、面白い流れがあるじゃねえか。巻き込まれろよ』

「面白いって――」

『聞こえてきたぜ?始まりの警鐘だ』





 目が覚めたのは、3時ごろだった。

「!」

 ・・・・・・なんだよ・・・・・・。

 でも、言われたからには仕方が無いか。

 俺は耳を澄ます。

 ・・・・・・パトカーが家の前を通り過ぎていった。その後ろをついていくように救急車も通り過ぎていく。

「何かあったのか・・・・・・?」

 俺は服を着替えてから、自分の部屋を出る。それから、冷蔵庫から昨日の夕飯の残り物を取り出して、電子レンジに入れてから、テレビをつけた。

 ・・・・・・。

 番組が終わっているところがほとんどだが、緊急でニュースをしているところもある。

 話が前後したり、その危険性やらで専門家がうじゃうじゃ言っているので、時間が掛かりそうだ。

 なので、話を簡単にまとめると。


 昨日、いたずらとしか取れないような脅迫文を警察に送りつけてきた『何者』かが、実際に事件を起こしたらしい。

 その脅迫文の内容は、

『中央街の中に光を落とす。その時死者は光を崇めるようにひれ伏す』

 だそうだ。

 何が言いたいのかも分からなかった警察官は、それでも中央街に数人を置いた。しかし、事件は思ったよりもでかいものだった。

 空から、雷が落ちてきたそうだ。それも天気の良い夜空から。


「・・・・・・」

 俺は早めの朝食を取ってから、家を出た。

 そして中央街に向かう。



 そこにはよくドラマで見る、「KEEP OUT」と書かれた黄色いテープが張られていた。既にそういう対策はバッチリのようだ。

 人ごみの流れは、それらに飽きて去っていく人や野次馬として参上した人などが往来していた。

「・・・・・・」

 何だよ、案外あっけないもんだな。

 ただの災害じゃないのか?

 と、『思っている』人々の声を聞く。

 ・・・・・・違う。

 晴れた空からは雷は落ちないはずだ。そんくらい知っているだろ?

 それに、こんな高い建物や避雷針が乱立している街中に、どうやったら雷が落ちるんだ?


「『青天の霹靂』」

「・・・・・・!?」

 隣でアイツが言う。

「アクターだね・・・・・・」

「王城・・・・・・」

「分かるかい?何かを願って手に入れた力をこうして悪用する奴らも居るのさ」

「・・・・・・なるほどな」

 願いにおぼれた人間。煩悩を制御していない人間。欲にまみれた人間。

 最低な人間。

 そう。

 低俗な人間達の末路だ。

「行こう」

 王城はそう言って俺に向かって笑った。

「どこに?」

「調査だよ」

「どうやって」

「まずは、外側から調査する。そしていずれ、開放されるのを待ってからこの辺を調査する。常套手段だろ?」

「てか、お前、そんなことできるのかよ」

「出来るに決まっているだろ?僕は探偵だからね」

 そう言って王城は笑った。


 ちょっとまて。

 それには俺も協力するのか!?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ