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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第一章 決まりきったこの世界
16/324

15-まとめには入りきらない、現実世界での話-

とりあえずは、頭の中で考えていることを、書き連ねているだけなのですが。


何かすっごいスムーズにかけますね。

「アレは、ファイアー・ファイターで、まず間違いないだろう」

「それって・・・消防士じゃないのか?」

 俺と隼人は、病院で話をしていた。


 あの後の事はホントもう、いっぱいいっぱいだった。


 木好さんを殴った虎郷は、気絶した木好さんを担いでいた。

 あんな華奢きゃしゃ体(腕や脚)のどこに、そんな力があるんだろうか。

 いや、まぁそんな疑問は置いておいて大変な事態になっていたのだ。

 虎郷が木好さんを殴った衝撃が原因で、崩壊速度が速まっていた。


「ちょッ!タンマ!」

 俺は動けなんだぜ!?

「心配するな。僕の計算によれば後13秒だ」

 ヒスイ君、嘉島くんに近づきたまえ。と隼人は続けた。

 そして、その虎郷が倒れたままの俺に近づいた時

 ガラガラッ・・・・・・・・・。

 大きな音を立てて、一気に建物が崩れ始めた。

「おい、大丈夫じゃないじゃな―――」

 言い切る前に、驚きの現象が起きた。


 崩れ始めて、弱まった壁を突き破って、救急車が入ってきた。


「緊急搬送・・・派手に行くぜぇおい!」

「あ・・・・・・・・・東先輩」

 頭から流した血が、少し黒色に近くなっている。時間が経ったという証拠だろう。

 瞬間的に、隼人は後ろに乗り込み、虎郷は木好さんを投げ込んで

「え」

 俺を投げ飛ばした。いやはや、病人を投げ飛ばすとは全く・・・・・・・・・。



 まぁ、そんなこんなで現在は21時である。

 何か日時がとても経ったように感じるのにもかかわらず、まだ、9月8日の21時である。

 俺と東先輩は病室で療養という事になったが、王城の御曹司、隼人の掛け合いの元で個室になった。

 そして、虎郷と隼人は一度帰り、隼人が帰ってきてからの虎郷を待っている間のたわいも無い会話の一部なのであった。


「木好さんは、一体どんな能力だったんだろうな?」

「あぁ。その話か。あれはパイロキネシスの派生系だろうね」

「ぱいろきねしす?」

「ん?あぁ、有名な炎の超能力だよ」

 といって、冒頭の

「アレは、『ファイアーファイター』で、まず間違いないだろう」

「それって・・・消防士じゃないのか?」

 という会話になったのだった。

「そう、消防士。その発想はとてもいいよ」

「・・・いやそれ、『炎』を消す立場の人間だからな?」

「この場合の消防士は、『炎』を『消して』『防ぐ』人という意味ではなくて、『妨害するもの』を『炎』で『消す』人、というニュアンスさ」

「つまりは、消『妨』士・・・妨げるという事なのか」

「ん。それそれ。そもそも、ファイアー・ファイターは、そういうものなんだよ。願った時に、邪魔な物を消したいという意志と、それに炎という条件さえあればそうなるのさ」

「まぁ・・・・・・・・・そりゃそうなんだろうな」

「能力自体には差は有れど・・・例えば、炎を飛ばすような奴も居たかな?あと、睨んだ箇所から発火するとか・・・でも、結局のところそいつらに共通するのは、邪魔な物を消したいと願った事と、炎が起因していることなんだ」


 つまり、家が・・・家族がなければ、虎郷と一緒に暮らせるという願いを叶えたい木好さんは家を燃やしたように。

 例えば――あくまで例として言えば――消防士が仕事がほしいという理由で『平和』を消したいと思って、睨んだところから発火して火災を起こすというような感じだろうか。

「だいたいそんな感じだよ」

 そう言って、隼人は個室専用のソファーの背もたれにふかぶかと座った。

「そうそう、今日からしばらく入院だからね」

「・・・何とか掛け合って、退院させてくれねぇか?」

「ダメだね。医術に関しては、医者の方が分かってるんだから。休める時に休むべきなんだよ」

「・・・でも」


 その時に、虎郷は部屋に入ってきた。

「こんにちわ。犬の死体のような状態で寝転んでいる、嘉島君」

 少し、笑いに近いような声でいった。実際微笑んでいるし、笑っているのかもしれなかった。

「今のは、『犬』の死体というのと『ネコ』ろんでいるというのを掛けたのか?」

「え?あぁ。そういえばそうなっているわね。しかし、そんなつもりは無いわ。深読みしすぎよ、嘉島君。或いは、行間を読みすぎというのかしら?」

「しかしヒスイ君、期せずして持ってしまったというのは怖いよ。そういうところから、僕らのような能力者においての『ネーム』たちが出来上がってしまうんだから」

「それもそうね。それに期せずして、一也も私の幼馴染となってしまったわけだし」

 そんな風に会話をして、俺と隼人どちらが先に切り出すか迷ったが、俺が言うことにした。


「・・・もう、気分は落ち着いたか?」

 ・・・いや、別にこれが聞きたかったわけではない。

 本当に聞きたい事をいきなりは切り出せない、ヘタレ的なアレ。

「そうね。まぁ落ち着いたって程ではないけれど、解き放たれたというか、清清しい気分ではあるわね」

「そうか。そりゃ良かった・・・・・・で、俺たちと一緒に来るか?」

 1番聞きたい事を2番目持ってくる法則。

「そうね。できればそうしたいわ。私の能力も利用価値はあるだろうしね」

「そうか。じゃあ隼人」

 俺は、後を隼人に任せた。

「これ」

 と、隼人は虎郷に白くて小さな鍵を渡した。

「飲み込んで」

「え?」

「仲間の印だ。まぁ、僕らも1度は飲み込んだよ。大丈夫。胃酸で溶けるらしいから」

「らしいって・・・・・・・・・?」

「今日元さんって言ってね。男らしい女の先輩が作り上げた部屋への鍵さ」

「・・・・・・・・・」

 黙って、少し葛藤かっとうした末に、虎郷はその鍵を飲み込んだ。


「これで、僕らは仲間だ」

「そうね」

「俺を含めるなよ」

 そう言って、俺は天井を見上げた。


「俺は・・・仲間じゃない」


その理由に関して最近気づいたのは、


キーボードを打つスピードが最近速くなってきているようです。

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