52-協力-
いい感じの題名です。
実は早々に使いたかった。
「何でですか?」
俺は真っ直ぐ質問する。
「お前、仙波を倒したんだろ?」
「・・・・・・倒したって言うか・・・・・・」
よく考えればあの爆発した部屋に仙波と木好さんが居たはず。ということは・・・・・・。
いや、考えるのはよそう。それが正しいような気がする。
それこそ美しくは無いけれど。
「まぁ・・・・・・そうです」
「じゃあ、これ以上ここに居る事は出来ない。俺達は家宅捜索という名目でここに居た。それの本来の目的は、秩序を乱し続ける仙波たち幹部への警告だった。そして見てみろ」
ビルの入り口を指す。
倒れている兵士達。全員生存しているが明らかな戦意喪失を見せている。
「これ以上は今までの仙波たちと同じだ」
「でも隼人は――」
「お前達に迷惑をかけないように王城グループに入ったかもしれない。しかし、今、頭脳探偵が居なくなれば王城はどうなる?祖父も父も居ない、この現状で、だ」
「・・・・・・」
「この国を支えているのは王城だ。政治や俺達警察の裏にすら王城は居る。分かるか?頭脳探偵が居なくちゃダメなんだよ」
「結局は自分のためですか?」
「そうだ」
龍兵衛さんは堂々と宣言した。
「俺にも家庭はある。悪いがこれ以上は無理だ。これ以上は認められていない」
「独身じゃなかったんですか?」
「両親だって家族だし、俺は自分で『独身』とは言ってない」
と龍兵衛さんは俺を睨む。
「もういいでしょう、嘉島君」
虎郷が言った。
「嘉島、王城も喜ぶって」
海馬も続ける。
「隼人もそっちの方がいいって。ね?嘉島」
音河が無理して笑う。
「奏明さん、行きましょう」
雅が俺を見上げながら言う。
「車・・・・・・乗っけてやるよ」
携帯電話を出して東先輩が言う。
・・・・・・悔しい。このまま諦めるなんて。
・・・・・・なんで?何で諦めるんだ?
「虎郷さん」
「そうね。後もう少しかしら」
諦めるなんて考えは・・・・・・要らない。
「東先輩、バールってある?」
「てか、そもそもバールで外せるものなの?」
「全員溜め口なんだな・・・・・・」
そうだ。
まだ誰も諦めろとは口にしていない!
「風速最大!」
虎郷が叫ぶ。
「東!タイヤ!」
海馬が東先輩に言う。
「先輩だっつーの!」
東先輩はタイヤを投げる。
「奏明さん!跳んでください!」
「おう!」
俺は跳躍する。
「スパイラル」
雅は俺の靴底を蹴り上げる。
風圧で俺は飛び上がる。さらに回転が加わって、空気を突き抜けるように飛ぶ。
1、2、3・・・・・・と12階まで飛び上がった。
「ぶっ飛べ!」
海馬がタイヤを投げる。嘉島の真下に着くように止まる。
「ボイス・バースト!」
音河が衝撃波でタイヤを突き上げるように吹き飛ばす。
体が跳ねるようにさらに飛ぶ。
「く・・・・・・」
22階が限界か・・・・・・。
今度は割りと近くから声が聞こえる。
「コレって、明らかに物理的なこと無視してるぞ」
「心配しないの。落ちるのは貴方だけだから」
「お前ら俺の扱い酷くね!?」
東先輩が・・・・・・。
東先輩がバイクでビルを駆け上がってきた。後ろに虎郷を添えて。
そして隣に並ぶ。
「さっさと行って来い」
「ええ。東先輩も逝ってらっしゃい」
「へいへい」
そこで虎郷は飛ぶ。
東先輩とバイクは地面に落下していく。
「東先輩!?」
「彼ならきっと大丈夫だから」
そう言って虎郷は俺を掴んだ。
「4階分ぐらいしか飛ばせられない」
「十分だ」
虎郷は俺を投げ飛ばす。
虎郷は反動で下に落ちていく。
「悪いな」
「ええ。だから後はよろしく」
俺は爆発して黒ずみ、燃えている25階を抜いて、26階に到達。
「今日元さん!!」
俺は叫ぶ。
『あいよ』
窓が開いた。
「波!」
俺は左手で衝撃波を撃って、窓に突っ込んだ。
「・・・・・・すげ」
こんなこと普通出来ないししないよな。
俺は窓から顔を出した。
「ありがとう!行ってくる!」
全力で叫んだ。
聞こえたかどうかは確認せずに、俺は窓から顔を引っ込めた。
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「今何て言った?」
「さぁ。なんとなく予測はつくけど」
「私もです。というか、東先輩と虎郷さんが落ちてきました」
「アイツなんか言ったか?」
『言ったぜ?聞いてなかった?』
「うお。今日元、いつ携帯繋げた?」
「彼、行ってきますって言ってたわ」
「そうか。じゃ、」
「「「「「『行ってらっしゃい』」」」」」
見よ!嘉島君だけ残った!
これが主人公補正だ!