50-爆発-
50越え達成!
終わらねー・・・・・・
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雨が頬を打つ。
どうも眠っていたらしい。まぁ、痛かったから。
痛みはほとんど引いていた。そこに音河が居るから音河のおかげだろう。
そして――。
「待ってました・・・・・・今日元さん」
俺は笑ったと思う。
時間的に、今日元さんも監視カメラを駆使して俺達の様子を見るはず。そしてその状況を見れば、彼女はスプリンクラーを起動させる。
普通は出来ない。だってここのメインコンピューターは魅陽さんなのだから。
しかし、今日元さんなら出来る。
だってこのビルは既に、今日元さんの支配下にあるから。
「コレくらいの雨で俺の炎が止まるわけねーだろうが!」
木好さんは叫んで、右手を突き出し、炎を放出する。
宣言どおり、スプリンクラーで濡れた床を乾かしながら進んでいく。俺達の服も乾いていく。
『あっそ』
今日元さんはそう言ってから、スプリンクラーを再起動した。
そこから今度は滝のような勢いで水が、木好さんに向かって飛ぶ。
木好さんに直撃する。
「ぐ!」
勢いが勢いだけに木好さんは壁に叩きつけられた。
スプリンクラーの水が止まる。
『何度やっても無駄ってことだ。諦めろ』
「・・・・・・くそがぁぁぁ!!」
木好さんは叫んで、炎も何も無く突っ込んできた。
ヤケ。
燃やす炎であり、怒り燃える男が『ヤケ』で突っ込んできた。
彼の人間性には全て炎が関わっていた。それは『妬け』も有った。
「何も使っていない貴方が勝てるはずが無いわ」
そう言ってから虎郷はそのまま、拳を振るった。
宣言どおり、木好さんの顔面にヒットして背後の壁に叩きつけられる。
悲惨な人生を歩んでいる。そしてこれからもそれで終わる。
「・・・・・・勝ったな」
海馬が言う。
「そうね。2回くらい勝ったわね」
虎郷はそう言って、仙波と木好を見る。
「だとすれば、3回だね」
音河はそう言って虎郷の肩を叩く。
「・・・・・・そうね」
彼女は自分にも勝った。
自分を解き放つ事ができたはずだ。
「・・・・・・ん」
小さな唸り声が聞こえた。
「痛かったぜ・・・・・・」
仙波が立ち上がった。
「やってくれたな。お前ら」
仙波が明らかな怒りを見せる。そして横目で木好を見た。
「・・・・・・負けかよ。無様」
と笑ってから
「お前ら絶対許さないからな」
と言った。
「雅!回転だ!」
海馬は叫んだ。
「え・・・・・・!?」
「急げ!」
海馬はそこに居た全員の腕を掴んで、雅を中心に固まる。
そして雅が回転した。
「そんなもんで止められるわけねーっつの!」
そう。
仙波は電流を発生させようと右手を構えた。
しかし彼は気付かない。
スプリンクラーが発生して、自分や床が濡れている事を知らない。
「あああああああああああああああああ!!」
仙波は叫んだ。
そりゃそうだ。
水は電気をよく通す。水に濡れた自分に電流のほとんどが流れたのだ。
だから海馬は雅に回転するように言った。俺達の水と近くの床の水を弾くために。まぁほとんど木好さんの熱で乾いたけれど。
「ああああああ!!」
彼の力は電流だった。しかし、正確には電気を纏う力だったのだろう。だから体に直接流れ込んだ電気に対応は出来ない。
仙波の体からは黒い煙が出る。
そして電流の勢いは止まった。
「海馬、よく気付いたな」
「いや、嘉島と虎郷は知らなかっただけだろ?お前らも知ってたら気付いたよ」
海馬がそう言って笑う。
『ヤバイ!』
今日元さんが叫んだ。
「どうかしました?」
『スプリンクラーと監視カメラとかの機械に影響が出た。電気が入り込んだ』
そうか。それらも濡れていた。
「それってまさか!?」
『外に逃げろ!爆発――』
今日元さんの声が途切れた。
階段には昇れない。上っても意味が無いかもしれない。
俺達は窓を開けた。
「25階だぞ!?」
海馬が叫ぶ。
「やるしかないだろうが!」
俺はそう言ってから飛び降りた。
それに続くように全員飛び降りた。
ドゴォォォォォ!!
爆風に押されて、俺達はかなり飛んでいってしまう。
部屋の窓が割れながら煙と炎を吐き出す。
それよりも。
「どうすりゃいいんだこれ!!」
長々と続きますが、これからもお願いします。