30-漫画-
漫画的なシチュエーションが最後の方に。
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・・・・・・何なんだ!?
突然、壁が出てきたぞ・・・・・・!?
「う、撃て!」
そうだ。ここは怯まずに撃ち続けるが吉だろう。突然出てきた壁とはいえ、地面を捲り上げた様なものだ。だったら壊す事くらい簡単だろう。
ここで俺は成績を上げれば、幹部昇進は間違いない・・・・・・。
く・・・・・・笑いが出てきた・・・・・・。
「・・・・・・撃ちかた止め!」
ここは、一気に破壊しよう。
「手榴弾を使え!」
兵士達に命令して、使わせることにした。これで壁の破壊は可能だろう。
そして兵士が手榴弾を投げた。
ドガァ!!
壁が破壊された。
しかし、手榴弾はまだ爆発していない。
何・・・・・・が・・・・・・。
「お先です!」
「!?」
何だ!?横を風が通り抜けた・・・・・・!?
「な、何だ!?」
「何か通りませんでしたか!?」
分からない・・・・・・一体何が・・・・・・。
「これ。返すわよ」
「え・・・・・・!?」
崩れた壁の中から出てきた4人の男女が、何か投げてきた。
手榴弾だ。
「しま――」
ドカーン!
と。
激しい爆破音がして、前の兵士達は煙の中に消え去った。
「く・・・・・・」
こうなったら俺だけでも逃げて状況を立て直さなければ――――。
「悪いわね」
「じゃあな」
「ばいばーい」
「消えろ」
一気に来た4人に色々な攻撃を受けた。走馬灯として思い浮かんだのは、やはり、最愛の妻や息子と娘だった。
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「な!?」
壁を壊した瞬間、手榴弾が飛んでいた。
「私は行きますので後はよろしく。お先です!」
走りながらそう叫んだ雅は、風のように階段に向かっていった。
「取れ!」
海馬が叫んで手榴弾を持つ。
俺達3人も掴んだ。
「これ。返すわよ」
虎郷の合図で、同時に投げた。
爆発音とともに前方が煙にまみれる。
「行くわよ」
と虎郷が颯爽と走り始めた。
海馬、音河、俺の順でそれを追いかける。
「まだ1人居るわ。運がいいようね」
「気絶させようぜ」
「そーしよー」
「じゃ、攻撃しながら走り抜けるぞ」
そして、
「悪いわね」
虎郷が顔面を殴り飛ばす。
「じゃあな」
海馬が銃で右肩を撃つ。
「ばいばーい」
音河がギターを鳴らして吹き飛ばす。
「消えろ」
そう言うだけで、階段を上り始めた。
「何か、一瞬俺の世界の崩壊を感じた」
そう呟いたが誰一人反応はしてくれなかった。
「雅ちゃんは?」
「彼女は本当に速いわね」
「アイツは昔から速いんだよ」
3人はそう会話して、10階に到着した。
そこには雅が居た。
「何で止まっているの?」
虎郷が訊くと
「・・・・・・危険ですね」
と雅が答えた。
「危険?」
「あれを見てください」
雅の指差した先には、男が居た。
廊下の中心当りで腕を組み、上半身を後ろから引っ張られたように下げて、突っ立っていた。
「ジョジョ立ち・・・・・・?」
何か海馬が呟いたが、まぁ気にしない。
「貴様らが隼人のお友達だな?」
男が口を開く。
「友達じゃねー。仲間だ」
海馬がそう応対した。
「それは失敬。だが、そうに間違いはないらしい」
男は立ち姿を変えずにそう言ってから、
「最後の確認だ」
と続けた。
「今からでも帰るつもりはないか。考えを変えて帰るのだ。それが認められなければ、土に還るか、命を神に返すことになるぞ」
「・・・・・・いいや。変えないし帰らないし還らないし返さない」
俺は男の発言にそう答える。
「そうか。ではゲームを始めよう」
「げ、ゲーム?」
「王城グループはゲーム好きな1代目社長が作り上げた『ゲーム会社』だったのだよ。彼は異常な知力とすばらしい社交性と恵まれた人間性で、今の状態を1代で作り上げたのだよ」
「で、どんなゲームだ」
「上には同じようにゲーム目的の人間が居る。そいつらがその度にルールを決めるのだが、今回のルールは1対1の戦闘だ」
「戦闘・・・・・・?」
「お前らの中から1人だ。俺を倒すまで続けていい。俺が倒れるまで階段には向かえない。以上だ」
男はその立ち姿を何一つ変えずに睨み、組んでいた腕を外し、右手で俺達をさした。
「さぁ選べ。誰が来る」
「私が行きます」
雅が言った。
「常盤。こういうのは私向きよ」
虎郷が止めるが雅は
「いえ。私は切り込み隊長ですから」
そう言ってそのまま足を進め始めた。
「すみませんが、こういうのはマンガとかによくある代表例として、絶対に私が勝ってしまうんですよ。どんな傷を負っても」
「そうかもな。だが俺はそんな物に折れるつもりは一切ない。貴様ら全員ココで殺す」
男は雅の挑発を受けても立ち姿を崩さずに言った。
今更のようですが、感想とか評価とかお願いします<(_ _)>