29-首領-
まず、東先輩について。
そして彼らは戦います。
東先輩の能力は『ラスト・サーキット』という能力である。
彼の能力は簡単に言うと、どんな乗り物でも感覚で運転でき、操縦できるという能力なのだ。
が、実は彼はもう一段階上がある。それは今聞くと、「能力の進化」であった可能性が高い。
「東先輩は大丈夫なのか?」
海馬が訊く。
「あの人は運転するだけの能力だろう?それであの場を乗り切れるとは・・・・・・」
「いいや。東先輩にはもう1つ上の力がある」
「上の力?」
「それはな・・・・・・」
階段を上りながら言う。
東先輩の『能力の進化』とは「乗り物の意志」だ。彼は乗り物を武器に変えることが出来る。彼の力は、タイヤを足につけ、異常加速できたり、それを止めるためにブレーキをつけられる。また目をライトに交換し、相手の目くらましも出来る。
それは持っていた乗り物によって違いが出る。
「それはまるで・・・・・・」
「俺の乗り物バージョンだ。しかも意思疎通が完璧だから、いいところと悪いところを全てカバーできる。あの人には乗り物さえあれば何でも出来るんだよ。さらに・・・・・・」
さらに、あの人には前歴がある。
「彼は切れると、音河みたいに変身する」
「へ、変身!?」
「あの人は元暴走族の総長だ。切れたら・・・・・・暴力的になり、白い長ランにリーゼントだ。背中には『夜露死苦』とかな。そして、物理的な腕力が上がる。1人で車一台持ち上げられる」
「もう化物じゃねえか・・・・・・」
「だから大丈夫だ。さて、どうやら、階段はココまでみたいだぜ」
5階まで到達して、階段が途切れていた。
「まぁ高層ビルだから階段があっただけでも奇跡か・・・・・・」
そう呟いてから、俺は廊下に出る。そして周りを眺める。
「どの階も準備万端らしいな」
後ろから海馬が声をかけてきた。
「向こう側に階段があるわね。多分、立ち替り入れ替りで階段が続いているんでしょう」
「だといいね」
虎郷と音河も出てきて、それらを眺めた。
敵の人数はざっと20人くらい。廊下は短い。まぁ、階段から階段に移動する間だけだが。
「躊躇はしない!」
向こうの人々が言って、銃器を構えた。
「撃て!」
指揮官と思しき人がそう叫んで、銃弾が発射し始めた。
「嘉島ァ!」
海馬が叫ぶと同時に、俺は左手の袖を捲って、地面を叩いた。
「壁でガードしたが、長くは保たないぞ」
俺がそう言うと
「私が行きます」
と雅が言った。
「これから私が切り込み隊長として、常に走りつづけて、敵を錯乱して進み続けます」
「じゃあ私が錯乱した敵を潰していくわ」
虎郷の発言に、雅は頷いてから
「次に正先輩が銃を乱射しながら、突っ込んでください」
と続けた。
「俺がか?」
「はい。先輩なら虎郷さんにダメージを与えないように敵を攻撃できると思います」
「分かった」
「奏明さんと音河さんは後方支援をよろしくお願いします」
「……流石だな」
俺はそう呟いた。
「?」
「考え方が隼人に近い。やっぱりリーダーに相応しいよ。俺には……無理だ」
前々から考えていた事。
リーダーに俺には相応しくない・・・・・・。
「アホか」
海馬が言った。
「・・・・・・!?」
「考え方はどうでもいいんだよ。そういういのも全部任せとけ」
海馬がそう言って、笑って、壁に向かって立つ。
「リーダーはどっしり構えていればいいんです」
雅もそう言って立ち上がった。
「私達はコイツらと戦うから、嘉島は隼人を助けてやってくれよ」
音河はギターを出す。格好も変わったので、本気という事だろう。まぁ、変装と言う意味でそれでもいだろう。
「貴方が私達のリーダーなのよ」
虎郷は拳を構える。
「「「「行くぜ?リーダー」」」」
まるで。
まるで打合せしたように、声を合わせて4人が言った。
「・・・・・・ありがとう」
俺はそう呟いて、左手を構える。
そして虎郷の右横に立った。虎郷は右の拳を構えている。
地面で作り上げた壁を見て
「ぶっ壊すぞ」
と俺は言った。
そして俺は、
「行くぞ!」
と。
彼らの発言に答えた。
そして俺は左手を、虎郷は右手を壁にぶつけた。
次回からはバトルマンがのお決まりです。