26-三人-
何を表すのかは自分で考えてくださいね。
答えはあとがきで。
俺はコンビニ(自動販売機がないほどの田舎だ)で、アイツらの欲しいジュースを買った。何か心配してくれたけれど、軽く受け流した。そして帰る。
「ただいま」
「遅かったわ・・・・・・ね・・・・・・」
虎郷がこちらを見て止まる。
「ジュース買ってきたぞ」
「おーお疲れ」
「ありがとー」
「サンキューです」
と3人はこちらを見ずにそう言った。ソファーに座ってテレビを見ている。
「ほい」
と俺はジュースをそこに置いて、座った。
「それにしても遅か・・・・・・」
海馬が見る。止まる。
2人も目を向ける。止まる。
「あ、忘れ物」
俺は動いて、玄関に戻る。
そして帰ってきたときには、俺は男を引っ張っていた。
4人は俺の肩の弾痕や気絶した男を見て言った。
「「「「何コレ」」」」
「まさか戦ってくるとは・・・・・・」
「ギリギリで防御されたみたいで殺しまではしなかったが、俺は殺すくらいの覚悟だったな」
「それにしても貴方はどこでも戦おうとするのね」
「仕方ないだろ。向こうから殺しにかかってきたんだ。俺からすればアイツに背を向けるほうが怖かったっての」
「とりあえず今すぐに、龍兵衛さんに連絡しないといけないねー」
「ああ。だから・・・・・・後はよろしく」
俺はそう言ってからソファーに座り込んだ。
気が付いたら朝だった。どうやらあのまま寝てしまっていたらしい。
「あら。起きたの」
「・・・・・・」
それでも、虎郷は俺より早く起きていた。コイツはいつ寝ているんだろう。
「おはよう」
「おはよう」
「調子はどう?よく寝たかしら」
「ああ。MAXだ。ところで今何時?」
「まだ5時よ。今日は学校は休みだそうよ」
「休み?何で?」
「犯罪者が逃げ出した事をようやく公表したようね。皆に危険が及ばないようにするためでしょう」
「まだ公表してなかったのか・・・・・・」
とそれだけ話す。
いつもならこのくらいで海馬が起きてくるが、どうやらアレは本当に偶然らしい。それも運が良いのか。だとして誰に対する運の良さなのかは全く分からないが。
俺は昨日のままの服を部屋に戻って着替えてから携帯電話を開く。
「・・・・・・そろそろ母さん達にも1回連絡しとこうかな・・・・・・」
俺はそのままメール画面にして、メールを打つ。
『俺は何の異常も無く、元気に過ごしています。心配は要りません』
と、母親の携帯電話に送った。
そして10秒くらいで返信が来た。
『もしも自分探しなのだとしたら、心配はしていないが、あんまり家族に迷惑かけんなよ?父さんと響が居なくなってすっかり広い家なんだから。母さんと奏も心配しているぞ 響也』
『自分探しの旅も良いけど、自分を見つめなおすには家が一番大事なのよ。あんまり王城さんに迷惑かけないようにね 光』
『帰って来い。さみしい 奏』
・・・・・・何なんだコイツら。俺は母さんにしかメール送ってないぞ。何で一気に来た。というか、奏は何言ってんだこいつ。お前は兄妹愛なんか無かっただろう。有っても、それは兄さんに与えとけ。
と心の中で突っ込んでからリビングに戻る。
心配しすぎだっての。
そういえば肩の弾丸が抜かれている。応急処置もされているみたいだ。
虎郷はキッチンからこちらに移動して、ソファーに座ってテレビを見ている。
「どうやら荒れそうね」
「どうした?何かあったのか?」
「今夜・・・襲撃の時間くらいに台風が直撃するわね」
「台風・・・・・・この時期にか?」
「向こうが一々人間様のこと考えているはず無いでしょう。取り敢えず、皆が帰ってくるのを待ちましょうか?」
「そうだな」
俺はそう言って、ソファーに座る。
・・・・・・ん?
「帰ってくる?どっかに出かけているのか?」
「こちらは戦争に行くのよ?武器くらい調達して当然でしょう?」
そう言った時、玄関の扉が開く音。
そしてどたばたと音を立てて、リビングの扉が開いた。
「よっしゃ!これでどうだ!」
と海馬が床に銃器をばら撒く。
「あ、嘉島起きたの?おはよう」
と音河も入ってきて、同じようにばら撒いた。
「お2人の邪魔しましたか?すみません」
と要らぬおせっかいを焼きながら、雅も同じように。
「こんなにもどこから・・・・・・」
「海馬家の地下」
「お前の家は要塞か」
「ああ。元要塞だ」
冗談をマジで返されてしまった。
「よし!寝る。おやすみ!」
「おやすみ、お2人さん」
「すみません、寝させていただきます」
と3人は元気とは裏腹に、眠そうな声でリビングを出て行った。
「・・・・・・嵐のごとく消えて行ったな」
「そうね」
「お前は寝ないのか?」
「貴方の横で寝てたから」
「あー・・・、もしかして肩の銃弾抜いたのも?」
「ええ。私」
「・・・・・・ありがとう」
「どういたしまして」
と、短い挨拶を交わした。
・・・・・・コイツに恋愛感情はあるのだろうか。
何の前触れも無くそう思った。訊いてみるべきか訊かざるべきか。うーむ・・・・・・。
考えた結果、思い切って訊いて見ることにした。
「なぁ、虎郷――――」
PULLLLL!PULLLLL!
俺の携帯電話がなって、俺の発言を掻き消した。
「誰だ・・・・・・?」
俺は少しイラツキを覚えながらも携帯電話の通話ボタンを押した。
「もしも――」
「急いで来い。警察署だ」
「?龍兵衛さ――」
ブッ!
と、勢いよく切られてしまった。
相手は龍兵衛さんだった。
「何だ・・・・・・?」
「どうしたの?」
「龍兵衛さんが警察署に急いで来いってさ」
言いながら俺は立ち上がる。すると虎郷も立ち上がって
「そ。では2人だけで行きましょうか」
といって、リビングの扉に向かった。
「あいつらは?」
「今は寝てるでしょう?起こしてまで連れて行かなくても、私達だけで――」
扉が開くと。
「うわ!」
「うわぁ!」
「痛い!」
と、海馬音河雅の順番で倒れてきた。
「・・・・・・何しているの?」
「いやぁ・・・・・・はは」
海馬は笑ってごまかす。
「・・・・・・まぁいいわ。行きましょう」
虎郷は先に玄関に向かう。
俺はその背中を追いかけながら、3人を見る。
「いい雰囲気にはならなかったろ?」
と捨て台詞を吐いて、俺は玄関へ向かった。
3人は苦笑いを浮かべて、顔を見合わせた。
海馬、音河、雅の三人でした。
はっはっは(ネタが無いのです)。