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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第五章 失って気づくこの世界
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26-三人-


 何を表すのかは自分で考えてくださいね。


 答えはあとがきで。


 俺はコンビニ(自動販売機がないほどの田舎だ)で、アイツらの欲しいジュースを買った。何か心配してくれたけれど、軽く受け流した。そして帰る。


「ただいま」

「遅かったわ・・・・・・ね・・・・・・」

 虎郷がこちらを見て止まる。

「ジュース買ってきたぞ」

「おーお疲れ」

「ありがとー」

「サンキューです」

 と3人はこちらを見ずにそう言った。ソファーに座ってテレビを見ている。

「ほい」

 と俺はジュースをそこに置いて、座った。

「それにしても遅か・・・・・・」

 海馬が見る。止まる。

 2人も目を向ける。止まる。

「あ、忘れ物」

 俺は動いて、玄関に戻る。


 そして帰ってきたときには、俺は男を引っ張っていた。

 4人は俺の肩の弾痕や気絶した男を見て言った。


「「「「何コレ」」」」



「まさか戦ってくるとは・・・・・・」

「ギリギリで防御されたみたいで殺しまではしなかったが、俺は殺すくらいの覚悟だったな」

「それにしても貴方はどこでも戦おうとするのね」

「仕方ないだろ。向こうから殺しにかかってきたんだ。俺からすればアイツに背を向けるほうが怖かったっての」

「とりあえず今すぐに、龍兵衛さんに連絡しないといけないねー」

「ああ。だから・・・・・・後はよろしく」

 俺はそう言ってからソファーに座り込んだ。





 気が付いたら朝だった。どうやらあのまま寝てしまっていたらしい。

「あら。起きたの」

「・・・・・・」

 それでも、虎郷は俺より早く起きていた。コイツはいつ寝ているんだろう。

「おはよう」

「おはよう」

「調子はどう?よく寝たかしら」

「ああ。MAXだ。ところで今何時?」

「まだ5時よ。今日は学校は休みだそうよ」

「休み?何で?」

「犯罪者が逃げ出した事をようやく公表したようね。皆に危険が及ばないようにするためでしょう」

「まだ公表してなかったのか・・・・・・」

 とそれだけ話す。

 いつもならこのくらいで海馬が起きてくるが、どうやらアレは本当に偶然らしい。それも運が良いのか。だとして誰に対する運の良さなのかは全く分からないが。

 俺は昨日のままの服を部屋に戻って着替えてから携帯電話を開く。

「・・・・・・そろそろ母さん達にも1回連絡しとこうかな・・・・・・」

 俺はそのままメール画面にして、メールを打つ。

『俺は何の異常も無く、元気に過ごしています。心配は要りません』

 と、母親の携帯電話に送った。

 そして10秒くらいで返信が来た。

『もしも自分探しなのだとしたら、心配はしていないが、あんまり家族に迷惑かけんなよ?父さんと響が居なくなってすっかり広い家なんだから。母さんと奏も心配しているぞ 響也』

『自分探しの旅も良いけど、自分を見つめなおすには家が一番大事なのよ。あんまり王城さんに迷惑かけないようにね 光』

『帰って来い。さみしい 奏』


 ・・・・・・何なんだコイツら。俺は母さんにしかメール送ってないぞ。何で一気に来た。というか、奏は何言ってんだこいつ。お前は兄妹愛なんか無かっただろう。有っても、それは兄さんに与えとけ。

 と心の中で突っ込んでからリビングに戻る。

 心配しすぎだっての。

 そういえば肩の弾丸が抜かれている。応急処置もされているみたいだ。

 虎郷はキッチンからこちらに移動して、ソファーに座ってテレビを見ている。

「どうやら荒れそうね」

「どうした?何かあったのか?」

「今夜・・・襲撃の時間くらいに台風が直撃するわね」

「台風・・・・・・この時期にか?」

「向こうが一々人間様のこと考えているはず無いでしょう。取り敢えず、皆が帰ってくるのを待ちましょうか?」

「そうだな」

 俺はそう言って、ソファーに座る。

 ・・・・・・ん?

「帰ってくる?どっかに出かけているのか?」

「こちらは戦争に行くのよ?武器くらい調達して当然でしょう?」

 そう言った時、玄関の扉が開く音。

 そしてどたばたと音を立てて、リビングの扉が開いた。


「よっしゃ!これでどうだ!」

 と海馬が床に銃器をばら撒く。

「あ、嘉島起きたの?おはよう」

 と音河も入ってきて、同じようにばら撒いた。

「お2人の邪魔しましたか?すみません」

 と要らぬおせっかいを焼きながら、雅も同じように。

「こんなにもどこから・・・・・・」

「海馬家の地下」

「お前の家は要塞か」

「ああ。元要塞だ」

 冗談をマジで返されてしまった。


「よし!寝る。おやすみ!」

「おやすみ、お2人さん」

「すみません、寝させていただきます」

 と3人は元気とは裏腹に、眠そうな声でリビングを出て行った。


「・・・・・・嵐のごとく消えて行ったな」

「そうね」

「お前は寝ないのか?」

「貴方の横で寝てたから」

「あー・・・、もしかして肩の銃弾抜いたのも?」

「ええ。私」

「・・・・・・ありがとう」

「どういたしまして」

 と、短い挨拶を交わした。


 ・・・・・・コイツに恋愛感情はあるのだろうか。

 何の前触れも無くそう思った。訊いてみるべきか訊かざるべきか。うーむ・・・・・・。

 考えた結果、思い切って訊いて見ることにした。

「なぁ、虎郷――――」


 PULLLLL!PULLLLL!

 俺の携帯電話がなって、俺の発言を掻き消した。


「誰だ・・・・・・?」

 俺は少しイラツキを覚えながらも携帯電話の通話ボタンを押した。

「もしも――」

「急いで来い。警察署だ」

「?龍兵衛さ――」

 ブッ!

 と、勢いよく切られてしまった。

 相手は龍兵衛さんだった。


「何だ・・・・・・?」

「どうしたの?」

「龍兵衛さんが警察署に急いで来いってさ」

 言いながら俺は立ち上がる。すると虎郷も立ち上がって

「そ。では2人だけで行きましょうか」

 といって、リビングの扉に向かった。

「あいつらは?」

「今は寝てるでしょう?起こしてまで連れて行かなくても、私達だけで――」

 扉が開くと。


「うわ!」

「うわぁ!」

「痛い!」

 と、海馬音河雅の順番で倒れてきた。

「・・・・・・何しているの?」

「いやぁ・・・・・・はは」

 海馬は笑ってごまかす。


「・・・・・・まぁいいわ。行きましょう」

 虎郷は先に玄関に向かう。

 俺はその背中を追いかけながら、3人を見る。

「いい雰囲気にはならなかったろ?」

 と捨て台詞を吐いて、俺は玄関へ向かった。


 3人は苦笑いを浮かべて、顔を見合わせた。

 

 


 海馬、音河、雅の三人でした。


 はっはっは(ネタが無いのです)。

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