24-殺人-
間違えて、シンデレラバトローションに投稿してました。
深くお詫び申し上げます。
「で。僕の何知ってんの?過去?現在?未来?」
「未来が見たけりゃ、うちの女子に頼め」
「あー・・・・・・。それは『フューチャー・ライン』か?」
「・・・・・・知ってんのかよ」
「お!あたりか!言ってみるもんだな。てことは、お前も『何か』なんだな?」
何故か陽気になる。
「言う必要は?」
「ナッシング」
男は俺の胸に向かって、2メートル弱の刀を突いてくる。
俺は刀に手を添える形で避ける。コレは突然の刀の横薙ぎを避けるためだ。
「あっちゃー・・・・・・。マジでコイツは常人より修羅場慣れしてるわ」
「お前・・・・・・xだよな?死刑囚の」
「あ」
男は動きを止める。
「そっち知ってたのか。なーんだ。過去を知っているわけじゃないのか。じゃ、いいや」
そう言って刀を戻した。
そして、突然現れたのと同じように突然消えた。
「じゃ。また会う日まで」
「は?」
宣言通り俺から背を向けて歩き始めた。俺の目的地とは違う方向だ。
「・・・・・・おい、ちょっと待てよ」
俺は追いかける。
そして、肩に掴みかかろうと手を伸ば――――。
「!」
刀が僕の右頬の横を通過した。現在その刀は僕の右肩に置かれている。
「あれ。また避けられた」
男はこちらを見ずにそう言った。刀は、その男の右手に握られ、俺の方に向けられている。
「お前みたいなタイプは大概、他人に優しかったり、犯罪者をみすみす見逃せないタイプだからな。いい案だと思ったのに・・・・・・」
「お前・・・・・・」
ギリギリ何かが見えたから反射的に避けたとしか言いようがない。なんて真似しやがるこいつ。
「てな感じで」
そのまま右手の刀を横薙ぎに振る。俺は同時にしゃがむ。だって、首切られたくねえもん。
「このまま、どんどん行くぜ?」
「できれば遠慮したいかも」
「それこそ無意味だ」
そのまま刀を叩きつけるように、しゃがんでいる僕に向かって振った。
というか、あの突然登場した刀は何だ。アレはもしかして『アクター』なのか?そんな最強説を打ち上げようとしているのかこの殺人鬼は。
だが、龍兵衛さんは能力者じゃないって言っていた――――いや、待て。その根拠は何だ。コイツに関わった人間は全員死んでいる。だとすれば逮捕された時、警察たちに攻撃できなかったわけじゃない。コイツの力は武器を出せるんだから。とすれば、原因はコイツの内部か或いは、逮捕したという少年。ソイツが怪しい。
「ちょ、話さないか?」
怖さと焦りで、最初は言葉に詰まったが、何とか言い切ることは出来た。
「何?」
「お前のその力は、いつ出来たんだ?」
「この間、脱獄したときから。逮捕されたときにはなかった力だ」
「は?」
じゃあ、そんな短い期間で、俺とほぼ同様の知識を得たという事か?
「何か、この間あった奴に貰ったんだよ」
「も、貰った?」
「うん。何かよく分からない奴に。『これは[異能]だ。君にやる。僕には要らない。使い方を教えておくから、勝手にやってくれ』だってさ。その時に色々訊いた。」
貰ったって・・・。そいつは何者だ?
「で。お前は何?」
・・・・・・。コイツにその話を訊いても無駄だろう。だったら今は今で何とかするしかない。
「ま、いいか。どうせ殺すし」
そう言って男は刀を持った右手をぶら下げた。
「『キラー・ミラー』だそうだ。あらゆる武器を自分で出せる。そういう能力。さらに」
刀を持っていた右手からもう1本、左手にもう1本。合計4本。
「増殖に限界はない。いくらでも増やせる」
「・・・・・・だからなんだ」
「?」
男は不思議そうな顔をする。
「どういうことだ?」
「お前の刀の射程範囲に入らなかったら、意味がないだろ?刀はお前の腕の長さから考えても、4メートルが限界値だ」
「・・・・・・あー・・・・・・そういうことか」
そう言って男は笑うと、さらに
「僕に射程距離は関係ない」
と続けた。
「どこであろうがお前を殺してみせる」
「何だ?その刀に追尾性能でもついているのか?」
「そんなわけないじゃん」
と、そこで。
ぱん。
という音がして。
「・・・・・・は・・・・・・?」
俺の肩が撃ち抜かれた。
「言ったろ?あらゆる武器を取り出せるって。刀だけだと思っちゃ負けだろ」
「・・・・・・いっっっっってぇぇぇぁぁぁぁぁあああ」
無様ながら叫んだ。
そいつは刀をしまった右手に、銃を持っていた。
「な、何なんだ!」
「アクターだろ?お前ら風に言うと」
「・・・・・・くっそ!」
とうとう、俺も運の尽きだろうか。
どちらにせよこのままでは負ける。
・・・・・・殺される!!