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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第一章 決まりきったこの世界
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10-目線を変えてこその世界-

今回犯人の正体が分かりますぜ。


っとぉ、ちょいまちな。旦那も気がみじけぇや。


犯人を考えてからやったほうが面白いですぜ。


以上を棒読みでお楽しみください。

 俺の気絶時間は、午後7時。図書館が閉まる時間だった。

==========================

 私は、真実を知っていた。

 東さんという――なんとなく一也に似ていたような気がする――人に、頼んで1度外に出た。

 私は私で犯人を知りたかったから。


 でもその時


 私は出会った。


 犯行現場で。


 犯人と。


 そして、手紙をポケットに入れられた。


 犯人が部屋から出るのを見てから急いでその手紙を読んだ。


『お前ならすぐ来るだろうと予測していた。監視の目をかいくぐって、17時までに図書館に来い』


 だから、私はその部屋にあった灰皿を持って。


 車の前で待っていた東さんを。


 殴った。


 すると割とすぐに王城君と嘉島君がやってきた。


 このまま、やり過ごすと言うのも手ではあったが敢えてこの場所から離れると言う方法を選んだ。


 が、東さんが私のことをばらさないという可能性も無くは無い。


 だから私はそこで聞き耳を立てると言う方法に出た。

 しかし、彼は私を犯人だとは言わずに、彼らに助けるように命令していた。


 さらに、王城君は私を仲間だと言ってくれた。


 その後、彼らは分かれて捜査を始めていた。

 嘉島君は警察の人とどこかに行ったから警察署。

 だとすれば、私の場所がばれる事は無いはず。


 まだあと3時間もあるが、早めに行くとしよう。

 そう思っていた。


 しかし、私が図書館に着いた15時に、先客があった。

 王城君だ。

 彼はおそらく気づいたのだろう。

 東さんを殴ったのが私だということも、図書館に私が現れるということも。

 犯人の正体も。


 このまま出会うのは危険すぎる。

 私はとりあえずそこを離れた。


 とりあえずは、人の多いところに行って身を隠す事を選んだ。

 が、その時に妙な感覚に襲われた。


 自分の動きが遅くなる・・・いや、自分以外の全てのスピードが上がっている。

 ドラマやアニメでたまに出てくるシーンのように。


 となると、やはり自分以外にも、同じ時間にいる人間がいた。

 黒いパーカーを着て、周りより遅いスピードで歩いてきた。

 そして、私のポケットに手紙を入れた。

 ・・・・・・・その時に。

 私は犯人の顔を見た。

 横顔だったけれど、それで充分だった。


 その男が完全に視界から消えてから、振り返った。


 世界は元に戻っていた。私も、世界も同じ時間を共有し始めた。




『あの男は危険だ。19時に変更する。裏口のドアの左から2番目の窓を開けておく』

 手紙にはそう書かれていた。



 そして、図書館に入ろうとして、私は見つかってしまった。

 嘉島君に。


 だから、私は彼を殴った。

 腕には自信があったから、30分くらいなら気絶させる事くらいは出来る。

 そう思っていた。


 オチからいってしまえば、私の誤算は、彼の力量を見誤り、執念で最後の最後に発信ボタンを押していたことに気がつかなかったことだろう。


===================================

 その窓は、まるで溶かされたような穴の開き方だった。

 大きな穴ではなかったが、少しかがめば入れるような大きさだった。

「来たわよ」

 私は中に入って、すぐさまそう言った。

 中には誰も居ない。

「おう」

 間髪入れずに本棚の影から1人の人間が出てきた。


 その男は、パーカー姿で立っていたがそれは少し燃えていて、焦げかけていた。

 左手にはいびつな形に、やけどの跡が付いていた。


「まぁ・・・こんなもんか。実験は」

「・・・やっぱりあなただったのね」

 ・・・なんか推理ドラマで聞いた事あるようなセリフを言っているような・・・。

 そんな事を気にしている場合ではなかったのだが。

 その男は左手を本棚に構えた。

 ボウッ!

 そんな効果音で、手から炎が燃え上がり始めた。

「!!」

「まぁ、図書館にお前を呼んだのもこんな理由なんだが」

 そうか。

 図書館は本というとても燃えやすい物が置いてある。

「私を・・・殺す気だったの」

「ああ。いい加減我慢ならないからな」

「・・・どういうこと?」

「それを知っておく必要は無い」

「・・・そう」


 結局こんな能力でも、

 不幸な未来が見えても、

 命は助けられない。

 自分の命すらも・・・助けられない。


 その男は、本棚に向かって炎を放つ。

 簡単に燃え移る。


 そして、左手を今度は私に向けた。

「じゃあな」

「そう・・・残念」


 ・・・心残りは、この近くに居て嘉島君が死なずに入られるのだろうか。

 燃える時には、意識を取り戻してくれるだろうか・・・。

 その時は隼人君と一緒に、犯人を見つけ出して、

 そして私の心を助けてほしい。一也の心も救ってほしい。


 そんな風に思った。


 私は、左手から炎が出てくるのを見「よっと」

 私の視界は、急激な移動を始めた。

 天井に向かって強制移動された。



===================



 まぁ気絶から目覚めたのは気絶させられて5分だった。

 たった5分と思うかもしれないが、俺の体力や武力では、とてもすばらしいと思う。

 そして彼女を助けるには不十分すぎる時間だった。

 ただし、俺には扉が開いているという考えは無かったので、

 強制的に玄関のドアを分解した。

 説明するまでも無く俺の能力である。


「・・・さて・・・あ」

 火薬?・・・いや、火の臭いか。

 DASH!!


 そして、犯人に燃やされそうな虎郷の足を払い、受け止めた。


「大丈夫かよ」

「・・・恨まれる覚えはあっても、助けられる覚えは」

「俺が助けたいから助けただけだ。それにあんなの痛くもねぇよ」

 ・・・嘘です。


「・・・で、犯人はあんただったか」

「ああ。また会えたな」


「約束どおりだな。木好さん」


 というわけで、俺と木好さんは約束どおりの「またいずれ」を果たしたのであった。


まぁ、そんな感じで、微妙ですが。


次回の話に期待大。


でもまって、じゃ今回どうすんだい。

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