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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第五章 失って気づくこの世界
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22-始動-

 本当は『再始動』にしたかったけど、今回は2文字統一なので。


 今回は文字数が異常に多くなっております。推理の方向に走っていますので。

 

 情報がメチャクチャ多いので気をつけてください。

 

 これ学園じゃない気もしますが、まぁいいってことにします。

 


 警察署での龍兵衛さんの開口一番のセリフはこうだった。俺達が何を訊くでもなく、いきなり


「諦めねーし、逃げねーよ。全員その方向性で固まってる」

 と俺達を見た瞬間に言った。


「・・・・・・はい?」

「どうせ、アレだろ?心配したんだろ?この間の隼人のセリフで事態の収拾がついて、俺達が襲撃作戦を取りやめるんじゃないかって」

「・・・・・・そうです」

「冗談じゃないな。俺達は絶対に諦めない。逃げたりしない。大体、そいつらが警察署爆破したのに関与しているっていうネタは上がってんだ。俺達はそれを元に逮捕状請求、ガサ入れ・・・・・・じゃ分からないか。『家宅捜索』って方針で行くんだよ。あいつらはどうせ抵抗してくるんだろうから、俺達は襲撃って言ってるだけで、実際はただの逮捕劇だ」

「でも、龍兵衛さんよ」

 海馬が俺の代わりに口を開いた。

「相手は王城だぜ?こっちは分が悪いと思うが?それこそ戦車でも借りてくればいいけどよ」

「ああ。手配してある」

「つってもよ――――」

 海馬が止まる。俺も止まる。というか、俺達の思考と視線、及びそれに基づく身体が停止した。

「・・・・・・戦車・・・・・・手配したんすか?」

 海馬が震えながら訊く。

「ああ。当たり前だ」

「・・・・・・そんなのどうやって?」

「兄弟だ。ってか、お前ならよく知っているだろう?」

「え?」

 龍兵衛さんがそういって海馬を指差した。


「虎兵衛だよ。県 虎兵衛。お前のところの執事だろうが」

「・・・・・・なんでここで爺やの名前が?」

「だから兄弟だって。あっちが弟。向こうの方が老けてるから、兄貴に見られるけどよ」

 ・・・・・・なんだこの状況。

「って、じゃあこの間の『警備会社の知り合い』ってのは・・・・・・」

「虎兵衛だよ。アイツ警備会社と繋がってんだろ?」


 ちなみに上記の情報は全てしっかりと記述してあります。少し過去をさかのぼればあるでしょう。

 たまには語り部もしっかり仕事しなければいけないなと痛感させられた。俺が説明していなかったら、独壇場になるだろう。


「マジかよ・・・・・・」

 海馬はプチショックを受けていて少し思考停止気味に作動している。いや、していないのか。

 いかん・・・俺まで分からなくなってきた・・・・・・。

 どうやら皆もそんな感じらしい。

「で、戦車まで用意したという事は間違いなく私達に協力してくれるんですよね?」

 そんな中、さすがターニング・ポイントというべきか、さっさと忘れたように、龍兵衛さんに質問している。

「ああ。で、お前らには24日の深夜0時までに、出来る限りの脱走者逮捕を頼む」

「できれば木好さん以外の3人の情報を教えてください」

「いいぜ。木好はのことは、後で虎郷か嘉島かにでも訊いてくれ」

「了解しました」

「じゃ、データで渡すからちょっと待ってろ」

 そう言って龍兵衛さんは置くの部屋(捜査本部と書いてある)に入っていった。



 待っている間に、テンションを戻した海馬が

「戦車・・・・・・か」

 と呟いた。

「そんなものまで用意しないといけないんですか?」

「王城ならどっかの傭兵とか連れてくるかもしれないからな・・・・・・」

「そうなんですか・・・・・・」


 雅と海馬が会話を進めている中、


「隼人の協力者って誰なのかな?」

 と音河が虎郷に訊く。

「あら。気付いていないの?」

 虎郷は少し驚いたように言う。

「え」

「・・・・・・まぁいいわ」

「ちょ。え、誰?」

「教えない」

「そんな!」


 と、女子2人の会話も聞こえる。

 そんな中考える。

 本当に隼人がそこまで必要なのだろうか。今、こうやって組織として動かしている以上、幹部の奴だけでも組織としての機能は出来る。だとすれば、その幹部が王城グループを統率すれば良い。それは幹部の人間にとっては嬉しい事態に違いない。しかしそれでも隼人を引き入れようとしている。

 そもそも、どうして隼人でなければならないのだろう。今すぐにでも隼人でなければならない理由は?

隼人の父親・・・・・・つまり社長が居ない。そして会長が病床に就いている。だから幹部が暴れている。

 だがしかし、いくら隼人の父親だとは言っても――つまり猪突猛進だとしても、幹部が暴れている言い訳にはならない。アイツの父親であると言う時点で、隼人よりも上の頭脳のはずだ。だとすれば、幹部の暴走くらい気付くはず。

 もしかしてわざと幹部を暴れさせているのか?いや、しかしそうだとしてもメリットが・・・・・・。


「待たせたな」

 そう言って龍兵衛さんがやってきた。

「3人の情報だな。

 1人目:如月 いくさ 殺人罪。つーか、如月家は昔から殺人とかそういう方針に固まりやすいらしい。人を殺す才能がある。もちろん、使わなかった奴もいるけど、基本的には暗殺者とか殺し屋とかで捕まらなかったりしている。コイツが馬鹿な方だ。

 2人目:一条字 らい 同じく殺人罪と殺人教唆とか、後は強盗とか。裏の王者、一条字だ。ヤクザだな。コイツは証拠を残さなかったり、他の奴らにやらせるから捕まえるのに時間が掛かったんだけど、公務執行妨害で捕まえて、それらを再逮捕の方針で捕まえた。にもかかわらず今回逃げられたんだよな・・・・・・。

 3人目:x 殺人。コイツは本名が分からない。だから情報も少ないと思うんだ。名前が分からないのは、こいつがどっかの会社に居たっぽいんだけど、記憶喪失になって、怒りが制御できず、その会社の人間全員殺した。家族は既に死んでいたらしくて、分からない。んで、コイツが誰かを殺す時、毎回こう言うんだよ。

『僕は誰でしょう』

 ってな。自分のことを知っている奴を探しているらしい。ちなみに知らないって言うと、殺されるし、知っているって言っても、それについて聞かれた後殺される。こいつと出会って生きていた人間は、1人。コイツを捕まえた少年だけだ。警察官も殺されかけたくらいだからな」


 ・・・・・・うん。情報が濃いな。

 取り敢えず3人の情報のファイルをもらって、雅に渡す。あいつが1番適応力が早いだろう。


「それにしてもどうしてこんな重罪ばかりが出て行っているんですか?」

「重罪っつーか全員死刑囚だ。お前らの連れてくる奴らは異常だからそれなりに拘束力の高い刑務所に入れたんだよ。そこにコイツらが居た。それだけ。

 ちなみに爆発させたのはやっぱりあの女子だったな。看守の1人が王城グループに命令されて、拘束具を外したらしい」

「その看守は?」

「ボン!と、消え去った」

 ・・・・・・爆破に巻き込まれたって訳か。


「取り敢えず、今ある情報はそれくらいだ。・・・・・・今日はもう遅いから、24日の0時までに4人。頑張ってくれ」

「了解です」

 俺がそう言うと龍兵衛さんは部屋の中に入っていった。

 ココに長居する用事もなかったので、俺達はそのまま警察署を出た。 



 長かったですよね。申し訳ないです。でもこんな感じです。


 ちなみに、警察に関する知識をいくつか入れました。皆ご存知だと思いますが、分からなければ申し訳ありません。

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