21-味方-
学校で友達が出来ずに悩んでいる君!
大丈夫!全世界の二次元が味方している!!
そして夕方、学校から帰宅。
学校に行っている間の家の保護と修理は警察にお願いしておいた。
海馬と2人で家に帰る。どうやら俺達が一番乗りのようだ。
リビングに到着。荷物を置いて、ソファーに座り込む。
「・・・・・・海馬」
「どうした?」
海馬の声が聞こえて俺は
「疲れた・・・・・・・・・・・・!!」
と、ソファーから溶けるようにうな垂れながら床へと転がり落ちた。
「・・・・・・。何か、ナメクジをみているようで嫌な気分だ」
「え?マジ?」
海馬の発言に羞恥心が目覚めて、俺は起き上がる。
「つーか、休んだ分が学校で進んでるんだぜ?追いつくのに必死だぜ・・・・・・。てかぶっちゃけると追いついてすらない」
「そうか」
「・・・・・・何か余裕だな」
「俺は受験でも何でも『運』で受かる男だからな」
「あっそ」
ずるいな・・・・・。俺も運が良い能力が良かったよ。
でもコイツの願いみたいに俺のはすばらしく真面目なわけじゃない。
少しだけ自分の話をすると、俺の能力の発端は、姉の『昏睡状態』にある。俺は姉さんの声が聞きたくて願望を持ち続けた。それがこの右手に反応したと言うわけだ。
閑話休題にする。俺がそう決めた。
で、それから30分程度で、3人とも帰ってきた。
「龍兵衛さんのところへ行こう」
俺は着替えを済ませた後の会議で俺は初めにそう言った。
「何故でしょうか」
「まだ、俺達に協力してくれる意志はあるのかどうか」
「協力する意志・・・・・・ね・・・・・・」
と虎郷は意味深に呟く。
「そもそも協力なんか求めちゃいけないわ」
「・・・・・・何故」
「あっちは警察よ?その気になれば権力で――」
「その権力に負けずに上層部に掛け合った龍兵衛さんや隼人が閉じ込められているから代わりに情報を集めている協力者さんがいるだろう」
俺はそう言って虎郷を見る。
虎郷は少し驚いたように目を見開いている。
「俺は味方が居る可能性は全て使う。絶対に隼人を救い出す」
「・・・・・・男子って立ち直り早いのね」
虎郷があきれたように言ったが
「いや、全ての男子って訳じゃないと思うよ」
と音河が訂正を入れる。
「というか、立ち直りが早いんじゃなくて、前回よりテンションが高い状態で復活してんだよ」
更に海馬が追い討ち(?)をかけ、
「奏明さんは元気いいですね!」
と雅が無意識の棘をぶつけてくる。
・・・・・・俺なんかしたっけ?むしろ格好良いセリフ言ったくらいだと思うけど。
「そ。では警察署に行きましょうか」
「後、木好って奴と、他の脱獄囚である残り3人も捕まえないとな」
「そうだね」
と、雅と海馬と音河が会話しながら玄関に向かう。
「・・・・・・」
「どうしたの。行かないの?」
と虎郷が聞いてくる。
「・・・・・・虎郷」
「何?」
「お前、木好さんに出くわしたらどうするんだ?」
「さぁ。そんなの分からないわ」
「・・・・・・その時は俺が守る」
そう言ったつもりだったけど。
「何?」
「え?」
「『その時は』何?」
「あ、いや・・・・・・その時は・・・・・・」
俺は口篭る。聞こえてなかったのか・・・・・・。さっきは勢いで言っちゃったしな・・・・・・。
「き、気をつけろよ」
あーあ。
「・・・・・・ご忠告どうも」
と、首肯しかねる顔で玄関に向かっていった。
「・・・・・・はぁ」
コレが奥手という奴なのだろうか。
俺にはそういう度胸はないなぁ。
と隼人の事以外でも真剣に悩む内容が出来てしまった。