表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第五章 失って気づくこの世界
102/324

15-行動-


記念すべき100話


うっわだから何って感じ。死ぬか死ぬか死ぬか死ぬことにしよう。


「で、4人だけか?まぁ、王城のとこの奴が居ねぇのは当然だよな」

 丹波は頭をかきながら言った。

「・・・・・・なんで遊園地なんかでこんなこと・・・・・・」

 音河が悲しそうに言う。

「1番被害がでかいところを選んだんだよ。お前らの所為でこうなったということを教えてやるためだそうだ。長柄川はよくこんな事考えるよ。だが、狙いが結局、海馬と雅の関係ぶち壊しってのが残念だよな・・・。俺っちとしてはてきとーに過ごしていたいんだよ。折角出てこれたんだから」

 いきなりぺちゃくちゃと長々と話し始めた丹波は、突然


「なんなら逃げてもいいんじゃね?」

 と提案してきた。

「何言ってんだ?」

 海馬が誰よりも早く反応した。

「いや、お前らが逃げたら少なくとも俺達は遊園地からは居なくなるからこれ以上被害は増えねーって」

「・・・・・・信用できません」

 雅が丹波をにらみつけた。

「あっそ。じゃ、このままやるか。それに俺はそうでも長柄川はこのまま新型爆弾の成果とか調べるかもしんねーから、逃げても意味はなかったけどな」

「やっぱ信用できなかったな」

 俺が丹波を睨むと、

「・・・・・・面倒だ。さっさと片付けたいよ」

 と、丹波は言った。

「そんな面倒な方法は取りたくない。いいから、さっさとやろうぜ?」

 どうやら通信機の送信機だけもっているようだ。じゃあ、どうやって受信してんだ?

「・・・・・・分かったよ。戻れば良いんだろ?」

 ああ。分かった。そういえば丹波は「耳と目が良い」のだった。ふむ、俺の苦手なパターンの奴か。


「じゃ、そういうわけだから」

 とそれだけ言うと丹波は身を翻して走り始めた。

「逃がしません!」

 雅がその2倍の速度で走る。

 そして跳び上がり、丹波に跳び蹴りを向けた。


 ドギャ!

 という少し間の抜けた音を立てて、雅が倒れ込んだ。


「って、雅!?」

 何で雅が倒れたんだ?

 その答えは目の前に居た。


「・・・・・・早く帰るよ、丹波」

 長堂寺だ。コイツの力は・・・「高速」か・・・。

「了解だ」

 そして長堂寺が丹波の体を掴むと、瞬間移動の速度で遊園地の奥に走り去った。


「大丈夫か?雅」

「はい。少し油断しただけです。そこまで強い攻撃ではありませんでした」

「となれば・・・・・・」

 俺は考える。こういうとき、どうすればいいんだ?

「どうする?」

 海馬が俺に聞く。

「あいつらの方向追いかけようか?」

 音河が提案する。

「危険すぎます。丹波さんにはすぐ気付かれるでしょう?」

 雅が否定する。

「それにどこに居るか分からない。これじゃ捜しようが無い」

 海馬がさらに問題を上乗せした。

「・・・・・・バラバラに行動しよう」

 俺はそう答えた。

「なるほど。じゃあその作戦で行こう。恐らく長柄川は俺を狙ってくるだろう」

 海馬はそう言って走り始めた。

「私は手当たり次第に捜してみます」

 雅も走り出す。

「私は一般人を避難させるよ」

 音河はそう言って、ギターを構えた。

 そして音を鳴らす。恐らく感情は「落ち着き」。


 一般人が音河を見る。

「落ち着いて行動して下さい!しばらくは爆発はありません!ゆっくり行動してください!」

 その声を聞いて、一般人は落ち着きを取り戻した。そして音河は命令を始めた。


 ・・・・・・俺はどうする。俺はアイツらから狙われることは無い。

 ・・・・・・となれば・・・・・・俺は捜し回るしかない。


 だが・・・それでいいのか。この作戦は間違っていないのか。

 走り出した俺はそう思った。


 隼人・・・・・・お前ならどうするんだ。


 そう思いながら走り続けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ