14-恋愛-
恋する気持ち・・・分かりますかね?
僕は今まで2回ですね。
結局その日は1日中うじゃうじゃと海馬と雅のデートに付き合っただけだった。まぁ、楽しかったからいいとしよう。結局襲撃される事も無かったし。
で、その日は1日を終了させた。ので、
21日水曜日。相変わらず学校は休学中。でも、学校休んでデートって、ダメだろうな・・・。まぁいい。してるのは俺じゃないし。
さて、今日も勝手に海馬と雅は動き回る予定のようだ。それを俺と今回は音河でついて行くことになった。虎郷は家で休んでいる。
で、既に昼過ぎ。
現在遊園地で、アトラクションで遊んでいる彼らを眺めている。
「いつも元気だね。あの2人は。ていうか狙われているって分かってんのかな?」
「さぁ・・・。分かっていようといまいとアイツらはあんな感じなんじゃねえの?」
「そうね。ところで昨日はどうだった?」
「・・・あぁ。結局何の異常も無かったよ。襲撃される事はもしかしたらないかもしれないな。このまま何人か捜していくほうが早いのかもしれないな」
「・・・・・・うん、えっと、そっちじゃないよ」
は?そっちじゃない?
「じゃあ・・・どっち?」
「デート」
「・・・いや、海馬と雅はそれなりに楽しそうだったけど?」
「私にそういう方面で隠し事は無駄ですぞ」
ですぞ、て。お前はいつ探偵口調を手に入れたんだ。
「嘉島って、火水のこと好きなんでしょ」
「は・・・はぁ!?」
「うわ。わっかりやす」
「くッ・・・・・・!」
俺はこういう類には弱いのだ。恋愛関係にはどうも疎い。ので、俺と隼人の探偵ではそっち方面は全くクリアできなかった。
「いつから好きなの?」
「・・・・・・分からないんだ。それにこれが本当に恋愛感情かどうかも自信が無い」
「なるほど」
「・・・・・・馬鹿にしないのか?」
「そういう人はよくいるよ?にしてもいいなー。私、音楽活動やめてから一度もデートなんか行ってないよ」
本当に羨ましそうに言った。でも、俺には分からない方向性だと思ってしまう。
恋愛経験っていつ以来だろう。幼稚園の頃の初恋をのける(確か先生だった気がする)と、小学校や今の中学校でも運動神経は良い方だったので、いやらしい言い方で「モテた」のだ。でも、恋することは無かった。となるとこれが初恋なのか。
「でもな・・・・・・」
「もうちょっと勇気出してもいいんじゃない?」
「無理だろう。だって、アイツの気持ちって物がある」
「まー・・・それはそうだね。結ばれるかどうかは私にも分からないよ」
「うわー。後押ししてくんねえんだ」
「そりゃそうだよ。彼女の気持ちは1番分からないよ。だって、彼女は心を閉ざしていた期間が長かったから、心の表現が分からなくなってるんだよ」
「・・・・・・なるほどね」
確かに、感情が余り表に出ない性格ではある。
「それに今はアイツは心が不安定だ。木好さんが捕まってまた落ち着くまではね・・・」
「はー・・・。優しいね、嘉島」
「ありがとう」
「皮肉だよ」
「そうか」
と雑談しているうちに、いつの間にか海馬と雅が帰ってきていた。
こう見ると雅は小学生に見える。俺がロリコンじゃなくて本当に良かった。
「・・・・・・てか、よく考えたら、ここで襲撃されたら大変じゃねえか?」
と、俺は今更ながら突っ込む。
・・・・・・・。沈黙。
・・・・。
「気付いてなかったのか!?」
「え、あ、まあな」
海馬が曖昧に返事した。
「まあ大丈夫ですよ。こんなところで事件を起こすほど不条理な人たちじゃ――――」
ドゴォォォオオオオ!!
雅の発言の邪魔をしたのは、雅の発言を覆すものだった。
遠くで爆発が起こったようだ。
「まさか・・・・・・」
そしてそれを裏付けるように、
「発見!」
と後ろから声をかけられた。
「元気いいじゃねえか。久しぶりだな!!」
「丹波・・・龍馬・・・」
嫌な予感は的中するものである。
悲しい思い出が多いんで。
1回目は現在トラウマ化です。