表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/26

完結編【第五章】終焉の炎

 病院ロビーは、炎堂を称賛する嵐に包まれた。

 彼のスクラブ姿はまるでギリシャ神話の『ヘラクレス』、北欧神話の『トール』の如き出立ち。


 高城が、まるで『預言者の啓示を受けた信徒』のように叫んだ。

 

「炎堂先生の魂の炎は、犯人の心を浄化し、命を救った! 彼は我々の救い主だ!」


 看護師は目を潤ませ、『神の降臨を目撃した巫女』のように囁く。

 

「炎堂先生の炎は、闇を焼き尽くし、希望を焦土から蘇らせる『太陽』そのもの……」


 入院患者は、震える声で、『終末の審判を前にした民』の如く呟いた。

 

「彼は医者ではない……裁きの神、炎の黙示録だ!」


 称賛の嵐は止まらず、聖陽総合病院はまるで炎堂烈を祀る『サンクチュアリ』と化した。


 氷室の精密なオペ、警察の迅速な対応、佐々木の改心――それらすべての功績、希望、救済は、炎堂烈の「魂の黙示録」に吸い込まれ、彼の存在そのものが、聖陽総合病院を統べる絶対の神格として君臨した。


 氷室涼が手術室から現れ、静かに炎堂に近づく。

 その瞳には、氷の知性がわずかに揺らぎ、『炎の神前に跪く賢者』のような敬意が宿っていた。


「炎堂、君の熱さは……今日も私の刃を鋭くした。田所さんも助かった。何もかも、君のおかげだ」


 炎堂は、ボロボロのスクラブを翻し、『天界の門を開く神の使者』のように力強く答えた。

 

「氷室、君の刃は私の炎を星々の如く輝かせた! この命の聖域を、共に守り抜く! 日本の……いや、世界の未来のために!」


 氷室は『神々の戦いに敗れた戦士』のように、かすかな笑みを浮かべ呟いた。

 

「フッ……またしても完敗だ、炎堂」


 炎堂烈、最低限の知識を携え、情熱と信念で犯人の魂を焼き、命を救った男。


 そのズタボロのスクラブは、裁きの業火を宿す聖衣、傷だらけの肉体は、黙示録の戦場を駆け抜けた神の化身の証。


 氷室涼の冷静な刃は、その炎を支える神聖な(いしずえ)として永遠に輝き続ける。


 そして、炎堂烈は次の戦場へ向かった。


 聖陽総合病院は、彼の『裁きの黙示録』の伝説に震え、未来永劫その炎に焼かれ続けるだろう。



【完】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ