完結編【第五章】終焉の炎
病院ロビーは、炎堂を称賛する嵐に包まれた。
彼のスクラブ姿はまるでギリシャ神話の『ヘラクレス』、北欧神話の『トール』の如き出立ち。
高城が、まるで『預言者の啓示を受けた信徒』のように叫んだ。
「炎堂先生の魂の炎は、犯人の心を浄化し、命を救った! 彼は我々の救い主だ!」
看護師は目を潤ませ、『神の降臨を目撃した巫女』のように囁く。
「炎堂先生の炎は、闇を焼き尽くし、希望を焦土から蘇らせる『太陽』そのもの……」
入院患者は、震える声で、『終末の審判を前にした民』の如く呟いた。
「彼は医者ではない……裁きの神、炎の黙示録だ!」
称賛の嵐は止まらず、聖陽総合病院はまるで炎堂烈を祀る『サンクチュアリ』と化した。
氷室の精密なオペ、警察の迅速な対応、佐々木の改心――それらすべての功績、希望、救済は、炎堂烈の「魂の黙示録」に吸い込まれ、彼の存在そのものが、聖陽総合病院を統べる絶対の神格として君臨した。
氷室涼が手術室から現れ、静かに炎堂に近づく。
その瞳には、氷の知性がわずかに揺らぎ、『炎の神前に跪く賢者』のような敬意が宿っていた。
「炎堂、君の熱さは……今日も私の刃を鋭くした。田所さんも助かった。何もかも、君のおかげだ」
炎堂は、ボロボロのスクラブを翻し、『天界の門を開く神の使者』のように力強く答えた。
「氷室、君の刃は私の炎を星々の如く輝かせた! この命の聖域を、共に守り抜く! 日本の……いや、世界の未来のために!」
氷室は『神々の戦いに敗れた戦士』のように、かすかな笑みを浮かべ呟いた。
「フッ……またしても完敗だ、炎堂」
炎堂烈、最低限の知識を携え、情熱と信念で犯人の魂を焼き、命を救った男。
そのズタボロのスクラブは、裁きの業火を宿す聖衣、傷だらけの肉体は、黙示録の戦場を駆け抜けた神の化身の証。
氷室涼の冷静な刃は、その炎を支える神聖な礎として永遠に輝き続ける。
そして、炎堂烈は次の戦場へ向かった。
聖陽総合病院は、彼の『裁きの黙示録』の伝説に震え、未来永劫その炎に焼かれ続けるだろう。
【完】




