完結編【第三章】炎の推理
306号室では、術後回復中の胃がん患者・田所和夫(55)が何者かによって腹部をナイフで刺され、意識不明で倒れていた。
床には血だまり、近くには凶器のナイフ。
病室には田所の妻・典子(53)、
看護師・宇野かおり(25)、
隣室の患者・枝川正樹(66)、
そして清掃員・佐々木悠太(29)が集まり、互いに疑心暗鬼の目を向け合う。
炎堂は現場に飛び込み、燃えるような眼光で全員を見据えた。
「貴様らの中に! 命を汚した者がいる! その闇を、私の魂の炎で暴いてやる!!」
炎堂は血だまりの近くに落ちていた小さな紙切れに目を留める。
そこには「復讐」の文字。
炎堂は拳を握り、叫んだ。
「この紙が真実を照らす『導火線』だ! 田所さんを刺したのは、過去の恨みを抱く者……!」
田所の妻・典子が泣きながら訴える。
「夫は……昔、事業で失敗して、人を裏切ってしまったことがあります。でも、こんな目に遭うなんて……!」
炎堂は全員を一瞥し、燃えるように言い放った。
「復讐の闇は、魂の炎で浄化する! 犯人は……清掃員の君だ!」
清掃員の佐々木が動揺し、叫ぶ。
「な、なぜ俺が!? 証拠もないのに!」
その時、駆けつけた警察官が声を荒げる。
「ちょっと、先生! 勝手に現場荒らされちゃ困りますよ! こちとら証拠がなきゃ動けないってのに……彼が犯人だって根拠、出せるんですか?」
炎堂は一歩踏み出し、魂を込めて叫んだ。
「佐々木、君の目には『命を汚した闇』が宿っている! それが何よりの証拠! 今、悔い改め、真実を告白するんだ!」
佐々木は炎堂の眼光に圧倒され、膝をつく。
「ああ……その通りだよ! 田所は俺の親父を裏切り、家族を路頭に迷わせた! だから刺した……でも、俺は……っ!」
彼は涙ながらに叫んだ。




