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氷室編【第五章】氷の外科医

 ロビーは炎堂を称賛する嵐に包まれた。

 高城が叫ぶ。


「炎堂先生の魂が、火災現場も病院も救った!」


 看護師が続ける。


「炎堂先生の信念が奇跡を起こした!」

「彼は真の英雄だ!」

「彼は神を超えた!」


 称賛の嵐は止まらず、病院全体はまるで炎堂という神を讃える聖堂と化した。


 消防士たちの決死の消火活動も、氷室の精密なオペ、完璧な知識と技術も、炎堂の「魂」に吸収され、周囲は彼の熱さに飲み込まれ、そして崇拝する。


 氷室は静かに炎堂に近づき、冷静に呟いた。


「炎堂烈、君の熱さは……今日も私の刃を鋭くした。ありがとう」


 炎堂は燃えカスとなったスクラブをなびかせ、熱く燃えるように答えた。


「氷室涼、君の知識が私の炎を燃やした! これからも共に、命を救い続けるぞ! この国の明るい未来のために!」


 氷室は冷たい目を和らげ、穏やかな笑みを浮かべた。


「フッ……完敗だよ、炎堂」


 聖陽総合病院は、炎堂烈の伝説で沸き立った。


 最低限の知識を持ちつつ、情熱と信念で不可能を可能にした男。

 ほぼ燃え尽きたスクラブから覗く傷だらけの筋肉は、火災現場を駆け抜けた証だった。


 だが、その陰で、氷室涼の冷静な刃が命を確実に繋いだ。


 かつて炎堂に灯された魂の火を胸に、彼は帝都医科と聖陽を行き来しながら、知識と情熱の両輪で新たな可能性を切り開く。


 彼の名は「氷の外科医」として、炎堂の伝説を支える踏み台となり、その刃はこれからも命を救う光として輝き続けるだろう。


 そして炎堂烈は、次の“戦場”へ向かった。



【氷室編・完】

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