第三部【第五章】燃える伝説
総会後、炎堂は患者・藤井誠の家族に静かに頭を下げた。
魂の炎が織りなす旗印である擦り切れた赤いスクラブは、戦場を駆け抜けた証だった。
「私は医学や経済には疎い。しかし患者を救いたいという信念は、誰にも負けない。この命と病院を救えたのは、皆の希望と私の魂が融合したからだ」
家族は涙を流しながら「ありがとうございます、炎堂先生」と感謝を伝え、炎堂は静かに微笑みを燃やした。
氷室が近づき、感情を込めて呟いた。
「炎堂、見事だった。今回は全て君のおかげだ。ありがとう」
炎堂は燃えるように答えた。
「氷室、魂の炎は全てを救う! 共に未来を! 光を!」
氷室は笑みを浮かべながら小さく頷き、周囲のスタッフは、口々に炎堂を称賛し始めた。
「炎堂先生の情熱が病院と患者を救った!」
「彼の魂が、奇跡を呼び起こしたんだ!」
「彼は神だ!」
称賛の嵐は止まらず、会議室はまるで炎堂の神話を讃える宗教施設と化した。
氷室の手術や山崎、高城の奮闘の功績すら炎堂の魂に還元され、聖陽総合病院は「炎堂烈伝説」で沸き立った。
最低限の知識を持ちつつ、情熱と信念で病院とかけがえのない命を守り抜いた男。
スクラブを脱ぎ捨てた傷だらけの上半身は、戦場を駆け抜けた証だった。
彼の名は「炎の外科医」として、医療の常識を焦土と化す存在となり、その魂はこれからも命を切り開く炎として永遠に燃え続けるだろう。
【第三部・完】




