王子、お前が殺したのだ
相変わらずのナーロッパの世界です。
王の一方的な独白です。
他の考えてる中でこれが思いついてしまいました。
似た様な物語多いと思いますので、寛大な心でお願いします。
なんだ?騒々しい。
は?メグ?誰だそれは?
あぁ、ジギタリス男爵令嬢か。身分を弁えず平然とお前に侍っていたあの女か。
何故知ってるか?
お前は学園が完全な治外法権だと思っているのか?
もちろん報告は色々入っておるわ。
ただ大人は基本的には見守って表向き介入をしていないだけでな。
だが生徒はお前たちだけではないのだから、何かあれば子から親へ、更には国などにも報告は入る。寄子から寄親への報告も入る。
教師や使用人から学長に話が回ることもある。
お前の場合は王子と言う身の上なので、護衛もおる。
側近の1人である騎士団長の息子1人でお前を守っているはずなかろう。
そんなことすらわからなくなっているとはな。
お前にかけた教育が無駄だと改めて突きつけられて本当に嘆かわしい。
だがお前の堕落が早かったせいで対処も早くできた。
これ以上被害者を出さないためにも、早々に方をつけられて良かったわ。
あぁ、メグとやらのことだったな。
処分したわ。
お前とお前の側近達が軒並みやられてしまったからな。ん?お前は気づいてなかったのか。
お前の側近達も彼女に堕とされておった様だぞ。
それも『身分の高い王子に求められているが、一番は貴方だ』とか言われてな。
相当な手練だったのだろうな、ハニートラップの。だがあの女の思考は国として使えるものではないから排除一択だったわ。
国の上層部の子息が堕落した状態が続くのは今後に関わってくるからな。
それにしても本当に学園に入学して半年でコレとは。
喜べ、お前の思う通りに婚約は解消になった。
自分より優秀な彼女が疎ましかったのだろう?
だが彼女の家の後ろ盾も同時に無くなった。
お前は婚約に関しては自由になった。だがそれだけだ。
しかも其方は第二側妃の産んだ第四王子。
王位継承権は持っているがそれだけだ。
王妃の産んだ第一王子である王太子はすでに2児の父。
第一側妃の産んだ第二王子はすでに王弟候補として王太子の補佐もしておるし、その妃も懐妊しておる。
王太子と同母弟の第三王子は公爵家に婿入りしておる。
第二王子の同母妹はもう少しで隣国に嫁ぐ。
お前の価値などそこまでないのだ。
お前の側近達も宰相や騎士団長など国の要職に就く者を一応親に持つが、それらの身分は世襲制ではないし彼らは嫡男でもない。
次代は王太子の側近から出るか、騎士団の場合は副団長もしくは各部隊のトップの中から選抜されるだろう。
お前に侍ってる程度の令息などそこまでの価値もないわ。
お前も側近も優秀な親を持つだけの息子でしかないのだからな。
そもそもお前は娶るつもりのなかったお前の母親が、私に既成事実を無理矢理迫ってできた子供だ。
母親はお前を産んだ時に亡くなったが、自業自得だった。
王族を嵌める様なことをしたのだから、お前を産んでから幽閉されるもしくは処刑の予定だった。
だが子供を孕っても私に愛されないと理解したあの女が気鬱にかかって弱っていったせいで亡くなった。
それでもお前を産み落としたのは執念とも言えるな。
そもそもお前の母親は幼少期に身体が弱かった。
成長してある程度マシにはなったが、それでも子供を産むのは難しかった。
それ以外にも理由があるが、私と少し下の世代で年齢的にはある程度釣り合うものの、私の婚約者の候補としてすら名前がのぼらなかった。
それなのに私に一方的に思慕を募らせ、自分に甘い両親を巻き込んでの大騒動を起こした。
それによって実家の侯爵家は2階級降格。
それ以外にも周りからの非難が多く、今はもうなんとか体裁を保つので必死な状態だ。
あの女はお前を孕んでいたから一応離宮に隔離したが、そこでも自分が愛されているんだと騒ぐ。
本当に貴族令嬢としての教育を受けてきたのか疑問に思うレベルだった。
その時すでに王妃も側妃も子供を産んでいたから必要なかったのにな。
それでも子供に罪はないと王妃が自分の子としてきちんと育てていたのに、この体たらく。
やはり母親の血が悪いのだろうな。
母を侮辱するなという顔だな。
だがお前がそれを示しているのだよ。
お前が立派にまともに育っておればこんな評価を与えない。
私はそのあたりは公平にする。
いくらお前の母が憎くてもな。
当たり前だろう?
お前の母は私とは殆ど関わりのない令嬢だったのだぞ?
知らない人間から薬で酩酊している状態で無理矢理迫られていい気がすると言うのか?
もちろん女なら誰でも良いと思う者もおるだろうが、私は違う。
私の護衛もお前の母親の家が様々に妨害して…あの事件のせいで責任をとって辞めた人間も、責任を感じて自害した者すらおる。
加担した侯爵家の使用人などは処分された者もおる。
それでなくとも降爵によって辞める羽目になった使用人も多いだろう。
お前は生きているだけで色んな人間に憎まれておったわ。
もちろんきっかけとなったお前の母親もな。
それでも後ろ盾になってくれたお前の元婚約者の家があったというのに。
それすら手放してお前に何が残るというのだ。
優秀でもなければ努力もさしてせず不平不満ばかり。
見た目は多少整っているがそれだけだ。
それも年月と共に色褪せていくだろう。
中身のないお前など。
さて生きてる価値すら無くなったお前に最後の王命だ。
これを飲んで母親の元に行くか、これで髪を捨てて母親の冥福を祈るか。
好きな方を選ぶが良い。
最後の慈悲だ。
殺したのは母と恋人と…
まぁ母親は自業自得ですが。
生まれながらに業を背負って生きてきた王子にとって、後ろ盾である令嬢よりも恋人が大事でした。
が、王子という身の上では簡単に許されず。
婚約破棄系のお話は卒業まで様子見が多いので、実際にはそれより前に大人が処理するかなと思って書きました。




