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 レノト滞在四日目。


 雨は止んで、しっかり晴れてくれた。

 寝る直前まで降っていたものの、日付が変わる頃くらいには止むと分かっていた。正確に分かると知っているけど、心配ゼロかと尋ねられたらゼロではないかな・・・っていうくらいの心配はしていたから、杞憂で済んでくれてよかった。

 ここまで正確に分かる踏破ってのはありがたいな。心配無しでいられるのは本当に助かる。この能力をそっくりそのまま日本に持って帰れたら楽だろうな。

 ・・・たぶん、日常生活がちょっと楽になって、キャンプに行くかどうかの判断がつきやすくなるくらいのものだろうが。


「で、結局・・・何を討伐するんだっけ?」

 俺たちはリオーネがレンタルしたドードたちに乗って、目的地に向かっていた。

「おいおい、一通り説明したろうよ?」

「まあまあ」

「悪い悪い、ちょっとそれどころじゃなくてなぁ」

 協会で解体の手配をして、その場でクエストを選んで受付していた。

 その時は正直、板挟みに遭っていたし、ヴェロニカとマーベルさんの機嫌を取るので精一杯だった。

 クエストの内容も、結局はリオーネ次第だし、後追いで聞いても問題ないだろうとあの場では聞き流してしまった・・・

「今回はパラライズバイパーよ」

「パラライズバイパー、ねぇ」


 パラライズバイパー。


 どうやら蛇系のモンスターで、名前のとおり、麻痺攻撃を仕掛けてくるやつらしい。

 黄色と土色が織り交ざったような鱗と鋭い牙を持っていて、麻痺性の高い体液を飛ばしてくる。その体液に被弾すると、当たった個所が痺れるわけだが、噛まれてしまうと最悪の場合死に至る・・・らしい。

 サイズも比較的大きいらしく、特に大きい個体だと全長十メートルにもなるという。

 それくらい大きいと人間くらい簡単に丸飲みできるな。消化に悪いからよく噛んで食べましょうって、オイ。

「警戒すべきは体液は当然として、接近戦だろうなぁ」

「なんでだよ?」

「でかいからだよ」

 全長最大十メートルにもなれば、体格も相当いいだろう。

 蛇本体の太さも大木の直径と一緒か、それ以上と考えるのが妥当。それが自分の意思で尻尾を振り回して叩きつけてくれば、結果は言うまでもない。

「俺たちは接近戦主体の構成だ。仕留めるためにカギになるのはやっぱり」

「私かな?」

 そう、リオーネである。

 遠距離から高威力の魔法を撃ち込んで止めを刺す。要所で牽制してくれれば上出来だろう。

 俺たちはあくまでも露払い。相手の気を散らして、可能ならダメージを与えていくのがベターと思う。

「テメェ・・・仕組んだな?」

 最後尾のドードにジェシカが乗っていて、

「あら?なにかしら?」

「あたしが攻撃しづらい相手を選んだろ!?」

 ・・・朝っぱらから元気だなぁ。

 俺は若干寝不足なんだが・・・

「いや、そこまで考えてたわけじゃないわよ。だって、一緒にクエストに行くなんて想定してなかったし」

「そりゃあまあ、そうだ」

 ジェシカがついて行くって言い出したのも、リオーネが選んでいた途中だったし、念頭になかったろう。

「そもそも、なんでついてきたの?私、別にあなたは誘ってないけど」

「別にいいだろ、それは」

 良くはないだろ、良くは。

「・・・あのさぁ、ついて来るのはいいけど、一応こっちの要求は忘れるなよ」


 ジェシカが参加すると言い出した時、軽く揉めた。


 そりゃあ、あそこまで面倒なヤツをパーティに入れて行動するのは、誰だって嫌だろう。キースとリオーネも最初は嫌がっていた。

 だが、ジェシカはどうしても参加する意思を引かないし、二人は嫌がるし、果てには協会のスタッフも迷惑ムードを出すもんだから、どうにかして決着をつけなきゃいけなくなった。

 そこで、条件を出した。

「わ、す、れ、な、い、で、ね?」

「う、分かってるよ・・・」

「本当でしょうね?」

 強く牽制するリオーネ。ジェシカはたじたじだ。

「マジで助かるぅ」

 条件は一つだけ。こっちの指示に従うこと。

 要は勝手なことをするなってことだ。ボスゴブリンの時もそうだが、とにかく自分が攻撃することにこだわっている。それが何故かは知らないが、それをされるとこっちの足並みが狂う。

 ただでさえ危険なモンスター狩りだ。減らせるリスクは減らすに限る。

 もう一つ、大声を出すな・・・ってのも入れておきたかったが、あれはたぶん制御できん。無理なものは無理と割り切ることも必要か・・・ってことで付けるのをやめた。

 まあ、リオーネがいる間は大人しくしてくれるだろう。とりあえず、目の前の状況に集中すればいい。

「そういえばキリヤくん、来て大丈夫だったの?」

 しっかり威圧できたのか、ジェシカが静かになっていた。

 ・・・ここまでくると、逆に可哀想になるな。

「ん?何が?」

「お子さん、熱出してたんでしょ?」

「ああ、そのことか」

 集合した時に、ざっくりそういう話をしたな。

「いくら奥さんがいるからって、心配は心配でしょ?」

「延期してもよかったのにな」

 気になることは気になるが、

「まあ、相方もいるし、体調も今朝にはよくなってたし、大丈夫じゃないか?」

 

 今朝、ヴェロニカは俺よりも早く目が覚めていた。


 けろっとしていたし、ミルクを飲む勢いは戻っていたし、特に問題はなさそうだった。

 ただ、結局何が原因だったのか分からないまま。まあ、赤ちゃんの病気の原因を俺が深く追究できるわけもないし、この件は無事解決できたってことで収めるしかないんだが。

 念のため、今日も宿屋でゆっくりするって話になったし、マーベルさんもいるからその辺りは問題ないだろう。

「子供の世話も大変だなぁ」

「いやあ、全くだな」

 俺が寝不足なのは、マーベルさんと交代しながらヴェロニカの様子を見ていたからだ。

 いつトイレで起きるか分からないし、トイレならまだしも、急に容体が悪化するかもしれない。かなりビビった俺は、マーベルさんと話し合った末に交代で看護をすることにした。

 二時間は短いし、三時間も絶妙・・・ってことで、四時間で交代することにして、俺が明け方担当になった。

 俺の体内時計だと午前二時か三時くらいに起きて、マーベルさんと交代。それからずっと起きている。

 だから寝不足なんですわ。

「でもまあ、言っちゃあおれんよな。そういうモンだもの」

 そりゃあ辛いは辛いが、子供が熱出して苦しそうにしているのに、無視して寝るってわけにゃいかないだろ。

 それにまあ、子供を育てるって、そういうことを避けられないしな。

 現代だってそうだ。いくら便利になろうと、限界はある。最終的に親が子の面倒を見るしかない。機械じゃ限界がある。

 子供を育てるってこういうことか・・・なんて思いながら、朝まで過ごしたわけですよ。

「それにまあ、それなりにしたいこともできたし、悪くはなかったよ」

「何やってたんだ?」

「ナイフを研いだり、今回のために道具とかを調整してた」

 起きてから明け方まで、主に道具の調整をしていた。

 本当はボーマンからもらったマナタイト鉱石を研磨したり、余計な岩を落としたりしたかったが、さすがに音を立てるのはナシ。

 ナイフを研ぐくらいならいけるかってことで、窓際で研いだ。

「キリヤ、ナイフをメインにしてないだろ?そこまで気を遣う必要あるのか?」

「いや、なんか落ち着かないんだよ。切れない刃物が手元にあるって」

 刃物は切れるのが前提の道具だ。鈍らなんて意味がない。

 野営用もそうだが、特にモンスター討伐用のバトルナイフは切れないと困る。まあ、今まで突き刺すくらいしか使ってないからそこまで傷んではないにしても、見ておくことに損はない。

 野営用はそこまで刃が落ちていなかったけど、バトルナイフは結構落ちていた。

 大量生産された得物みたいだし、そこまできっちり研がれていなかった可能性はあるけども、この機会にきっちり研げたからよかった。

「それに、道具の準備もできたし」

 今回、必要かもしれない・・・っていうより、あったら使えるかもってくらいの準備はしてきた。

 上手くはまれば、全員動きやすくなるはずだ。

「じゃあ、それに期待だな」

「期待しすぎて動きを緩めたりするなよ?」

「分かってるよ」

 まあ、キースもバカじゃないし、その辺りはきっちりしてくれるだろうが。

「そろそろか?」

 今まで草原を走っていたんだが、少しずつ荒地になってきた。

「そろそろかな?みんな、心構えはしておいてね」

 荒地を進み始めてしばらくすると、それらしい姿が見えた。

「あれがパラライズバイパーってやつ・・・?」

「そ、そうね・・・写真と一緒だわ」

 写真通りの黄色と土色の鱗。

 長くて太いボディ。

 あれがパラライズバイパーってやつか。

「それにしてもだなぁ・・・」


 デカすぎる。


 今はとぐろをまいてお休み中だが、それにしてもデカいと分かる。

「これ、どれくらい長いんだろうな?」

「さ、さあ・・・?」

 デカいと事前に知ってはいたものの、目の前にすると改めてデカいと感じる。強いほうのランドリザードなんか子供みたいなものかもしれない。

 もしかすると、このテの蛇はランドリザードを捕食しているのかもしれないな・・・

 そんなこと今はどうでもいいが。

「うっし、早速やるかぁ!!」

 ジェシカがドードから飛び降りた。

 早速拳を固めていたので、

「おいおい、チョトマテチョトマテ!」

「ああ!?何でだよ!!やろうぜ!!」

 こいつ、どこまで脳筋なの!?

「ちょーっと、落ち着こうか?」

 リオーネがジェシカを手招きしている。

「う、な、なんだよ?」

「や、く、そ、く、覚えてるかな?」

 ・・・これじゃあまるで、言うことを聞かない悪ガキと、それを諭すお姉さんだよ。

「キリヤ、今の内だぞ。何をするんだ?」

 リオーネが場をまとめてくれているうちに、

「まずは地形の把握」

 

 把握しておくほうがいいのは地形だ。


 足場はしっかりしているのか?身を隠す場所はあるのか?段差があるのか?

 気にしておくことは他にもあるだろうが、これから自分が立ち回る場所は把握しておいたほうが絶対にいい。滑って転んだらそれだけで命取りになるし、怪我をしても身を隠すところがあれば治療もできる。高い段差があれば、リオーネが安全なところから魔法を撃てるし、前衛の誰かが相手に飛び移ることもできる。

 たった三つだけでも、これだけのことができる。

 本職の軍人なら、作戦を実施する先の情報は入念に調べて、訓練を重ねていくらしい。俺たちはそこまでできないから、せめて見えるところは把握しておきたい。

「昨日の雨で地面が濡れてる。キース、ジェシカ、滑るかもしれないから気を付けていこう」

「お、本当だ。了解、気にしておく」

「分かったよ」

 滑って転んで丸飲みってのはダサすぎて笑えない。

「岩がいくつかあるな」

 蛇の周りに、見た感じ全長二メートルくらいの岩が三つある。幅もそこそこありそうだ。

「パラライズバイパーから一番離れたところの岩・・・あれか。リオーネ、ドードを離れたところに置いてきたらアレの側にいてくれ」

「了解!」

 最高火力のリオーネが倒されたら困る。岩で防御ができる状態にしておきたい。

 まあ、岩が一発で粉々になるかもしれないが、一発だけでも耐えられたら、時間は稼げる。ああいうのがあるだけで助かる。

「高所を取ることはできないな・・・」

 多少段差はあるけど、ほぼ平地と変わらない。高所を取って上から魔法を叩き込むってのは無理だな。

「・・・よし、ドードから降りよう。リオーネ、悪いけど適当な位置に置いてきてくれ」

「分かった。すぐに戻って来るから待ってて」

 リオーネが四頭のドードを引き連れて、一旦現場から離れた。

 その間に、

「確認と認識合わせだ。各々、できることを教えてくれ」

「なんでそんなことする必要があんだよ?」

 ・・・スムーズに話が進まないのである。

 蛇が寝ているからいいものの・・・

「俺たちはアレを討伐するために協力するんだろ?だったら、できることを全員が認識しておく必要がある」


 所謂ところの共有ってやつだ。


 キースは剣、ジェシカが拳で戦うことは分かっている。分かっちゃいるが、どういう攻撃が得意なのか、どんな技を持っているのか分からないと、お互いの動きを潰したり、同士討ちする可能性がある。

 まあ、同士討ちはリオーネが一番気にしておかないといけないところだろうし、ここまで大型のモンスター相手だと気にする必要はないかもしれない。

 ただ、できる限り短期決戦で倒したいなら、全員の得意不得意は把握しておくほうが断然いい。

 レッドゴブリンならまだしも、あのテの大型モンスターは消耗を最小限に抑えるほうがいいのは嫌でも分かってるしな。

「俺はクラッシュソードが得意だ。ソードスラッシュも使える。あまり走るのは速いほうじゃないが、守るのは得意だ」

 ソードスラッシュっていうと、剣圧を飛ばすみたいな技か。ってことは、ある程度離れたところで攻撃ができるな。

 機動力がない分、守備力が高いっていうなら、最前線で立って戦ってもらうほうがいいな。

「あたしは無手専門だ。得意なのはグローパンチとスマッシュパンチだ」

「・・・グローパンチ?」

 そういえば、ボスゴブリンを悶絶させていたのはその技だったが・・・

「グローパンチは打つ度に攻撃力が上がる技だ」

「・・・ほお」

 打つ度に・・・使う度に攻撃力アップのバフが掛かる?

 何それ!めっちゃいいじゃん!

「聞くだけだと良さそうに聞こえるな」

「あ?バカにすんなよ?」

「だって、そもそもの威力がないんだろ?何発打って最後のアレになったんだよ?」

 ・・・そうか。

 この人、攻撃力のベースが低いのか・・・

 だから何発打っても大したことないし、最後の最後でいい感じの威力になった、と・・・

「・・・ううん」

 それってどうなんだ?アリ?ナシ?

「攻撃力が低いのは認めるけど、あたしはリジェネで自動回復しながら戦える。魔力が尽きない限り、ずっと前で戦えるんだよ」

「リジェネ・・・?」

 そういえば、そういうスペルを発してたな。

「自動回復なのか?」

「ああ。短い時間だけど、傷も体力も回復できるスキルだ。知らねぇのか?」

「知らん」

 なるほど。ぶっ飛ばされてもすぐに復帰できたのはそれがあるからか。

「・・・考え様によっては」

 何度ぶっ飛ばされても、魔力が尽きない限り体力を確保できて、傷も癒せる。回復力はエルフ特有の体質だとしても、復帰力に一役買っている。

 どれくらいで最高火力になるのかが気になるし、知っておく必要はあるだろうが、グローパンチを打ち続けてバフを重ねれば主要な攻撃力になることができる。


 魔力が尽きない限り戦える・・・ある意味、この世界のゾンビ系前衛だな。


 これは上手いこと立ち回れば楽になるかもしれん。

 問題は、

「早く行こうぜ!殴りたくて仕方がねぇ!」

 ・・・この間違った方向への意識の高さよなぁ。

 別に攻撃的な性格とか言動が悪いとは言わないけど。言わないけども。せっかくの美人が台無しだよ。それこそ、ベタな表現でお人形さんみたいだとか、まるで絵に描いた女神のようだとか、そういうのが当てはまるくらいキレイなのに・・・

 ああ、もったいねぇ。

「・・・気を取り直して」

 言い出したら切りがないし、そういう考え方や性格は直るもんじゃない。情報をまとめよう。

「キースは守り主体で、クラッシュソードメイン。ジェシカはグローパンチメインで、自動回復を使って前線に居続けるってことだな?」

「おう、それでいいだろ」

「リオーネはシャインアローの他にシャインセイバーが使えるらしい」

 白魔術師が得意とする光属性魔法。そのうちの二種を扱えると聞いている。

 シャインセイバーは光の刃を相手に発射する魔法らしく、シャインアローが点に撃ち込むのに対して、こっちはある程度の面を攻撃することができる。

 それに、グロースやシールドと言った攻撃力、防御力向上魔法も扱えるようだ。

 面と点で切り替えられる攻撃と、前衛を支援する魔法を兼ね揃えている。一人いるだけでだいぶ助かる存在だ。

「お待たせ!」

 リオーネが戻ってきた。

「最後に俺だな。俺はスピードウィップメインで、手数勝負だ。攻撃力は大したことない」

 自分で自分が残念だって言っているようなもんだから、なかなか悲しい告白。だけどまあ、事実なのでしょうがない。隠してもすぐバレる。

「大したことねぇのかよ」

「ああ、ない。んで、超接近戦になるとナイフに切替え、ハンティングブレードで戦う。あと、エアニードルも使える」

「・・・キリヤくんも魔法使うんだ?」


 そう、攻撃スキルと、魔法を一つ習得した。


 ランドリザードとポイズンスパイダー、ゴブリン連中との戦いで上がったレベルと、得られたポイント。

 それを放っておくとまた土壇場でしんどい思いをするから、今回は事前にある程度を習得している。


 まず、ハンティングブレード。ナイフの接近戦用の技だ。

 以前習得するかどうかを悩んでやめたんだが、鞭での攻撃力は今のところ期待薄で、状況上仕方がないことだったとは言えど、ランドリザードとボスゴブリンにトドメを刺したのは実質ナイフ。

 であれば、ナイフのスキルを一つは持っておいてよかろう、かつ接近戦仕様のハンティングブレードにしたわけだ。


 そして風魔法。とりあえず、初級を習得したから、エアとエアニードルが使える。

 何で風魔法にしたか?その理由は前に考えたとおり、相手に見えにくいからだ。出所や球筋が見えないってのは結構大きいと俺は思う。その分、味方も見えないっていうリスクもあるが、味方に撃つことはそうそうないだろうし、立ち位置や状況を見極めれば問題はない。

 本職じゃないから威力は期待できないだろうが、もしかするとワンチャン威力は高いかもしれないし、何より相手の注意を逸らす手段、遠距離攻撃として有効だ・・・ってことで習得した。


 あと、いくつか習得してみたが、ぶっちゃけ使ってみないと効果が分からないスキルなので、伏せておくことにする。

 伝える必要はあるんだが、実際どれくらいいい感じになるのか読めないから、あまり旨味がないと分かった時に辛くなる。みんなに期待させてしまうのもちょっと申し訳ないし。

 まあ、使ってみて旨味があるなら最終的に伝えるし、リオーネなら勘が良さそうだから気付くかもしれない。

 やってみての都合だな。


「よし、んじゃあ」

 鞭をベルトパッドから外して、

「やりますか」

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