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 ポイズンスパイダーを討伐した後、俺たちはメリコに戻った。


 ポイズンスパイダーの討伐自体は苦じゃなかった・・・まあ、その点に関しちゃ、相変わらずヴェロニカのチートが凄かったからだが。

 ただ、集団で動くことに関しちゃ、相当上手いと思った。

 一頭と一人を仕留めるために、二十匹の兵隊を使って上手く陣形を組み、粘着性の高い糸と毒針を使って追い込む。自分たちの長所と短所を活かした戦い方。

 これがなかなか上手くできない。

 人がそういうことをする場合、綿密な情報共有とルールを組み上げる必要がある。

 人は虫や野生動物と違って、個々の意思が強くあるからだ。

 目的が定まっている場合・・・例えば、重要人物の護衛なんかは、当人を守ることができればそれでいい。


 だが、単純な勝ち負け・・・対戦ゲームなんかだと話が変わってくる。


 そこに勝ち負けだけがあればいい。だが、誰よりも活躍して成績を残したい、褒められたい、誇りたい。そういう欲を持つ奴もいる。

 そういう奴は、どれだけ情報共有をしても、ルールで縛っても、チームのためにと前置きをしていたとしても、目の前の戦果に飛びついてしまう。

 歩調を合わせられない奴は、チームの連携を乱す。それが命取りになったりする。それがゲームで済めばいいけど、戦争だったら全滅することだってあるだろう。


 その点・・・あのクモたちはシンプルだったな。

 まあ、虫にとっちゃあ、獲物が取れれば何でもいいわけだし、そこに欲なんかはないだろうし、当然と言えば当然か・・・


 あと、クモが発射してきた糸で分かったことがある。

 糸が固まるスピードがえらく早いと思っていたんだが、どうやら揮発性が高い成分が含まれているようだ。

 アルコールやメタノールみたいな有機溶剤と言えば分かりやすいか。

 思いっきり力を入れて壊そうとしてもビクともしない強度になるが、フレアバレットが当たるとまるで蝋燭みたいにトロトロになって溶ける。熱に弱い可能性があるが、これも何らかの成分が関わっているかだろう。

 ナイフで削れないこともなかったが、溶かすほうが圧倒的に早かった。

 食らって、検証して、考えて、初めて分かったことだ。これはこれで面白い特性がある。これを使えば何かができそうなんだが、素材として取れるかどうかも分からないし、今は使いどころが分からない。

 まあ、この辺りは協会の連中次第だが・・・


「よく戻ってきたな、君たち」

 メリコに戻って、生活者協会に向かうと、ボーマンが受付で出迎えてくれた。

「待ってくれてたのか?」

「さすがにここで待ってはいないが、下にも仕事はあるからね」

 上役になっても、現場仕事の一つや二つくらいあるか。

「戻ってきたということは、依頼のほうは達成したと・・・期待してもいいのかな?」

「まあ、これを見りゃ分かるさ」

 パスポートを渡すと、

「拝見させてもらうよ」

 慣れた手つきでカードを操作して、

「・・・なるほど。こちらの指定以上の数を討伐してくれたのか」

「まあ、その辺りは成り行きだな」

 相手は野生だし、繁殖を管理できるもんじゃない。知らない間に増えてたんだろう。

 たまたま、俺たちが遭遇するタイミングでそうだった・・・ってだけだな。

「依頼は達成とさせてもらうよ。後の処理のこともある。私の部屋で話そう」

 ボーマンの部屋に入ってすぐ、

「約束の報酬だ」

「こちらになります」

 昨日とは別の受付嬢がいて、紙幣が載ったトレイをローテーブルに置いた。

「確認させていただきます」

 席に着いたマーベルさんが、何故か報酬の確認を始めた。

「まあ、座ってくれ。お茶と菓子も出そう」

「わたしも食べられる物も頼むよ」

 一服したい気持ちも無くはない。

 それに、話したいこともあるしな・・・

「確かにちょうどですね」

 マーベルさんが確認を終えた紙幣を一旦トレイに戻す。

「それはそのまま、懐にしまってくれ。後で解体作業の手続きを行おう」

「じゃあ、例の調査の結果を聞こうか」

 出発前、俺はボーマンに一つ調査を依頼した。


 素性が分からない、怪しい人物がいないかどうか・・・


 いくら報酬が出るとは言っても、ヴェロニカとマーベルさんがノリノリで受けた話だとしても、俺は納得しちゃいなかった今回の討伐依頼・・・報酬だけじゃ俺の気が済まない。

 だから、ボーマンに討伐と引き換えに調査を頼んだわけだ。

 少しでも、ヴェロニカの親に繋がる情報が欲しい。例えそれが、今にも切れてしまいそうなくらいに細い糸でもいい。

 藁にも縋るってくらいじゃないが、無茶を聞くわけだから、交換条件を出しても罰は当たらないだろう。

「ああ。まあ、掛けてくれ」

 お茶も出ることだし、座らせてもらおうか。

 ソファに座ると、

「メリコのみになるが、怪しい人物がいないか確認を取った」

 ボーマンが話を切り出して、

「受付嬢たちに情報収集をしてもらったんだが、それらしい人物が何人かいるようだった」

「おっ」

 いるのかよ。

 いや、いてくれて助かるわけだが・・・なんか複雑だな。

「そんなに多くはない。男が一人、女が一人・・・メリコじゃ見かけないから目についたということだが」

「ってことは、俺たちみたいに旅をしている可能性もあるか」

 ボーマンは小さく頷き、

「ここ数日はメリコに滞在している。宿屋に確認を取った」

 怪しい様子を見せている奴らなら、定住はしていないだろう。

 生活必需品や食料の補給に立ち寄るくらいか。

 ・・・もっと別の用事もあるかもしれないが・・・

「二人は多少離れることはあっても、夕方には合流しているようだ」

 ボーマンには、ヴェロニカは俺とマーベルさんの間の娘じゃなく、産んですぐ蒸発した若い夫婦の子供っていうことにしてある。

 俺たちは同じ村の出で、娘と一緒に残した借金の回収のために、娘と一緒に捜索の旅をしている・・・そういうほうが、ある程度説明しやすいし、納得してもらいやすいと思った。

「となると、夫婦かもしれませんね」

「そうとも言い切れないだろうよ。単純に利害が一致して行動を一緒にしてるだけかもしれないだろ」

 俺たちの関係性であれば、常に一緒にいないことも納得できる。

 ・・・俺もさっさとマーベルさんから離れたいんだが。

「風貌はそこそこ若いようだ。恐らく、二十代後半か三十代前半か、それくらいと聞いている」

「年齢的にはその辺りだが・・・」

 まあ、本当にそれくらいの年齢で産んでいたら・・・っていう前提なんだが。

「職業は分かりますか?」

「詳しくは分からないが、男のほうは丸腰だ。女はローブを羽織っている。その点を考慮すると」

「男性は分からなくても、女性は黒魔術師、もしくは白魔術師・・・武器を持たない職業ということですね」

 そう考えるのが妥当だろう。

 ただ、常識的にそう思える・・・ってだけかもしれない。

 固定概念ってやつだ。

 ローブを羽織っている奴は魔術師。それが一般常識なのかもしれない。ただ、おしゃれで纏っているかもしれないし、自分が魔術師だって思わせるためのフェイクかもしれない。

 羽織るだけでおしゃれもフェイクもできるから、誰でも簡単にできる。俺にだってできるわけだし、決めつけずに、広い視野で捉えておくほうがいい。

「男性は丸腰というのなら、戦闘職ではないかもしれませんね?」

「ナイフがあるから、盗賊って可能性もあるだろ」

 盗賊はナイフが主体のジョブ。

 ナイフの形にもよるが、ある程度小さいサイズを選べば、体のどこかに隠すことができる。アクション系のマンガだと、背中に隠し持っていたり、くるぶし辺りに仕込んでいたりするし。

 ここの世界の人間にそういう知識があるかどうか分からないが、ある程度の常識は一緒だし、その点も共通しているかもしれない。

 少なくとも殺意がある相手なら、油断しないほうがいい。

「今の情報も、君たちが森に行って帰ってくるまでの間だけのものだ。もっと時間を掛ければ詳しい情報を得られるかもしれないが・・・」

「いや、ここから先は俺たちで調べるよ。あんたも暇じゃないんだろ?」

 もっとも、あまり長い付き合いをすると、もっと詳しい事情を話さなくちゃいけなくなるかもしれない。

「まあ・・・それはそうだが」

「こっちの無茶な話を聞いてくれただけでもありがたい。助かったよ」

 普通なら怪しむもんだが、ボーマンは協力してくれた。

 そこに依頼を聞いてくれたからってところはあったとしても、俺だったら多少疑問に思うところだし、協力はしても予防線は張る。

 あまり深入りしないようにしてくれたところもありがたい。だけど、ヴェロニカの謎は簡単に話せるもんじゃないし、広めていいもんでもない。

 ボーマンにはシンプルに感謝はしておくが、付き合いはここまでかな。

「・・・そうか。では、解体手続きを進めよう。君」

「はい。一階の受付で手続きをお願いします」

「どうも。じゃ、報酬は受け取るぞ」

 トレイの紙幣を全部財布に入れて、

「キリ、ドッシュたちのことを伝えないと」

 危ない。忘れるところだったわ。

「そういえば、借りてたドッシュのことなんだけど」

「ああ、何か不具合が?」

「不具合と言えば不具合かな。俺たちが搭乗するのに問題はなかったけど、環境は変えたほうがいいぞ。飯はマズいし、扱いも雑らしい。懐くモンも懐かんぜ」

 ドードたちと違って、自分たちのほうが優れているってことが分かっている。分かっているだけに、同じ待遇では不満に思うもんだろう。

 もうちょっと良い餌に変えて、手厚い対応をしてやるだけで少しは変わる。そう伝えると、

「・・・ああ、分かった。飼育員に伝えておく」

「じゃあ、そういうことで」

「君は不思議だな?」

「・・・はい?」

 何とも言えない表情をボーマンはしていて、

「君は何か特別な気がする」

「どうした、急に」

 何を言い出すかと思えば。

「ドッシュの環境について話が出た時、テレパシーが使えるのかと思ったが、白魔術師も習得を避けるスキルを覚えるとは思えないし」

 ・・・初めて聞いたぞ。

 便利なスキルだし、警戒にも使えるから俺はアリだと思うんだが。

「キリ、前にも言ったけれど、覚えても使いこなすのが難しいスキルなんだよ。テレパシーは」

 そういえば、始めの頃は余計な意思を拾って嫌な思いをすることもあった・・・なんて話をしていたな。

 今は十分に使いこなせているけど、そこに至るまでにどれだけ嫌な思いをしてきたんだろうか。

 使いこなせるまでに、どれくらいの練習が必要になるんだろうか。

 ヴェロニカはけろりとしていて、それが本人の前向きな性格だからどうにかなってるところもあるんだろう。けど、俺みたいな一般人が耐えられるんだろうか?

「その若さでランドリザードやポイズンスパイダーを討伐できるというのも珍しい」

 ほとんどヴェロニカのおかげなんだが・・・まあ、その辺りは当然伏せておく。

「何よりも雰囲気かな?」

「雰囲気?」

「君の周りの・・・空気とでも言うのかな」

 こっちでも雰囲気とかの話で空気とか言うんだな・・・

「私は職業柄、色んな人間と出会うし関わるが、君のような人物と出会うのは初めてだ。転移者は全員そうなのかな?」

「さあ・・・どうかな?」

 俺だって、俺以外の転移者に会ったことがない。

 知らない間に接触していたり、見かけたりすることはあるかもしれないが、自分がそうだって分かった状態で会ってないしな。さすがにそこまでは分からない。

「まあ、少なくとも言えることがあるけどさ」

「なんだ?」

 俺から言えることは多くはないけど、

「俺みたいな奴は腐るほどいるよ」

 今の環境が特殊すぎるってだけで、俺はその辺にいる普通の高校生と大差ない。ヴェロニカがいてくれるおかげで、何とかここでやっていけてるし、トカゲもクモもやり過ごすことができた。

 ラッキーが続けざまに起こっているってだけの話。

 それを除ければ、俺も野垂れ死にした連中の内の一人だったんだよ。

「・・・そうか」

「ああ、そうだな。じゃ、そういうことで。世話になったね」

 ボーマンと別れて、一階に下りる。

「あなた、パスポートを」

 まだ夫婦ごっこを続けるのか・・・疲れたなぁ。

「これをよろしく」

「はい、確認させていただきます」

 受付嬢にパスポートを渡すと、すぐに手続きが始まって、

「確認しました。引き続き、解体現場での確認を行いますので、こちらへどうぞ」


 *


「ふぅ・・・粗方片付いたか」

 解体手続きを全部終えて、俺たちは昨日と同じ宿に入った。

 幸い空室があったからすんなり入ることができて、しかもシングルが二部屋と落ち着いて過ごせる好環境。ちょっと高かったが、クモ退治の報酬もあったし、贅沢することに迷いはなかった。

「解体現場もまた盛り上がったねぇ」

 ポイズンスパイダーの残骸を解体場に召喚したら、職人たちが騒然となった。

 久しぶりに見たとか、とんでもない量だとか、たった三人でこれだけの数を討伐したのかとか、色々。

「オフィスから依頼が出ていることは分かっているでしょうにねぇ」

 メリコとニギから依頼が出ていることくらい、職員なら把握しているだろう。しかも、普通の依頼じゃないわけだし、知ってなかったらおかしい。

 それでも驚くってことは、クモがそれだけ厄介だってことなのかもしれないが、それにしても疑問に思うことは思う。

「まあ、それはいいとしよう」

 問題は明日からの行動だ。


 どうやら、クモの解体にも時間が掛かるらしい。


 正確に言えば、クモの解体自体は簡単に済むが、数が多いから時間が掛かる。

 なんせ、二十匹以上を討伐してるわけだし、クモ本体もそこそこでかい。そりゃあ、時間が掛かっても仕方がない。

 昨日預けたトカゲも解体が終わってないし、クモの解体も追加。

 メリコで足止めになってしまった。

「まあ、あれだけの数だからねぇ」

「協会も立場上、雑に捌いて取れる素材数を減らしてしまってはクレームに繋げかねませんし、忙しくても処理はしっかりするでしょう」

 お役所が雑なことをしてりゃあ、そうなるわなぁ。

 運営も大なり小なり税金でまかなってるだろうし、クエストの発行とかの一部に掛かってるはず。依頼者が減れば、活動することもできない。

 信用問題ってのはどこでも大事だな。

「解体のことは協会に任せるしかないから、置いておこう。それより問題なのは」

「その怪しいっていう男女だね」


 ボーマンが言っていた怪しい二人組。


 俺たちはこの問題に取り組まないといけない。

 いや、取り組まなくてもいいにしても、一応、ヴェロニカの謎を解決するっていう目的上、避けられないって言うほうが正しいかもしれないが。

「本当にその二人がヴェロニカさんの親なんでしょうか?」

「さあ・・・そればかりは調べてみないと何とも」

「・・・今更なんだけど、違う可能性が高いだろうな」

「なんで?」

 何度も確認するようだが、ヴェロニカの実年齢は十八歳。

 つまり、親が捨てたと仮定して、そこから十八年が経過している。

 それだけ経ったにも関わらず、森から大して離れてもない場所にいるわけがない。

 そもそも、ボーマンからの報告だと、ここ数日に現れたって話だ。補給で立ち寄ったってことも考えられるけど、それにしたって滞在する必要はないはず。

 ヴェロニカのことじゃない、もっと別のワケ有りだと思うのが妥当だと、俺は思っている。

「キリが言うこともごもっともだねぇ」

「俺ならもっと遠くに行くけどな」

 少なくとも、ノーラ大陸は出るだろうけど。

「しかし、キリヤさんがおっしゃることは、ヴェロニカさんがすでに大人の意識を持っているということが前提ですよね?」

「・・・おお」

 マーベルさんは更に、

「一般的に、赤ちゃんが言葉を覚えるのも、自分の意思を伝えるようになるのも、時間が掛かります。少なくとも一年弱か、それくらいだと私も聞いたことがあります。しかし、それでも我々大人と同じようにはいきません。生まれたてなら、親の面影など覚えていなくて当然・・・油断してここに立ち寄る可能性もあるのでは?」

 指摘の内容はその通りかもしれない。

 確かに、今までヴェロニカが年齢相応ということを前提として考えていた。

 だが、ここにいる赤ん坊の姿をした女子の中身は十八歳・・・十分に大人。

 普通の赤ちゃんじゃない。最初から言葉を覚えていて、バカみたいな数のスキルやら魔法を覚えていて、交渉という体で脅してくる。そんなのが普通なわけがない。

 普通なら、親の顔を覚えていなくて当然なんだ。

「・・・となれば」

 可能性は出てくるな。

 よっぽど警戒していない限り、大して離れることもないか。

 もしくは、相当のバカか・・・

 どっちでもいいけど。

「調べてみる価値はありそうだねぇ」

「そいつらを見れば、ヴェロニカも親かどうか分かるか?」

「いや、見るだけなら分からないよ。親の顔もよく覚えていないからね」

 当の本人が覚えていないとなると、結構困るんだが・・・

「首都で夢を見たって話をしたことを覚えているかい?」

 そういえば、そういう話もしたっけな。

「たぶん、親の顔自体は見たことはあるんだろうけれど、どういうわけか覚えていない。けれど、夢でおぼろげに見えたこともある。顔とかじゃないけれど、雰囲気くらいは覚えているつもりだよ。それを頼りに判断するしかないと思うんだ」

 結局は感覚頼りか・・・

 今の情報量だと、そうなっちまうのも仕方がないんだが、そんなんで調査をしていると言えるのか微妙なラインだな。

 やるとやらないとじゃあ、大違いではあるけども。

「なら、明日はその二人を探してみようか」

「そうですね」

「あれ?マーベルさんも来るの?」

 もういい加減一緒にいなくてもいいと思うんだが・・・

「素材の買取もありますし、調査の役にも立たせていただきますよ?」

「・・・はぁ」

 どうしても俺たちに付いてくるんだな・・・

 もう隠しておくことがないくらいに情報は共有してしまってるし、確かに商人としての能力も確かだが、面倒だってことは変わりないわけで・・・

 どうにかしたいなぁ。

「では、今日はもうお開きにしましょう。私も自室に戻ります」

 マーベルさんは隣の部屋を取っていたんだが、話をするために合流していた。

「また明日ね~」

「おやすみなさい」

 マーベルさんが自分の部屋に戻っていった。

「わたしたちも寝ようか」

「そうするか」

 ランドリザードほどじゃないにしても、クモ退治も結構しんどかったなぁ。

「キリも寝る?」

「歯磨きして、明日の準備をしてから寝る。先に寝てろ」

「そうするね。おやすみぃ」

「おー」

 ベッドに座っていたヴェロニカは、ころんと横になって、すぐに眠ってしまった。

「明日からはまた調査か・・・」

 嫌とかじゃないけど、あまり進展しそうにないんだよなぁ・・・この件。

 まあ、やるしかないからやるけど。

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