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―――・・・ニカ!
―――・・・んね・・・
何か聞こえる。
―――・・・めんね・・・ニカ・・・
誰かがいるみたい。
声の様子からして、テレパシーじゃなくて、生の声。
不思議なのは、とても悲しい雰囲気だということ。
周りも暗い。
まるで、森の夜・・・月が出ていない、曇りの日みたい。
森に飛ばされて、初めての夜を思い出す。
でも、今の雰囲気はもっと別の雰囲気で暗いように思える。
それが何故なのかは分からないけれど。
悲しい雰囲気なのは何で?
意識をもっと集中させてみる。
―――ごめんね・・・
ごめんね?
誰かが謝ってるみたい。
―――ごめんね・・・ごめんね・・・
ずっと謝ってる。
なんでそんなに謝るの?
―――ごめんね・・・ヴェロニカ・・・!
・・・わたし???




