表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

148/151

8

「集合だ!敵が来ているぞ!」

「どこのヤツだ、お前!」

 目の前は接近戦職に塞がれた。

 剣、槍、斧が大半か?

「配置についたか!?」

 両サイドも接近戦職がいるが、こっちは上から狩人が狙ってきている。

『これはなかなか厳しい状況である』

「全くだ!」

 後ろの勢いはある程度止めたにしても、すぐに包囲されるのは分かってる。

 ここで立ち止まれない。

 なら、

「突っ込むしかないのよねぇ!!」


 立ち止まれないなら、ガノダウラス目掛けて走るしかない!!


「複製・・・!」

 包囲されたら立ち往生してしまう。

「ほら、プレゼントよ!」

 バチの実入り巾着を前方に投げる!

「こいつ、またバチの実を!!」

「小細工しやがって!!」

 とにかく、先手を打ち続ける!

「フレアバレットに気を付けろ!」

「風魔法で吹き飛ばせ!」

 

 そう、考えられる対策は三つ。


 一つ目は炎魔法に注意すること。

 とにかく、炸裂に気を付ければいい。炸裂されても、想定さえしていれば防御することもできる。


 二つ目は吹き飛ばして無効化すること。

 バチの実はある程度まとまった範囲にないと、爆発の範囲が狭くなるだけでなく、炸裂できない分も発生する。

 だから風で吹き飛ばすってのは有効な対策と言える。


 そして三つ目。

 それは、

「突っ切る!!」

 単純に想定される爆発範囲から抜け出せばいい!

「どけ!!」

 真正面から突破を図る!

「行かせるか!」

 当然、邪魔される。

 そういう時は、

「ほうら、嬉しかろ!!」

 複製したバチの実入り巾着を投げつけて牽制する!

 だが、

「鬱陶しい!!」

 剣で払われてしまった・・・!

 巾着が切り裂かれて、中身が散ってしまう。

「小手先の技だけで突破できると思うな!!」

「・・・はぁ」


 そりゃまあ、そうなるよなぁ。

 想定だともうちょいこれでねばれるはずだったんだが・・・

 まあ、そうなったら仕方がない。


『そろそろ本腰を入れるのである』


 正面に駆け込んできた連中は結構な数になった。

 これを突破するために、いよいよスキルを使わせてもらう!


「行くぞ?」

「来い、クソガキ!!」

 巾着を割いてきた剣士に向かって踏み込む!

「正面からか!面白い!」

「偶然だな?」

 ストレートに突っ込んで、

「俺も面白くなってきたところだ!」

「ぶん殴られとけ!!」

 抜いた剣を納刀して、ベルトから鞘ごと抜いて振りかぶってきた。

「食らえ!」

「食らうなら―――」

 射程に入る直前・・・軸足に力を入れて、

「絶世の美少女騎士のほうがいい!!」

 横に跳ぶ!

「なっ!?」

 剣が空を切り、

「じゃ、お先っ!」

 回避成功の勢いで、更に前へ!

「あのクソガキ、小癪な真似を!!」


 今までの俺なら、攻撃を食らっていただろう。

 だが、避けられるように仕上げてきた。


 今のスキルは軽快と機動力の恩恵だ。


 軽快。フットワークを軽くする。

 足取りが軽くなり、最小限の力で動くことができるようになる。


 機動力。素早さやジャンプ能力を上げる。

 習得することで、移動速度を上げ、跳躍能力を上げることができる。


 これらは組み合わせることでスピードを上げつつ、縦横無尽の機動力を得られる。

 そしてレベル1から3まであり、上げることで更に恩恵を得られる。


 この二つはアイオロスから習得の指示があったものだ。

 本来の目的とは違う使い方をするが、

「はやっ!?」

「こいつ!!」

 捕まえようと立ちはだかってくるが、

「ひょいっと」

 フットワークを駆使してスピードで千切る。

 かなりの数が壁になってきたものの、簡単に避けることができる。


 かっ、快適ィ~!!


 このセット、かなり楽!

 軽快レベル3。ほんの少しの力で他人をかわせるし、切り返しもできる。

 機動力レベル3。ちょっとランニングする程度の力で全速力に近いくらいまでスピードを出せるし、しっかり踏み込むと人ひとり飛び越えるのもやれなくもない。

 機動力を上げるだけじゃなく、体力の温存もできるこの組み合わせ・・・もっと前から使っとけばよかったと軽く後悔するレベルで快適だ。まあ、ポイントが足りないからどう頑張っても習得できなかったんだけども。


 本来は大型モンスターを狩るためのセッティングだったわけだが、ちょっとルートが逸れただけで、使い方を間違えてるわけじゃない。

『寄り道などせず、さっさと大型を狩りにいけば良いものを』

 などと文句を言うヤツがいるが、こっちにはこっちの事情もあるし、行く順番を変えただけのこと。


 今はこのスキルを駆使してとにかく前に進む!


 と思った矢先。


「―――お前!!」


 立ちはだかってくる連中をかわしつつ進んでいった先で、四人組が目に移った。

「・・・ん?」


 剣士と魔術師っぽい女と、ドキツイ髪色の女、槍を持ったイケおじ・・・?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ