13-4
「・・・朝か」
アポロから精神世界に誘われて、向こうで狼からやたら嫌味を言われた後、そのまま寝ていたらしい。
日が昇り始めた頃・・・雰囲気からして、五時か六時くらいって感じか。
「くああっ」
熟睡とまではいかなかったが、それなりには寝られた。
ベッドで寝ていたわけだし、普通なら熟睡できそうなもんだが、そうならなかったのはあの狼のせいだな、たぶん。
何であそこまで言われにゃならん?
そりゃあまあ、ああいう連中からしたら下界の小僧が気に入らないことの一つや二つくらいあるだろうよ。
あの狼は俺の性根がどうとか言ってた気がするが、あいつが俺の何を知ってんだって話であって。
精神世界にいる間に色々ストレスを受けたからか、すっきりはしてないんだよなぁ。
こればっかりはしょうがないんだが、こっちは体が資本かつ有限の生物・・・その点は考慮してもらいたいもんである。
まあ、言ってばっかじゃしょうがない。
結局のところ、やらなきゃいけないってことは変わらない。
アイオロスは俺に試練を課した。
指定スキルを習得して大型モンスターを狩れって話だったが、それが何を意味しているのかが気になるところ。
アポロが余計なツッコミを入れてこないことから察するに、アイオロスの神力に関係があるはず。
それを使うに値するかどうかを見たいんだろうな。
とりあえず、面倒なことには変わりない。
変わりはないが、やらなきゃ先に進むのが難しくなるってことも変わりないのが辛いところだな。この世界で生きていくためには、最低限戦えるようにならないとどうしようもないわけだし・・・
「まあ・・・ボチボチやりますかぁ」
知らないうちに外堀を埋められた感は否めないが、重い腰を上げられたってことにしておこう。
こうなったらやるだけだ。
あとは大型モンスターを狩るって目的をどうやって達成するかってところだが・・・
ま、こういうことは相談しておくに限るかな?
幸い、俺だけで動いてるわけじゃないし、頼れる誰かがいるなら、頼っておくに限る。
まあ・・・頼った末にエライ目に遭わされるってオチが待ってるかもしれないけどな・・・