ぞろ目のお札
ナレーション「僕は銀行でお金を下ろし、何気なくそのお金を眺めていると、お札
の紙幣番号が1のぞろ目だという事に気付いた。こういうお札は高
く売れると聞いた事があるので、早速、買い取ってもらえる店に
持って行った」
客 「あの・・・」
店長「はい」
客 「さっき、銀行でお金下ろしたら、1のぞろ目のお札が出てきたんですけど、
買い取ってもらえるんですか ?」
店長「ええ、勿論・・・そのお札、拝見してもいいですか ?」
客 「はい」
店長にお札を渡す客。
店長「はいはい・・・これだと・・・これ位になりますけど・・・」
店長は、電卓を叩いて客に見せた。
客 「えっ ! そんなに・・・」
店長「はい。どうされます ? お売りになられます ?」
客 「はい。売ります」
店長「じゃあ・・・こちらが代金になります」
客 「どうも」
客は、店長から受け取った数枚のお札を財布に入れながら、その場を立ち去ろうとしていたが、ふと、一番上のお札の紙幣番号に目が留まった。
客 「あれっ ! ? ・・・」
店長「どうかされました ?」
客 「あの・・・これ、5のぞろ目なんですけど・・・」
客は、そのお札を店長に渡した。
店長「えーっ ! ! ! この番号のお札ずっと探してたんですよ ! 」
客 「はあ・・・」
店長「どこで手に入れたんですか ! ?」
客 「いや・・・あなたから貰ったんですけど・・・」
店長「えーっ ! 僕から ! ? ・・・灯台もと暗しですね」
客 「はあ・・・」
店長「いやー、まさか、こんな所で出会えるなんて・・・」
客 「ずっと、あなたの手元にあった筈ですけど・・・」
店長「いやー、奇跡だなあ・・・あのー・・・もし良かったら、是非、譲って頂き
たいんですけど」
客 「えっ ? ・・・このお札をですか ?」
店長「ええ・・・本当に、ずっと探してたんですよ。このチャンス逃したら、二度
と出会えないと思うんで、是非」
客 「いや、僕は、別にいいですけど・・・これ、あなたから貰ったんですよ」
店長「出所なんてどうでもいいんですよ、とにかく、このお札さえ手に入れば」
客 「自分で持ってたお札を、自分で買い取る形になりますけど・・・ものすごく
損しますよ」
店長「いやいや、この商売、得をする時もあれば、損をする時もありますから」
客 「まあ、それでいいんなら、僕は別に・・・」
店長「ありがとうございます ! 」
店長は嬉しそうに、そのお札の何十倍もの金額を客に渡した。
客 「本当にいいのかなあ・・・」
客は、何か悪い事をしたような気分になりながら店長に渡されたお札を眺めていると・・・
客 「あれっ ! ・・・このお札、7のぞろ目ですけど・・・」
店長「えーっ ! ! ! ! ・・・どこでこのお札を ! ?」
ナレーション「こうして僕は、1日にして億万長者になった」




