何それ、俺聞いてないんですが。
もう一回ドーン⭐︎(笑)
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俺が黙って突っ立っていると、フリードさんが頭を掻きながら神妙な面持ちで立ち上がった。
「ほったらかしにして悪かったなレクス。とりあえずそこのソファーに座ってくれ。事情を話そう。ヴァンも座ってくれ」
「はあ…わかりました」
「いいのか?Fランクに話しても?」
「あぁ。大丈夫だよレクスなら。話す前に王都ギルドに連絡入れるからちょっと待ってろ」
促されるままソファーに座った。あ、以外とこのソファー弾力があって座り心地いいな。
フリードさんは執務用の机に座って手紙を書き、至急王都ギルドに届けるよう指示を出した。
「待たせたな。それで、レクスが発見したこのゴブリンなんだがな。コイツは魔獣の王が誕生した影響を受けた変異体のゴブリンなんだ」
あ、やっぱり変異体だったんだ。
「…ん?魔獣の王?」
え?あの300年前にあったモンスターテンペストの?
「あぁ。2週間前にヤマト国に居る先見の巫女が断言したんだ。『魔獣の王が誕生した』ってな。誕生する。じゃなくて、誕生した。と言い切ったんだ」
「ヤマト国に居る先見の巫女の予言は100%当たる。だから各国の王は魔獣の王の調査をギルドを通して、高ランクの冒険者に依頼したんだ」
「……高ランク冒険者だけに依頼したって事はこの話はまだ一般に知らせていないってことですよね?むやみに公開して不安や騒動、混乱を起こさせないため…ですね」
「そうだ。魔獣の王の影響はコイツを見ての通り、濃い瘴気から発生する変異体だ。色は青紫になり、目が赤くなる。通常の魔獣より獰猛になるのが特徴だ」
「だからか。緑色のゴブリンよりちょっと早くて力が強かったんですよね」
「話に聞いていた通りだな。残っている史実だと魔獣の王が育つに連れて瘴気も濃くなり、変異体も増えていくんだ。そして王として成長しきったらモンスターテンペストを起こし、世界を蹂躙していくと伝えられている」
「300年前は、当時の1/3の国が滅んだって記録に残っているが……」
フリードさんもヴァンさんも苦々しい顔をして口を閉じた。
「魔獣の王が成長するのって早いんですか?」
「……その当時の記録としては、瘴気がこの世界の全ての森全体を覆うように立ち込めるまでに1年。そこからモンスターテンペストが発生するまで半年だったそうだ」
「誕生してから1年半でモンスターテンペストか……それも絶対じゃないだろうから大体1〜2年の内にモンスターテンペストが発生すると仮定しておいた方がいいですね…」
「…そうだな。今のところ濃い瘴気が見つかっているのはここファンディオール大森林と、ダンテリオン帝国にあるアルマの森とタタール共和国の南タタールの森が報告に上がっているな」
「………って、いやいやいや!普通に話してたけど!レクスお前何者だ?!なんで話についてこれる?!ギルマスも!!何重要機密情報を話してんだよ?!」
今さら気づいたんですかヴァンさん。もう詳しく話しちゃった後ですよ。
「そうだったな…レクス。ヴァンは俺も信用をおく口の硬い冒険者だ。一緒に事情を聞いても構わないか?」
「そうですね。ヴァンさんいい人ですし、けど他言無用ですよ?」
「え?何?怖いんだけど!!」
怖くないよー。俺の恥を晒すだけさ(遠い目)