冒険者登録しに行くか。③
屋敷からファンディオール冒険者ギルドまで歩いて40分。ファンディオール街は結構広大で、王都より面積は広い。人数は王都の方が多いけどね。
街の中央は冒険者ギルド、商業ギルド、商店街に住宅街があり、街の端の方は田畑が広がっていてファンディオールの産業を担ってくれている。
森の方はダンジョンがあり、魔獣も出るし危険なのだが、鉱山も山の恵みもあってこちらもファンディオールに貢献してくれている。本当にいい所なのだ。ファンディオールは。
まぁ、森の向こう側はダンテリオン帝国があるのでたまに小競り合いしたりもするけど。
「兄さんには頑張ってもらって、もっとファンディオールを発展させてもらわないとな〜っと…ここが冒険者ギルドか」
冒険者ギルドのマーク、剣と盾の看板を見つけその扉を開いたらチリリンっと可愛らしいベルが鳴った。
昼過ぎだからかあまり人が居らず、隣の食事処のブースにも4、5人食事や酒を飲んでいる人が居るくらいだ。
俺は真っ直ぐ受付嬢のいるカウンターに足を進めた。
「ようこそ冒険者ギルドへ。どういった御用でしょうか?」
眼鏡をかけたお姉さんがにこやかに対応してくれた。てか、さすが冒険者ギルドの受付嬢。めちゃくちゃ美人だな。
「冒険者登録をしに来たんだけど、ここであってる?」
「はい。あってますよ。冒険者登録ですね。それではこちらの用紙に記入をお願いします。代筆はご入用ですか?」
「いや、字は書けるから問題ないよ。ありがとう」
必要事項を記入しようとペンを走らせようとしたところで気付いた。そーいやお祖父様から家名を使うなと言われたんだったな…って事は名前も変えたほうがいいって事だよな……やっべー名前何も考えて無かったわー。どーしよ……えーっとアレクシスアレクシスアレクシスアレクシス……アレクはダメだからレクスでいいか。歳は17で戦闘スタイルは魔法と剣士。学院は騎士科に進んだから魔法の勉強し直さないとなー……
「はい。これでいい?」
「はい。レクスさんですね。大丈夫ですよ。初めはFランクから始まりますので、レクスさんは今Fランク冒険者となります。依頼をこなしていき、そこからEDCBASと、ランクが上がっていきます。Dランクからは昇格試験がありますので頑張ってくださいね。依頼ですが、あちらのボードに貼られている依頼表から自分のランクの1つ上までのランクの依頼を受けることができますので、受けたい依頼表をこちらの受付カウンターまで持ってきてここで受付依頼をして下さい。依頼には期限がございます。依頼期限が過ぎたり、依頼失敗をしますと違約金が発生しますのでくれぐれも注意して下さい。こちらが冒険者カードになります。紛失されますと再発行手数料に金貨1枚頂きますのでくれぐれも無くされませんよう気をつけてください」
テキパキと一気に喋り出した受付嬢に圧倒されてしまった。
「えと……魔物討伐証明部位とかってどうやって知ったらいい?」
「魔物討伐証明部位、薬草一覧の本を銀貨5枚で販売しております」
「銀貨5枚?!けっこう高いね」
「そうなんですよね……本なのでどうしても高くなってしまうんです…」
あ、受付嬢のおねえさんがしゅんっとしてしまった。これはこれで可愛い…じゃないない。銀貨5枚なんて一般市民の給料1ヶ月分だぞ?
「なので単独のFランク冒険者は先輩冒険者のパーティーに入らせてもらって教えていただいたりしてます。」
「先輩冒険者のパーティーに入らない人はどうするの?」
「その場合は私達が依頼毎に教えますがFランク冒険者の場合魔物討伐の単独は危ないので推奨しておりません。怪我や死亡した場合は自己責任になります。ですのでFランク冒険者だけのパーティーでも構いませんので、パーティーを組んでもらうようにしています」
「わかりました。魔物討伐部位の本と薬草一覧の本ください」
「………合わせて金貨1枚になります。…単独で行動なさるんですか?」
「そうだね。今のところはそうなるけど、気の合う人達と出会ったらパーティーを組みたいかな」
「そうですか…単独での依頼でしたら薬草採取がありますので!」
「単独で魔物討伐依頼はできないの?」
「できないことはないですが……死ぬリスクが高くなるので勧められません…」
「うん。でも自己責任だし、受けれるならいいよ。じゃあ、依頼ボードを見てくるよ」
「レクスさん!慢心は死ぬ確率を上げます!」
金貨を渡し、本を受け取ったので依頼ボードに足を運ぼうとしたら受付嬢に怒られてしまった。怒った顔も可愛いなぁ。……じゃないない。
「うん。わかってる。心配してくれてありがとう。」
とりあえずどんな依頼があるか見てみるかな。
銅貨100枚→銀貨1枚
銀貨10枚→金貨1枚
金貨100枚→白金貨1枚
って感じになります。