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馬鹿は気が付かない


結論から伝えればその日の学園はとてつもなく荒れた。




そりゃ御国の第三皇子が冒険者なんぞを抱えてくれば至る所から不平不満が降ってきた。




とてもじゃないが入学式のガイダンスなんてみんな聞ききれていないに違いない。




当事者達は全く気にしていないのかはやくも次の日からお互いの席を隣に陣取り、くすくすと小声で会話をする程であった。




彼らは色々なことを履き違えているようだ。





なによりその出来事は『学園には上下はなく、皆平等であり同じ学び舎の友である』という謳い文句をいとも簡単に壊してしまった。



皇子と冒険者が友になることは何の問題もない。



ただ、彼らの無神経さによって学生達が入学初日からスパッと自分の立ち位置を決めてしまった。





全てが許せない貴族様、冒険者を妬む庶民、彼らの友情を応援する観覧者。



長い学生生活の中で手探りで探し自分の力で見つけるはずであった学園生活の過ごし方が、自然とできあがってしまったのだ。



もう、その枠を超えた交流はうまれないだろう。





もしかしたら、在学中に彼らはその立場を超えて友情を育んだかもしれない。


そこから新たな事業や発明が生まれていたかもしれない。




でも、もうそれらの機会はこの学年にはないのだ。


いや、彼らが入学してからこの学園には無くなってしまったかもしれない。





「今年はハズレだなぁ…」


無意識でつぶやいてしまっていた。



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