ACT.49 能力考察
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取り敢えず、気を失った三人の男と少年を手直にあった縄で縛り上げたライとノア。
これで、彼らがまた再び身体を乗っ取られても自分たちが襲われる心配は無い。
「さぁて、どうしますパイセン」
「どうしようか」
正直、事態はかなりこちら側が不利である。
憑依系能力者であるのなら、向こうはここから先ノーリスクで奇襲し放題。
こちらは本体の手掛かりを奇襲を警戒しながら探し続けなければならない。
「かなり不味い状況。ただこちら側にある唯一の手掛かりとしてはーー」
「領主と転生者は確実に繋がっているってとこッスね」
そう、大前提ソコだけは確かではある。
故に領主の周りから身辺調査をするのがセオリーだが。
「なるべく時間はかけたくないですね」
「それは?」
「ノア、憑依系能力者を相手にした場合一番気をつけなければならないことは何かわかる?」
「ーー自分が憑依されること?」
ノアの回答に、ライは首を振って肯定する。
憑依系能力者が敵自身に乗り移り、自害するのが排除手段として一番手っ取り早い。
「でもさっきはそうはならなかったですよね」
「あぁ。つまり、僕たちには憑依出来なかった──人に憑依するには条件がある」
非常に強力な憑依能力。
しかし、そのような能力にも制限があることが過去の事例から判明している。
「憑依できる性別が固定されているとか、一定範囲内の人間限定とか、はたまた動物限定とか」
「憑依には条件があり、今回は偶々ジブンたちがその条件を外れていて無事だった?」
「だと思う」
「ーー待って下さい、それっていつお互いが最悪の敵になるか判らない状況ってことッスか!?」
「そうだね」
今はまだ条件を外れているかもしれないが、その条件を自分たちがいつ満たすかは判らない。
何故なら、その条件すら判らないのだから。
予防策すら無いと言える。
「叶うなら、速攻で決着を着けたい。けれども、それも厳しいとなると」
後に残るは、ジリ貧の果ての破滅だ。
どうするべきかとライは顎に手を当てて考え込む。
もういっそ、領主一家を簡単に拷問にかけて情報を引き摺り出そうか。
そんなことをライが考え始めた時だった。
「パイセン、ちょっと良い案があるんスけど」
「領主一家拷問なら、今僕も思い付いたところだ」
「いや、違いまスよ流石に」
ライの物騒過ぎる発案に、ノアは少し引く。
「あのですね、ーー」
そしてライにノアが耳打ちした内容は、確かに現状最も有効かも知れない案であった。




