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ACT.171 アイシャ・セブン(Ⅰ)

▽▲▽


 眩しい陽射しも地平線の向こうへと落ちていった頃、アルフォンソがリゼの元へやってきた。


「ゴシュジンサマから呼び出しだ」


 本来は気軽に外をほっつき歩ける様な立場では無いのだが、自身のスポンサーからの要望であれば別らしい。

 呼び出しがかかった場面を見た他の女剣闘士たちはヒソヒソと噂していたのが少々癪に障ったが、リゼが使いっぱしりにされて不服そうな彼と共にベルタが借りている客室へと向かった。

 通された客室の豪華さと中で長椅子にもたれて寛ぐベルタの姿を見た瞬間、少しだけムカッときたリゼであるが何とか怒りを飲み込む。

 

 そして。


「──ということがあったから」


「いやいや、いや!?」


 にこやかに笑みを浮かべながら昨日から今日にかけての出来事を語ったベルタと、あまりのイベントの多さと重大さに絶句するリゼ。

 自身が関わっていない所で、そこまで事態が進んでいるとは思いもしていなかった彼女は眉間に皺を寄せて神妙な表情を作る。


「あれ、もしかして今一番役に立ってないの私?」


 到着早々に剣闘士に仕立て上げられて、恥ずかしい格好で戦わされて理不尽を感じていないといえば嘘になる。

 しかし、それ以外でいえば万全のサポート体制でのトレーニングや十分な食事に休養も取らせてもらっている状況。

 任務完遂への貢献度としては、間違いなく三人の中では最下位であることに今彼女は気がついたのだ。


「そもそも、剣闘士やる必要なかったのではないですか?」


「あー?」


 リゼのセリフに、アルフォンソも「あれ?」と言いたげなニュアンスの言葉を漏らす。

 気がついてしまえば、リゼのポジションの有用性が揺らぐ。

 疑心に満ちた視線を二人はベルタに向ける。

 それに対し、彼はいつもの笑みを崩さずに二人からの胡乱な視線をモノともせずに返答する。


「いや、君は必要不可欠だ。女剣闘士でなければ容易に接触出来ない人物がいるからね」


「うん?」


 思っていたのと違う答えを返されて、リゼは間抜けな声を上げた。

 有権者であるベルタとその使いという扱いのアルフォンソなら、大体の人種とはコンタクトが容易いだろう。

 逆に女剣闘士というピンポイントすぎる肩書きがないと接触出来ない人物の方が謎であった。

 可愛らしく小首を傾げてその正体を考察する彼女が答えを導き出すより先に、空気を読まずにアルフォンソが答えに辿り着く。


「アイシャ・セブンか!」

 お知らせです。

 本作品「最強の少年聖騎士、転生者を狩る〜研ぎ澄まされた技で、チートを凌駕する〜」のコミカライズが決定致しました。

 詳しい情報は、後々作者のX(旧Twitter)や後書きなどでお知らせする予定です。

 今後とも、本作品をよろしくお願いします。

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