家族になろうよ
にぎやかなお祭り。私は楽しんで良いとリリンに言われて心が潤っている。
リリンに手を引かれて祭り囃子を楽しんでいる。
偶然ワープしたところがお祭りを奉仕しているところ何て運が良いのか、気持ちが高ぶって来る。
リリンはさっき私が買って上げたやきそば、リンゴ飴、わたあめを食べることに夢中になっている。
そんなリリンを見ていると幸せを感じてしまう。
罪深き私がこんな幸せで良いのだろうか?
そんな時に頭上に花火が沸き起こった。
「雅人よ。何じゃ空にキラキラと輝かせてドーンと花みたいなのが浮かんだぞ」
リリンは目をキラキラと光らせて私に言う。
私も楽しくなってきて、ふつふつと小説が浮かんできた。
私はリリンを肩車して、空に煌めく花火を見つめていた。
「これは花火と言うんだよ」
「これが花火と言うのか」
「リリンは花火を見たことが無いのか?」
「我は・・・」
そう言って言葉に迷うリリン。
そんなリリンを見ると私の心が曇りそうになったので。
「リリン花火はとても綺麗だろ」
「ふむ綺麗じゃ」
機嫌を取り戻してくれた。
本当に幸せな気持ちだ。僕は今までこのような気持ちになった事がない。
「雅人よ」
急に僕に声をかけて来て、「我と家族になるか?」
「はぁ?」
それは願っても無いことだが僕はリリンの言葉に胸が張り裂けそうだった。
「どうじゃ。悪い話ではないじゃろう」
「確かに私はリリンが娘だったら願ってもないことだよ」
「なら親子になる契りを結ぼうぞ」
リリンが小指を差し出してきた。
私もリリンの小指を差し出して指切りをした。
「これで交渉成立じゃな。雅人よ、責任を持って我が雅人の事を守ってやるからな」
それは私の台詞なのに・・・まあいいか。
私もリリンの事を守ると密かに誓ったのだった。
偶然行き着いた祭り囃子の場所にたどり着き、縁日の花火のしたで私達は誓った。
親子と言う縁を。
白髪の白い髪に燃えたぎらせるような赤い赤い目をしたリリン。
ちょっと不甲斐ない私。
私達は親子なんだね。
これからが大変何だろうけれど、心のそこから得体の知れない好奇心が沸き起こってきた。
私に子供が出来るなんて今だかつて思いもしなかった。
そして小説を書く意欲が無限大に沸き起こる。
そんな事を思いながら縁日の花火大会をリリンと見た。
縁日の花火大会が終わり今日の寝床を決めていなかったんだっけ。
リリンと野宿をさせるのはよくないので、しばらく二人で歩いていて一つの旅館があったので入って見るとちょうど一つ部屋か空いていて中に入っていった。
私達を狙う連中もこんなところにいるなんて夢にも思わないだろう。
早速部屋に案内されて中へと入って行く。
私はノートパソコンを鞄から取り出して早速小説を書いた。
書く内容はリリンと私が出逢い、色々な因果を経て親子になった事だった。
リリンは私の肩に寄り添い眠っている。
私の魂に身を寄せて感じている。
今日は本当に疲れた一日だった。
命を落としそうにもなり、そしてリリンと私は親子の契りを結んだ。
考えて見れば私達はおかしな関係だ。
リリンとこうして出逢いそして親子の縁を結んだ。
正直私はリリンの事を知らない。リリンは私の事を知っているが、それもお互いに深くわかりあっていない。
リリンはまだ子供だから、もしかしてごっこなのかと思ったがリリンはそれほど子供には思えなかった。
だったらどうして私とリリンは親子の契りを結んだのか?私にとっては願っても無いことだが、それ以上の事を考えると怖くなってくる。
いったいリリンは私と親子の縁を結んで何を考えているのか?
でもこうしてリリンと親子の契りを結んで私の小説を書く意欲が高ぶって来る。
そして私は小説を書くために生まれてきたんじゃないかと人知れず考えていたりする。
私に寄り添いながら眠るリリンは本当に可愛くて私の心を奪うって私はロリコンか?
とにかくこうしてリリンを側に感じられて小説のアイディアが次々と思い浮かんでくる。
ふと思ったが私は小説家として書く原動力はリリンはもちろんのこと、もう一つは一人でも良いから私は読んでもらい私の思いを伝えたいからだ。
その思いとは私の小説を読んでもらい明日への原動力になれるようなそんな小説を書きたいからだ。
初めて書いたときのモチベーションって言ったらただ驚かせたいという理由だった。
そしてこうして書き続けて私の意欲は変わった。
何が変わったかと言うとこの私の小説が広まって私自身が多くの人に愛されたいと願いながら描いていた。
そしていつしか私の思いが小説を通して、誰かの為に描こうと思い始めてきたのだ。
そして私が書くことに対しての幸せに気が付いた時には奴が現れた。
そいつは私の幸せを壊す人間。
きっとまた私が小説をネットに投稿したら奴らは動き出すだろう。
だったら小説を描く事を辞めようか考えたがそれはいけない気がする。
リリンの魂は私が魂を込めて書く事をエネルギーとしている。
小説を魂を込めて描くことが私の生き甲斐であり、私が私であり続けるための事だ。
小説を書く事をこれぐらいにして、今日はリリンはくたびれていて私の肩に寄り添って眠っている。
風邪をひくと良くないのでリリンをそっと持ち上げて、布団の上に寝かせた。
私も今日は疲れているので並べられたリリンの隣り合わせの布団について眠りに入った。
「おやすみリリン」
リリンの幼い寝顔見つめると、本当にこんな可愛い子が私の娘であることにテンションが上がってしまう。
私も布団のなかに入ってちょっと気分が高揚して眠りにつくことは出来なかったが問題なく私もすぐに眠りに付くことが出来た。
「雅人よ目覚めよ」
私が眠って横になっている私にまたがりながら言う。
時計を見ると午前五時を示している。まだ目覚めるのは早すぎる時間帯だ。
「起きるの早いよ」
「何を言っておるのじゃ。早起きは三文の得と言う話を聞いたことがあるじゃろうに」
「それはそうかも知れないけれどまだ早すぎるって」
「良いから起きろ」
そう言ってカーテンを開けて朝のまぶしい光に照らされて私は目覚めるのだった。
「さあ雅人よ今日もその魂を燃やしつくすのじゃ」
「いきなり起きて小説を書く気にはなれないな」
「それは確かにそうじゃな。雅人の魂がまごついているようすじゃからのう」
「だからもう少し眠ってから朝食を取ってからにしようよ」
布団の中に入った私は。
「それじゃダメじゃ」
そう言ってリリンに寝巻きから普段着に着替えさせられて、リリンと共にランニングする事を強制させられた。
「今日もいい天気じゃ」
強引にランニングをさせられて私は最初は渋々だったが、リリンとこうして走っていると魂が向上してくる感じがして、何か気持ちがいい。
「雅人よ感じるじゃろう」
「ああ、感じるとも。無限に近い何か底知れぬ力が」
「じゃろう。そうして今日もお主は魂を燃やし尽くしながら小説を書くのじゃ」
このように朝にランニングに行くのは何年ぶりだろう。
空には太陽が輝く青い空、そして私達は海を目指して走って行った。
「どうじゃ雅人よ気持ちがいいだろう」
二人で海まで行き、波風に包まれた私達ははしゃいだり流れてくる波に素足にさらした。
「成る程。ここが海と言う所じゃな」
「リリンは海は初めてかい?」
「雅人よ我は死神じゃと以前も言ったろう。こう見えても我は雅人の二十倍は生きておるのじゃからな」
それは初耳だ。じゃあ私達が親子と言うなら、立場は逆なんじゃないかと思ったが体格を見れば私が父親でリリンは子供だ。
その事を話し合おうと思ったが、面倒な事になりそうなのでやめておいた。
それよりもこうして訪れた海でリリンと戯れる感じは心地のいい感じて、また良い小説が書けそうで何かいい。
私達は旅館に戻り、丁度その時に朝ごはんは出来上がっていて、メニューは海のサチが堪能できる高級な仕上がりになっている。
そろそろ私の貯金も減って来ている。
今日からお金を使う事に対して節約していかなくてはいけないだろう。
私はもう働きたくても働けない立場に追い込まれているのだからな。
そう思うと私はどこまで小説を書くことができるのか?
「雅人よ」
頭の中身を心配事でいっぱいだった私に活を入れるように私の背中を叩いたのは他でもないリリンだ。
「何か心配事をしているようじゃったが大丈夫じゃ。我が雅人を守ってやる」
そう言われると根拠もなく心配事がなくなってしまいそうな不思議にそう思えた。
とにかくこの旅館の海のサチをリリンと堪能して本当に美味しかった。
一人で食べるよりもこうして私の娘と言う存在となったリリンと食べられてさらに美味しく思えたのは気のせいではないだろう。
さて食事がすんで、私とリリンは旅館の亭主に見送られることになった。
「一つ聞きたいのですが?」
旅館の亭主に聞く。
「はい何でしょう?」
「ここから駅までどれくらいでしょう?」
「お客さま観光バスで来たのですか?」
「いえ違いますけれど」
「ここから駅までかなり時間がかかりますよ。お客さま方どのようにしてここまで来られたのですか?」
「まあ、たまたま歩いていてここまでたどり着いたのですよ」
本当の事を言うと話がややこしくなるから止めておいた。
「もしあれでしたらタクシーを手配しますが」
「いえ結構です」
「ならお客さま、バス停までの距離ならかなり歩きますが、そこから行くと良いでしょう」
私とリリンはバス停までの道のりを聞いた。
亭主に見送られ、私はリリンと共にバス停へと向かうことになった。
「雅人よ。お金を気にしておるのじゃな?」
「まあね」
ため息混じりにそう言う。
リリンを感じて小説を書ける意欲は有るが、私の貯金もだいぶ無くなっている。
「なら雅人よ。どこかで身をひそめながら働くのはどうじゃ」
「そんなことが出来るわけないでしょうが。私達は狙われている身だって事を忘れてないかい?」
「そんな公の場所で働くのではない」
「まさか悪いことしてお金を稼ごうって魂胆じゃないだろうね」
「我を誰じゃと思っておる」
「死神でしょ」
「そうじゃ死神でも我は神様なのじゃ、神である我がそんなことをすると思うか?」
「だったら神様だか何だか知らないけれども。私のこの立場を何とかしてよ」
「そうしてやりたいのは山々だが、雅人はとんでもない奴に狙われている」
「止めてよ」
リリンの発言に私は無償に怖くなったりする。
「まあ、そこまで狼狽えることはない。何者なのかは知らぬが雅人には指一本触れさせぬ」
それを聞いて私は安心してしまうが、私の娘となったリリンに守られてばかりもいられないだろう。
現時点では問題はないがリリンは言っていた。私はとんでもない輩に目をつけられていると。
それはそうと目の前にバス停が見えてきた。
時刻表を見るとバスは二時間に一本であり、時間を見てみるとタイミングがよく十分後にくる予定だ。
「リリン、バスはすぐに来るみたいだ」
「お主の日頃の行いが良いからかもな」
「別に日頃から行いは良くもないし悪くはないだろうけど」
「雅人よ。お主の手掛ける小説を読んで少なからず、救われているのは確かじゃ。我は雅人自身もっと胸を張って生きれば良いのではないか?」
確かにリリンの言う通りだろうな。私は少なからずとも小説を書いて読者が少なからずとも存在している。
何度かネットでいい評価も悪い評価も受けているが、それは私の小説を読んでもらっているからだ。
だったら自分の小説をネットを経由して応募したら言いかもしれないが、止めておこう。私にはそんな才能などない。
「どうしたのじゃお主よ。今お主の魂が燃えてまた萎えてしまった感じになったが」
「いや何でもない」
「何でもなくはないじゃろう。どんな些末なことでも構わぬ我に話して見てはいかがかな?」
私はため息混じりにリリンに今さっきひらめいた事を話した。
「名案ではないか。雅人よそのネット小説の賞とやらに試しに応募してみればどうじゃ?」
何て色々と語りあっている時にバスは来た。
私とリリンはバスに入り、停車券を取って中へと入って行った。
バスの中には私たち以外誰も中には入っていなくて適当にリリンとならんで椅子の上に腰かけた。
「雅人よ。そんな名案を思い付いたらすぐに実行じゃ。その賞に応募して賞金をもらって、もっと雅人の小説が書けるようになったら、我の魂は神もりょうがすると思うのじゃがのう」
「そんなに世の中は甘くないし下手にネットで応募したら、また連中に見つかって・・・」
リリンは私の話を遮って「大丈夫じゃ。雅人は我が守ってやる」
その大丈夫だと言うことばに何か熱い物を感じて「じゃあやって見るか」と自然と意気揚々になり胸が燃えるように熱くなった。