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死神様  作者: 柴田盟
第2章南へ。
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ミカエルの攻防

 私達は福岡に到着した。


 福岡の町並みは都会のように発展した土地柄だ。


「ここにも健康ランドはあるわ」


 靖子さんが言う。


「じゃあ、福岡の健康ランドで創作活動を行おう」


「じゃがその前に」


 リリンが言う。


「何がその前になんだ?」


「やはり山口で大人しくしていた方が良かったのかもしれぬ」


 ピカリと稲妻が激しく散ってそのものは現れた。


 髪をオールバックにして肌が赤く、白い生地のような衣を纏っている。


「リリン」


 剣になってくれとアイコンタクトをとる。


「いや、我らがまともに戦って勝てる相手ではない。

 お前様はミカエルじゃろう」


「そうだ、私がミカエルだ」


「聖なる者の魂と邪悪な魂を両立させるミカエルじゃな?」


「その通りだ」


 こいつがミカエル、さすがに大天使であり、神々しさが見受けられる。

 どうしてこんな者が世界を破滅にさせるのか分からなかった。


「お前は邪悪なるサタンを吸収して、聖なる力と邪悪な力を利用して世界を破滅させるつもりなのか?」


「その通りだ、この世の腐った人間どもに罰を与えなければならない」


「ミカエルよ。我らにはまだお前を倒す力はない。ここは素通りしてはくれぬか?

 お主は戦いの神であって、未熟な我らを相手にしたって何の特にもならぬじゃろう」


「そんな事は分かっているさ、ハナから戦いをしにきたのではない。挨拶代わりにこいつと戦ってもらう」


 ミカエルは両手を広げて「いでよブルードラゴン」するとブルーの羽の生やしたドラゴンが飛んできた。

「戦いの舞台はお前達が持っている創造主の本の中で戦ってもらう」 

 

 気がつけばそこは私が描いた物語のキーレンドの山であった。


「リリン」


 今度こそ剣になってくれとアイコンタクトを取る。


「分かっておる」


 リリンが剣になってくれて私とリリンと靖子さんとわらしで戦う。


 ブルードラゴンは吹雪を放つ。


 それを避けつつも、私と靖子さんは何か弱点はないか相手の攻撃を避けつつ狙っていた。


 ブルードラゴンはレッドドラゴンと違って、移動しながらでも凍てつく吹雪をはくことが出来る。


 何か弱点はないか?


 凍てつく吹雪をまともに食らったら私達に勝利はないだろう。


 弱点が見つからない、どうすれば良いのだ。


 そこで靖子さんが「二手に分かれましょう。私がブルードラゴンの吹雪を弓で引きつけるから、雅人さんはそこを狙って」


 靖子さんが弓矢を放ち、命中はするのだが、ホーリーアローは全く効いていない。

 だがホーリーアローは翼に刺さり、ブルードラゴンは飛べなくなっていた。


 地面に伏したブルードラゴンは私達に向かって吹雪をはく。


 靖子さんがブルードラゴンの吹雪を引きつけている。

 その間にリリンのホーリーブレードを首元に翳すしかない。


「今よ雅人さん」


 私はブルードラゴンの首元に向かってホーリーブレードを放った。


 そしてブルードラゴンの首を切り、私達の完全勝利になった。


 そこで現れたのがメモリーブラッドのメグであった。


「お疲れさまお二人とも。あなた達の物語も大変のようね。まさに現実は小説よりも奇なりって本当のようね」


「僕達を助けてくれないのか?」


「私を使うなら、その創造主の本とペンで描くことだね」


「そんな事をしたら、ミカエルの思うつぼだよ」


「そんな事にはならないわ。楽しい気持ちで描けば私をいつでも呼び寄せる事が出来る。呼び寄せれば呼び寄せるほど楽しさの魂の向上に繋がるわ」


「それを先に言ってよ、君は確か吸血鬼だよね。人の血を吸ったらその人の能力を使える最高の力を持っているじゃないか」


「でも、私はエイちゃんに約束したんだもん」


 そうであった、メモリーブラッドのメグは恋人のエイちゃんの血しか吸えなくなっている設定だった。

 でも力は半端じゃなくそのパワーはミカエルなんて敵じゃない程だ。


 そこでリリンが剣から元の姿に戻り「雅人よ、メグを使うのは危険じゃ」


「どうして?私達は楽しく作品を描いて来たじゃないか?」


「じゃあ、我々のかなわぬ敵が現れてからにしよう」


「そう来なくっちゃ」


 気がつけば福岡の町並みに私達はたたずんでいた。


 そこで靖子さんが「さて、一応戦いには勝った事だし、早速健康ランドに行きますか」


「そうだね靖子さん」


「お主達は暢気にも程があるぞ、危うくブルードラゴンに殺されるところじゃったのだぞ」


「とにかく、私達は楽しく描いて楽しく戦おうじゃないか」


「なるほどそう取れば魂を楽しく向上することが出来るか?」


 リリンは納得している。


 早速健康ランド行きのバスが到着して、私達は乗り込んだ。

 そこで私は考え事をしてしまう。

 楽しく描く事は出来るが正直楽しく戦う事は出来ない。

 戦いに楽しいなんてちょっと滑稽かもしれない。

 戦いはメモリーブラッドの内容のように悲しみしか生まない。

 でもメモリーブラッドの物語の中では戦った敵と仲良くなれるというシナリオが存在している。

 今日の敵は明日の友。

 互いの魂をぶつけ合う事でしか生まれない物だってある。


 健康ランドに到着して、私が「ここでまた私達の物語が紡がれるんだろうね」


「そうね。雅人さんの描く作品はどれも私は好きよ」


 と靖子さんに言われる。


 そんな靖子さんに照れてしまい、「そうかな?」と言う。


「あんな素晴らしい物語が描けることをもっと楽しく胸を張ってよね。じゃなかったら私のイラストはどうなっちゃうの?」


 と強く背中を叩かれ、私は少しだけ自信が持てた。


 ここ、福岡の健康ランドはカラオケの設備がされている。


 そこで靖子さんが「ねえあなた達、たまには歌でも歌わない?」と提案してきた。


「面白そうじゃのう、我はカラオケとやらは初めてだ。雅人は行ったことがあるのか?」


「何度かあるよ。とても楽しい場所だよ」


 そこでわらしが「カラオケってなあに?」


「行ってみればわらしちゃんも分かるわ。とにかく楽しくするには遊ぶことも大事よ」


 私は靖子さんに賛成。リリンも賛成。それとカラオケの意味の分からないわらしも賛成。


 カラオケ部屋に入り、私達は歌を歌った。


 まず最初に歌ったのは靖子さんでL'Arc-en-Cielのネオユニバースだ。


 私は靖子さんが歌っている歌はラルクの中で一番好きな曲だった。


 靖子さんが歌い終わって、みんなで拍手。


「次、誰が歌う?」


 私は靖子さんのマイクを受け取り、「私が歌うよ」

 曲はGLAYのとまどい。


 私は歌はうまいとか下手とか関係なく歌うのが好きだ。

 よく一人でカラオケ屋に入り歌った記憶がある。


「雅人さん上手」


「そんなにおだてないでよ。私は歌はへたくそだから」


「そんな事はないわよ」


 私が歌い終わって、次にリリンが歌う番だ。


「この機械はどうやって使うのじゃ?」


「リリンは何を歌うの?」


「そういえば岳人の歌じゃ」


「そんな歌あるかなって・・・あった」


 リリンが歌う岳人の歌って聞いたことがない。

 いったいどんな歌なのだろう?

 早速入れた。


 リリンは歌う。すごく綺麗な声で。

 リリンって私達よりも歌がうまいなんて。

 このままリリンの歌をいつまでも聞いてみたいが、曲は終わって、みんなで拍手。


「リリン歌うまいね」


「きゅんきゅんしちゃった」と靖子さん。


「そうか、それは良かった」


 リリンは照れくさそうに私達に言う。


「次はわらしちゃんね・・・何を入れる?」


「プリキュアの歌」


「わらしちゃんプリキュア大好きなの?」


「うん、あたしプリキュア大好き。特にハートキャッチプリキュアが大好き」


「プリキュアも色々あるもんね」


「えーと・・・」


 靖子さんは機械でわらしのリクエストでハートキャッチプリキュアの曲を入れた。


 早速歌が始まって、歌い出すわらし。

 音程もバラバラだけど、これはこれで上手な気がした。

 何か私達は健康ランドのカラオケで歌う家族のような気がした。


 カラオケも歌い終わって、わらしはもう少し歌いたいと言っていたが、これから大事な創作活動をしなければいけないとわらしをなだめた。


 わらしはいい子だからすぐに分かってくれたと靖子さんはわらしを肩車をした。


 男性部屋の寝室でリリンが私が楽しく描くメモリーブラッドの第三巻をそろそろ仕上げようと、互いに魂の向上をした。


「よし、やっと三巻が仕上がった」


「もうそこまで仕上がったのか?」


「うん。早速この文章を前原さんのメールに添付して送ろうと思う」


「その小さな板で電話はおろかそんな事まで出来るのか?」


「リリンはスマホを知らないの?」


「靖子が地図代わりにしていたこの板のような物はお主等とあって知ったのじゃ。

 それまでは我は青木が原樹海でお主のような者に人間として生まれて良かったと魂の成就をしていた」


「リリンはマザーテレサみたいな人だね。

 マザーテレサは言ったよ、愛の反対は・・・」


「無関心じゃろう」


「その通り、愛の反対は無関心。私はリリンに出会うまで無関心だった。だからあんな目に遭ったんだろうな?」


「お主は無関心じゃない、でなければ、このような小説など書けはしない。

 それにお主の小説を読んで希望を持てる人間までおる。そんな事が出来るお主は無関心ではない」


「そう言ってくれると嬉しいよ」


「今日の創作活動はこれぐらいにしておけ。明日も早いのじゃろう。朝風呂浴びていくから、お主もつき合え」


「はいはい、分かりましたよリリン様」


「リリンでよい」


「さあ、寝よう」





 ******   ******





「いつまで寝ておるのじゃこの戯け!」


 リリンにたたき起こされてしまった。


「どうしたんだよリリン」


「どうしたもこうしたもあるか!共に風呂に入る約束をしたじゃろう」


「そうだったね」


 私はゆっくりと起きて大きなあくびをした。


 そして約束通り、一緒にお風呂に入ることにした。


「雅人よ、罰として我の髪を綺麗にするのじゃ」


 リリンの髪はとてもさらさらしていて、これは丁寧に洗ってあげないと痛んでしまうので、ゆっくりと丁寧に洗ってあげた。


「雅人よ。良い心がけじゃ、我の髪はすぐに痛む傾向があるから、丁寧に洗うのじゃぞ」


 何か命令されているようで少しムカついたが、これがリリンなんだよな。

 外見的には小さな子供だけど、五百年の時を経て、今までマザーテレサのように人々に愛を捧げて来たんだろう。


「分かりましたよ、リリン」


「敬語じゃなくても良いぞ、我も神でお主も神なのじゃから」


 リリンはちょっと傲慢だけど、みなに平等に私や靖子さんやわらしに平等に愛を捧げる天使みたいだ者だ。

 でもリリンは死神何だよな。


 天使と言えばあのミカエルって言う大天使はこの世の者達を抹殺すると言っている。

 それが奴の正義なのか?

 でも人間は愚かと言えば愚かなのかもしれない。

 私は昔学校でいじめに遭っていた。

 人を平気で欺き、平気で人をいたぶる。

 その時の奴らの顔を想像すると、憤りがわいてくる。

 

 そんな事を思っていると「どうした雅人、魂が泣いておるぞ」


 ダメだなあ、リリンに気を使わせては、私もまだまだ未熟なのかもしれない。

 そうだ。人間は未熟な生き物だ。

 だから私がいてリリンがいて靖子さんやわらしが入るのだ。

 私達は一人かけてもいけない。

 私達は家族であり、みなソウルメイトなのだ。


 そんな風に考えていると「雅人よ、お主が我に気を使われるのを悟ったみたいじゃな」


「そうだね」


 と二人で笑ってしまった。


 リリンの髪を洗い終え、ついでに背中も洗ってあげた。


 そして交代になり、今度はリリンが私の髪の毛を洗い流す。

 リリンはいつも綺麗に自分の髪を整えて入るせいかすごく丁寧に私の髪を洗ってくれる。


「リリンは将来美容師さんになったら良いんじゃないか?」


「我は死神じゃ、そんな人間の芸当など真似できぬ」


 背中も洗い終わって、後は自分の体を洗って温泉に入った。


「温泉は良いのう」


 リリンがしみじみに言う。


「健康ランドのお湯は源泉が入っているから、出たら、何か調子が良くなるよ」


「そろそろ出るか」


「そうだね」


 そういってリリンはパンツをはいて、白い純白のワンピースを着た。


「やっぱり、リリンは純白のワンピースが似合っているよ」


「そうか?」


「じゃあ、福岡に出る前に、どこかスーパーで売っている服を買ってあげようか?」


「でも、靖子はケチじゃからのう」


「私がその点は説得するから」


「そうかそれはありがたい」


 私はリリンと靖子さんとわらしにかわいい服を着てもらいたい。


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