活動日誌
はいこんにちは。アキラ君の死は私にもかなりWHITEダメージが入りました。そろそろこのロボトミーでの話もひと段落しそうな感じです。
あとは忘れてはいけないのは、どんなに物語があっても結局はプレイヤーに消費されるだけの存在だったということ。きっとロボトミーを知っている人なら、やったことがある人なら、思うところがあるのではと思います。
『やぁケイト。明日から君はこの施設の管理人になってもらう。』
「はい。」
―――ここを地獄とみるか天国とみるかは君が決めることだ。
日誌:1日目
今日からここの管理人。不安でしかない。なんでも前任の人はいろいろヘマをして職員からの信用を失ってたみたいじゃないか。しかも私より年上の人が多いし緊張してしまうね。
とはいうものの職員はみんないい人だった。あと安全第一でって言ったら安心したような表情を見せる人すらいた。前任はいったい何をやらかしたんだ。
まだ私の管轄は一つの部署のみだが、そのうち他の部署もまとめてみていくことになるらしい。それまではAIが管轄するんだとか。管理人がAIじゃダメなんですかね。
日誌:30日目
今日でこの施設に来て1か月がたった。多くの人が死んでいる。毎日だ。今日も死んでいる。でも毎日人員は補充される。不思議だがまぁ気にしてもしょうがない。
いや、気にしてしまうよ。昨日まで話していた人が今日は死んでるって。これならAIが管理人をやった方が向いているんじゃないかな。
それはそうと、最近不思議なことに気が付いた。いや、以前からあったことだが、何か時折だけど時間の進みが遅くなる時がある気がする。というか時間止まってないか?職員に指示を出すときとかたまに時間の進みが遅く感じることがある。3人にそれぞれ指示を出してるのに時計を見たら1秒しかたってないとかね。不思議体験過ぎる。これも会社の秘密だろうか?
日誌:92日目
今日は研修を終えた同期のエージェントが担当を持った。まぁそれまでに大半は死んだけど。
あと色んな部署を任されるようになった。それぞれにAIがいるようだがみんな会話ができるAIでよかった。というか私よりも疲弊したAIがいたぞ。心を持つには感情に耐えるだけの強度も必要ってことか。
日誌:365日目
今日は私や同期の入社1年ということで職員からお祝いをしてもらった。この1年で結構職員とも仲良くなれた気がする。明日死ぬかもしれないけど、今は生きてるんだ。しっかりしないとね。
あと職員のトーマスと特に仲良くなった。休憩時間とか業務終了後とかたまにボードゲームをしている。施設のことや前任のことなども沢山教えてもらった。前任の管理人は職員を物としか見ていなかったみたいだった。事務員を"肉壁"といったり、新人に明らかにヤバい作業をさせたりでひどいものだったと。反面教師過ぎる。
日誌:611日目
アブノーマリティの扱い方が分かってからは犠牲もだいぶ減った気がするが、まだ脱走時に誰か死ぬ。鳥が厄介だ。というか収容するアブノーマリティも結構増えてきたな。同時に管理するなんて普通は無理なんだろうけど、指示を出すとき私の時間は止まるから特に問題はない。この現象にも慣れてきた。そして時間が止まるのが指示を出すときに限らないことも。それと職員にもこの現象に気が付いている者がいるみたいだ。トーマスもその1人。
今日の業務終了後にトーマスに"たまに時間が止まる感覚がある"といわれた。しかも鎮圧とかで特に"指示を受けると体が勝手に動く気がする"とも。私にも経験がある。新しいアブノーマリティの世話をまず新人にやらせたりすることがある。終わってから何が起きたのかを理解する。正直恐ろしい。
日誌:706日目
今日はルーレットが回った。資料で読んだことはあったが、実際に経験するのは初めてだ。それと新人の子の1人がルーレットの意味とその後を知ってしまったようだ。会社はこういうところ適当すぎる。
もうあのルーレットは回してはいけない。もう二度と回してはいけない。
日誌:1020日目
この日誌もだいぶ重みをもってきたな。最近ようやく"時間が止まる"ことについての手掛かりがそろってきた。まず職員も認識している場合があることと自分自身も認識していることは以前からあったことだが、最近入ってきたアブノーマリティの作業記録にこの現象に酷似したことが書いてあった。つまりこの現象は私から始まったことではなく昔からあったことってことになる。沈黙とは何のことかなんて考えなくてもわかる。しかも時計の裏に書いたあった言葉はどうしても私たちに対して言っているようには思えない。これは調べなければならない。
日誌:2467日目
最近疲れがひどい。残業をするとたまにアブノーマリティ以外の存在が出てくるしここはまだまだ謎すぎる。しかし私はまず時間停止の現象を解決させなければならない。今日分かったことがある。これは私以外に、職員に指示を出せる存在がいるということ。そしてそれは私を通してということ。これもアブノーマリティの仕業だろうか?とも考えたが、そんなことができるならこの会社が放っておくわけがない。だって時間を止められるんだからね。
聞くところによると前任の管理人は最初の印象はよかったそうだ。それなのにアブノーマリティを試すようなことをして、施設が壊滅寸前になりAIと職員で対応し新しく私が来た。そしてあのルーレット。あれにはこの会社に都合の悪い者の名前が記される。が、私の名前はなかった。それなのに前々任の管理人はそのルーレットで選ばれたそうだ。ありえない。ゲームだったらバグそのもの。でも実際に起きているし、これはその人がこの現象に抗った結果ともとれる。私もやってやる。自由を手に入れみんなと安全な会社にするんだ。
それと明日は[削除済]の件でルーレットの真相を知ってしまった子が入社して5年になる。先日審判鳥に包帯の目隠しを貰ったからこれを彼にプレゼントしよう。あの件以来元気がなくなってしまったが喜んでくれるだろうか。
日誌:2468日目
今日は職員がパニックを起こしその流れで他の職員も沢山死んでしまった。今日5年目になった子も死んだ。というか私が殺した。なぜだ。確かに彼は発狂していたし、私自身殺されるとわかって説得に必死だったが、私の体は銃を持って彼の後ろに回り込んでいた。引き金を引くのが嫌で涙も沢山出た。...涙なんてもう枯れたと思ったのにね。こんなの耐え切れない。あぁ、彼には鎮圧を沢山任せてきたんだ。きっと彼もこんな気持ちだったんだね。もっとみんなの気持ちを考えておけばよかった。
でもこんなのはもう終わりだ。色んなエージェントが発狂してきたがこれでわかったのは、発狂すれば指示が意味をなさなくなるということ。もし私でない別の存在が私の体を使っているなら私が発狂すればその糸も切れるはず。私のメンタルももう限界だ。きっと近いうちに発狂する。
「こんなのもう終わりだ。」
日誌というより手書きの日記をイメージしています。
削除漏れが一部ありますが、これはケイトのミスかわざとか。単に面倒だったということも?
ケイトが途中"時間が止まる"現象についての参考としたアブノーマリティ
・沈黙の対価
黒い街灯に似た、柱の中央に緑の時計がついたアブノーマリティ。
プレーヤーが一時停止をした場合、再開時には鐘の音が鳴りそして職員がランダムに一人死亡します。
また、13回目の一時停止をすると鐘の音が13回鳴り、立て続けに13人の職員が死にます。
"包帯の目隠し"をくれたアブノーマリティ
・審判鳥
高身長で異常なほど長く痩せこけており、球状の体は黒い羽根に覆われています。
頭部は包帯状の物で覆われており、その側面から先端の赤い2つの小さな羽が付いています。
首に黄金の天秤をぶら下げていますが、常に傾いています。
審判鳥の攻撃でHPが0になると絞首刑にされ死にます。




