~第十三節 設定集~
作中登場人物・登場物の紹介
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藤咲 勇
本作の主人公。
渋谷にて「世界規模の地理変容事件」に巻き込まれ、別世界の人間である剣聖に出会った事をきっかけに戦いへと身を投じる事になる。
あらゆる戦いを経て魔剣使いとして成長し、仲間に支えられて人としても成長し、敵であった魔者との絆が彼の信念を成長させた。
親友の死、友人の死、仲間の死、強敵の死……様々な負の感情を小さな体と心が受け続けてもなお彼は自分が抱く信念を貫く。
それはただ、自分が信じ、想い、繋いだ絆を守る為……。
彼は戦い続ける……その先にある守るべき未来を信じて。
彼は貫く……一人の青い瞳の少女が信じた、己に宿る澄んだ心に従うままに。
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田中 茶奈
本作のヒロイン。
勇同様渋谷にて「世界規模の地理変容事件」に巻き込まれ、勇と剣聖に出会う事で己の運命を大きく変えた少女。
勇に導かれその背中を守り続けた彼女の意思は今なお強く彼の背中を押し続ける。
不幸な境遇から生まれた彼女の存在は、魔剣使いとなった不幸すら跳ねのけるほどに幸せな毎日を過ごす事が出来ていた。
だからこそ、そんな毎日を無くさぬ様、彼女は抗い続ける。
生き続けてきた己の運命と、そしてこれからの運命に。
ちっぽけな思いから生まれた大きな願いは多くの人へ示し、そしてこれからも……彼女は自分であり続けたいと願う。
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園部 心輝
勇の親友で今は彼の仲間の一人として魔剣使いとなった。
ムードメーカーでありムードブレイカーでもある彼の行動に勇は色々と困らされたりなどもあった。
しかし彼のその根底には勇や他の友人達の為に自分が出来る事が何なのかを自分なりに考えた故の結果である。
友達思いの彼は勇とちゃなの戦いを見守るだけでなく、その背中を守る為に魔剣を手に取り戦士として彼等と共に歩むことを決めた。
園部 亜月
心輝の妹で勇を守りたいという欲求の為だけに魔剣使いとなった。
いつも不可解な言動で周囲を惑わす彼女ではあるが、それで元気をもらう事も無いわけではない。
勇への愛故か、それとも周りへの想い故か……彼女の行動は収まる事を知らない……しかしその行動は思いの強さの表れともいえるだろう。
彼女の持つポテンシャルもまた……その思い故か……。
相沢 瀬玲
勇の親友で彼等や心輝達を守る為に魔剣使いとなった。
人を思う心が人一倍強い彼女だからこそ、本来戦うべき人ではない……だがそれでも彼女が戦う事を望んだのは単に自分の友を失いたく無いが為。
その想いは勇の持つ想いに非常に似たものである。
だがあえて言うなら彼女のその想いは慈愛であり、人を想い願う心そのものが力となる。
それ故に彼女の道は険しく厳しい……だがそれを諦めず突き進み続ける。
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剣聖(あるいはソードマスターetc...)
『あちら側』の世界において魔剣使い最強と謡われる三剣魔の一人にして頂点の男。その底力は計り知れず、今だその片鱗程度しか見せていない。
勇達を導き、時には立ち塞がり、そして心強い仲間となり……彼等の戦いに大きく関わってきた。
彼の目的の全容……何故彼は今なお力を求め齢320前後となりながらもその生の輪廻から大きく外れながらも戦い続けるのか……。
彼の名前を含め、彼の事を多く知る者は今だ勇達の中にはまだいない……いつか日が訪れる時……その真実は明らかになるだろう。
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レンネィ
元フェノーダラ付きの魔剣使いにして正式に日本政府と契約を結び、勇達に続いて特事部の戦闘隊員 兼 情報提供者として勇達の仲間となった。
その戦闘能力は高いとされるが、現在の所彼女の戦闘を共に行った事は無く……今後の彼女の活躍を期待するしかない。
妖艶な容姿と勇達を翻弄するかの様な物腰が彼等男衆を魅了し目を惹く……その眼の奥に秘める静かな真意は如何に……。
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アージ&マヴォ
白の兄弟を名乗り、『あちら側』にて旅をしながら魔剣使いを狩る事を生業とした魔者の兄弟。
昔、一族を魔剣使いに滅ぼされて以来彼らは人間だけではなく魔者の魔剣使いをも標的としてその旅を続けていた。
全ては平穏の為……彼等の目的と勇の目的が一致した時、敵であった彼等はこれ以上の無い良き仲間となった。
後続である心輝達の戦いを支える師としての役割も果たし、彼等の存在感はこれからも勇達の進む道を手助けする事になるだろう。
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福留 晴樹
防衛庁特殊事案対策部部長として国土変容問題や魔者問題に対して全権を任されている。勇達と知り合ってから彼らを影でサポートし続けてきた。
今年で69歳ともあるが、本人が口にするほど衰えてはおらず日本のみならず世界を飛び回り諸問題だけではなくあらゆる指導を行っている。
勇達との信頼は厚く、この手のサポートが有るからこそ勇達は戦えるのである。
しかしその心は今だ、若者である勇達が戦う事を良しと思わず……その心は世界を担う若者が戦う事を望まないが為。
願わくば彼の思う様な世であって欲しい……そう願わずにはいられない。
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御味 泰介
福留が所属する防衛庁特殊事案対策部の一員で福留の教え子でもある男。関西方面にて勇達をサポートし、アルライ族の担当も行っている。
誠実な青年が故に、少年である勇達の戦闘を行う事を福留同様良しとは思っていない。そこは福留とも共有している意思である。
しかしその心はそうであっても戦う少年達の心に打たれ、自分の出来うる事をして見せようと……福留程では無いが日夜活動を続けている。
家族や仲間、そして勇達が安心して生活できる世界を作る為に、今日も彼は自分の戦場を駆け巡る。
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ジョゾウ
カラクラ族の里一の戦士として王である獅堂を守る為に命を懸けて使命を果たそうとする魔者。
以前勇達と共にフェノーダラを守る為に力を貸したともあり、勇と熱い情を交わし別れた。しかし再び出会った時、彼等は敵となって相まみえる。
だが一度交わした情が途切れる事も無く、勇を獅堂の元へ送り出した。その後ひょんな事から獅堂の悪巧みを知った彼は激昂し打倒獅堂に燃える。
その眼差しにもはや迷いは無く、勇達や己の里に害を成す獅堂へ向けてその足を一歩一歩踏みしめていった。全ては彼等が望む泰平の為に……。
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獅堂 雄英
勇達と同時期に別の場所で魔剣使いとなり、彼等の知らぬ場所で行動していた男。福留とも面識があり、知り合いの様相を見せた。
表向きは獅堂財閥の御曹司の一人として社会を回す一人の若社長であり、その手腕もまた優れた物であった。
しかしその裏側を覗けば計算高い策略で勇達を惑わし、自分の目的の為に手段を選ばない。
彼の手により操られる『ベリュム』という魔剣から放たれた光によりフェノーダラは壊滅し、勇の目の前でエウリィの命を奪った。
そして次に『ラパヨチャの笛』という心を書き換える魔剣を使用し、カラクラの里の者達だけでなく、ちゃな、剣聖、レンネィ、アージを操り勇を翻弄した。
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謎の女性
ブロンドの長髪を持ち、豊満なボディとそれを包み隠さない軽装を有する女性。
なぜ彼女がカラクラの里にいたのかは不明。
命力の扱いに長けており、『ラパヨチャの笛』によって心を操作された者を治す事が出来た。
彼女はどうにも剣聖の事を知っている様な体で話すが詳細は不明。
いつか彼女の事を知る時が来るだろう。
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クゥファーライデ
カプロが作り出した第2の正式魔剣。全身が銀色に輝き、錫杖大の大きさで収納性も高く持ち運びが容易。先端に大きな命力珠、柄と柄先の飾りの間に2個の命力珠が付いている。
ギミックが二つ程有り、一つは命力が籠ると柄底部に収納された収納部が外へ出て柄が伸びる。こうすることで両手でも構える事が出来るようになる。
もう一つは命力珠が2個ついている部分がアタッチメント方式となっている事。これは命力珠を付ける部品ごと交換する事で交換・増設が容易になっている。
茶奈の大きすぎる命力を支える為に複数の命力珠を使う事でその力を抵抗なく使用する事が可能になっている。
これにより茶奈が命力を使う際の制約が一切取り払われ、アストラルエネマとしての力を思う存分使うことが出来るようになった。
またドゥルムエーヴェとクロッシングさせる事でその力を更に高め、想像を超えた力を発揮できる様にもなり、彼女はこれによって勇達の中で不動のナンバーワン魔剣使いへと輝く事になる。
ちなみにまだ改善の余地はある様で、カプロにとってはこの魔剣の完全なる完成が今の目標ともなっている。いわば今のクゥファーライデは試験運用仕様。主材料は銀と白金と鉄。
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ベリュム
フェノーダラを焼き、エウリィの命を奪った忌むべき魔剣。本体は地球の衛星軌道上に配置しており発見も困難でなおかつ破壊も困難を極める。
触媒を通して命力を集め、長期間を置いて発せられるその光は国そのものすら焼く。無慈悲故に恐れられ闇に葬られた筈の魔剣。
かつてとある国の王が所持し、周辺諸国に恐れられそして彼等に滅ぼされた。その際に触媒は破壊され永遠に動かないものと思われていたが何故か獅堂の手に。
その力は光を放つだけではなく、空からの目として触媒を通して所持者へとその目に映した風景を見せることが出来る。いわば衛星カメラである。
獅堂はこの力を使い勇達の行動を見張り、あらゆる情報を調べてきた。決戦の折、茶奈の光の槍により完全に破壊されこの世から消滅する。
ちなみに正式名称は『ベリュムの白い断罪』。
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ラパヨチャの笛
人の心の記憶や感覚を書き換える事が出来る魔剣。これによって心を書き換えると、本来は書き換えた本人が意思を以って解除するか魔剣を破壊しないと治らない。
使用方法は大きく分けて二つ。一つ目は魔剣から発せられる音を聞かせてその音が聞こえる範囲の人間に一律同じような心の書き換えを行う方法。
もう一つは魔剣の効果範囲内にいる者へ命力の風を送り込み心の書き換えを行う方法。ただし2個目の方法は笛の音が聞こえる範囲では行えない模様。
これを使い分ける事で多数の人間を一度に書き換えたり、個々の人間を書き換える等、様々な形で人の心を思うがままに、タイミングを自由に書き換えが出来る。
ただし欠点を挙げると、効力が掛かった人間に音色を聞かせると強制解除されてしまう所。それ故に決戦の最中において獅堂は笛を吹くことが出来なかった。
もしも吹いた場合……自分の目の前にいる者達が正気を取り戻し瞬殺されかねないからだ。そういった意味では使い難さがにじみ出る魔剣であると言える。
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