表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時き継幻想フララジカ 第一部 『界逅編』  作者: ひなうさ
第十二節 「折れた翼 友の想い 希望の片翼」
404/426

~第十二節 設定集~

作中登場人物・登場物の紹介


---------------------------------


ナイーヴァ族

アゾーネ付近および各地域にて大海を回遊して旅する種族。水陸両適応の肉体が特徴的。海中・海上は元より、陸地でも力を十二分に発揮する事が出来る。

ヒレと艶やかな青い皮膚を有する半魚人風の体付きだが、頭部の造形は人間に近い。ただし耳が魔物らしく長く、かつヒレとなっている。また顎骨裏にエラがあり、そこで水中での呼吸も可能。全身のヒレを動かす事で高速遊泳が可能となっている。

種族にもよるが、男性型は全体的に2m級の高身長を誇り、逆に女性型になると途端に小柄化する。その生態としては卵生ではないので、カテゴリ的には哺乳類となる様だ。となると性質は魚よりシャチやイルカなどに近いかもしれない。青魚似だけど。

主に槍を主流とした武術を得意とし、集団戦闘に長けている。しかしその本質は一対一を重んじる武人の様な性格の持ち主が多い。騎士道に近い信念を有しているからだろう。故に彼等にとって決闘とは誇りを賭けた戦いであり、その価値観は現代にも通じる。そして例え他種族相手だろうとそのスタンスを崩す事は無い。勝者には最大の敬意を払い、命を賭ける事も厭わないという。

ただその一方で小柄な女性を主と立てる女王制度を用いており、文明的な一面も持ち合わせている。今まで出会った魔者の中でずっと現代人に近い考え方を持っていると言えるだろう。


外海にて転移後に英霊の祠へと避難したが、そこで祠を荒らされていた事に気付き、アゾーネの仕業と知って戦いを仕掛けた。

祠はアゾーネとの和平の証であり、彼等の英霊や決闘で命を失った者達を奉っていたらしい。その為、遺物である魔剣なども奉納されていたのだが。アゾーネの賊がそれを狙って荒らし、今回の騒動へと発展する事に。そこで勇達と戦うも、激戦の末に敗れて光に消える。しかし彼等は最後の最後まで勇を讃え、誇りを忘れなかった。


---------------------------------


サヴィディアとアーラトマ=カノトフ


ナイーヴァ族を率いる夫婦首長。身長はサヴィディアが246cmでアーラトマが156cm。

片や伝説の魔剣を扱う種族一の戦士であり、もう片方は慈悲深き女王。その在り方故に部下からも深く支持されており、彼等の庇護の下で長い繁栄が行われていた。詳細は種族の項目を参照の事。


サヴィディアは槍術を得意とし、柔剛両立の攻撃を可能に。それ能力故にマヴォを追い詰め、勇をも翻弄した。最大攻撃射程は4mと長く、その意外性を利用した猛攻で今まで多くの敵を葬って来たのだろう。

所持する魔剣は銀槍【クァファルシェ】。かの【古代三十種】の一つとされた逸品。ナイーヴァの至宝であり、種族を長らく守って来たとされる。まさに抑止力に相応しい力と言えるだろう。

魔剣固有の特殊能力として【魔剣軽量化】と【命力充填】という力が備わっている。より速く武具を奮う力と、それを振り回す事で一撃必殺の技を繰り出す命力を溜め込めるというもの。当人の強化は一切無いが、実力が伴えばその分だけ恩恵が大きくなる。使い手の実力が命とも言うべき魔剣だ。

なおそんな魔剣を駆使して繰り出す技は以下の通り。

千槌一巳(カム・ペデュラ)

豪雨の如き乱れ突き。基本はこれだけで敵を葬れる。これを抜けたのは勇のみ。

流渦断禍(オル・マィツォー)

近接用の旋風回転撃。その得物の長さと速度故に、回避は非常に困難とされる。

裂海閃波(イル・クァーシャ)

一撃必殺の一閃突。理論上、威力は【大地の楔】の【天光杭】よりも上。


アーラトマは戦いなど出来ない温和な女王。ただし誇りと掟を守る気概は誰よりも強く、自害する事さえ厭わない。それだけサヴィディアを愛し、共に生きていく事を誓い合っていた。

本来魔者には苗字やセカンドネームといった物は付かない。しかし彼女の様な特殊的存在は別で、カノトフという名はいわゆる『王族の』というニュアンスが籠められている。その為、この名だけを相手に伝える事もある。相手の位によってその程度を決めるらしい。

なおとても小柄だが、実はサヴィディアより僅かに年上。また既にそれなりの子供も幾人かおり、現在は転移の所為で離れ離れという。ただしこの種族なだけあって心配はしていなかった模様。強く生きられる者が一族を担うというスタンスは子供であろうと揺るがない。実は結構なスパルタママさんだった。


---------------------------------


アルライ魔剣修復師の修復工程

作業工程

①修復したい魔剣を命の水に浸す。

 →命の水とは只の水に命力珠を浸す事で出来上がる生命維持装置の事。

②魔剣を命の水に浸したまま命力珠を取り外す。

 →この水に浸した魔剣は命力珠を取り除いた後も生きられる。

③魔剣へ新しい命力珠を埋め込む。

 →性能は魔剣に依存する為、命力珠が変わっても仕様はそのまま。

  ここまでを【転命工程】と呼ぶ。

④魔剣本体部の修復を行う。

 →この点は通常の鍛冶となんら変わらない。

  なお、大地の楔はここで死んだ。

⑤装飾部の再現を行う。

 →装飾にも意味はある。ちゃんと修復しないと上手く力が働かない事も。

  装飾が多い場合④と⑤は前後に行き交う場合がある。

  ここまでを【複魔工程】と呼ぶ。

⑥再び魔剣を命の水に浸し、命力を込めて魔剣を復旧させる。

  →魔剣に本格的な電源を入れる作業。理屈は更新後のPC再起動と同じ。

⑦出来上がり

  →完成度は修復師の腕次第。しかし必ず成功するとも限らない。


---------------------------------


モンズ

魔者の使う長径単位。1モンズがおおよそφ1.254。主に命力珠のサイズに使われる事が多い。

ちなみにエブレの命力珠は6モンズ、アメロプテは5モンズ×3、ドゥルムエーヴェは21モンズ。


---------------------------------


命力珠

魔剣の源であり、命を司る部分。大きさによって命力の溜め込める容量や出力が変わる。ただし適正サイズが存在し、魔剣の性能に合った大きさを選ばなければ力を発揮出来ない。そのサイズを見定める基準などは製造者の技術次第であり、理屈は今の所不明。

なお一般的な魔剣に使われる命力珠は基本的に5~25モンズが妥当とされている。それは命力珠には手に取った者の命力を吸い取る特性を持っており、25モンズまでであれば通常生活において誰でも支障無く命力を供給する事が出来るから。しかしその境目で性質が大きく変化し、所持者に著しい悪影響をもたらす事に。最悪の場合は死に至らしめる事さえあるという。

26モンズ以上の命力珠であれば、手練れでもその吸収量を前に膝を突く。

30モンズになれば気絶に至る事がある。

40モンズにもなれば致死量まで命力を吸い取られる。

50モンズになると触れただけで気絶あるいは仮死状態に、6秒以上触れるとよほどの事が無い限り死亡する。


吸収量には個人差があり、才能が有る者ほど吸収量が増える。消耗のリスクは高くなるが、その分効率も高くなるという訳である。これが魔剣使いの世界において才能を重要視する理由と言えるだろう。


ちなみに特殊な技法で作られており、元は只の砂。完成すれば宝石の様に美しいが、力を失うと黒く染まって元の砂へと還る。とてもエコである。こんな汎用的な性質もあって、命力を溜め込む性質を利用した蛍光灯代わりに使われる事も多い。フェノーダラ王国などでもこれらの珠があったので明かりには困らなかったという訳だ。


---------------------------------


50モンズ最大級の命力珠

オブジェとして一個だけ工房に置いてあった命力珠。誰も触れないので埃を被っていた。ちょっとだけ触ってしまったカプロが気絶に陥り、それ以降バノが掃除禁止令を発令してしまうくらいの危険物。どうやって作ったのかは定かではない。


触るだけで死ぬなら〝これを直接ぶつければいいじゃない〟なんて思うかもしれないが、それは根本的に不可能だ。何故なら、これを充てる為に相手の懐へ飛び込まなければならないから。

更には命力珠自体が脆く、反撃でも貰おうならすぐさま砕け散る。おまけに簡単と造る事も出来ないので替えも利かない。

ならばと、この特性を持った魔剣を造ろうとしてもダメだ。魔剣になると途端に矛先が所持者に固定されてしまうので他者の命力を吸わなくなってしまう。かといって命力を与えなければ脆くなってしまう。なら普通に使って能力を爆上げした方が断然勝率が上がるという訳だ。


そもそも勇はそんな殺し方を望んでいないのでコンセプトとしては即座に拒否した模様。(アイディアとしてはあったらしい)


---------------------------------


翠星剣すいせいけん

カプロが勇の為に造り上げた勇専用魔剣。コンセプトは〝最大級の命力珠を有する地上最強の魔剣〟。その目標に恥じぬ強力な性能を有し、命力の少ない勇でもちゃなに匹敵する程の恐るべき破壊力を発揮する事が出来た。グゥの日誌とカプロの知恵、そしてそれらを繋げた勇の心が産んだ絆の証と言えるだろう。またアルライ族の覚悟と決意、誓いを受けて生まれたからこそ、この魔剣はこの先の未来を象徴しているとも言えるかもしれない。


剣のサイズはロングソード級。刀身が約100cm、鍔部が15cm、柄が35cmで両手持ちにも対応。刃部は『あちら側』特有の翡翠色鉄鋼【ゴルリオヌ鋼】で打たれ、その刀身を現代製の軟鉄で構築。装飾部に純金と黄銅を用い、命力珠付近には白金も少量使用している。鍔と柄部は鋼鉄で出来ていて強度は申し分無し。命力無しでも剣として使用出来る程の仕上がりとなっている。


最大の特徴はやはり最大級50モンズの命力珠を備えられる事。アタッチメント格子を備えた命力珠を鍔部の穴に装填する事でその力を最大限に発揮する事が出来る。なおアタッチメント構造が共通なら命力珠サイズは問わない模様。最大サイズに合わせた設計なのでサイズ相性は関係無いらしい。

命力珠装填システムは勇の生活を鑑みた末に生まれた。通常生活時は珠だけで、戦いの時に装填する事で無駄な消耗を抑える。こうする事で所持者の命力成長も促せるし、溜める事も容易になる。まさしく勇の為の特殊機構と言えるだろう。こうなるとアタッチメント格子が一種の魔剣というのも否めない。

本体命力珠を装填するまで、本体には小さな命力珠が鍔下部の表に現れている。しかしいざ本体が嵌め込まれると、たちまち吸引機構によって内部に吸い込まれる事に。こうして主・副を切り替えする事で魔剣の命を維持しているという訳である。

これら機構は日誌には一切それらの工夫は載っておらず、全てカプロ本人が考え出した物。それを構築し、形にしたのはまさしく天才の所業と言えよう。本人曰く〝後にも類を見ないであろう最高傑作〟とのこと。能力自体は単純だが、それ故の強力無比さを誇る唯一無二の魔剣である。


この魔剣の力を使う事で放てる必殺技【片翼の光壁(ライジングウォール)】は、ありとあらゆる物質を断ち切れる程の出力を誇る。相応の対命力を誇らない限り抗うさえ不可能。その射程はおおよそ最大60mと驚異の長射程を誇り、しかも発動速度は勇の斬速次第という。なのでほぼほぼ回避不可能の一撃必殺技と言っても過言ではない。よって理論上、開幕から撃つ事で即決着というデリカシーの欠片も無い行為さえ簡単に叶ってしまう。ただし一発で命力珠のエネルギーを9割近く消耗するので絶対に一発までしか撃てない。ロマンを取るか、堅実を取るか、その時の勇の気分次第となる。


なお【ゴルリオヌ鋼】は現代の焼鈍処理クロムモリブデン鋼に類似する性質を誇り、命力をとても流し易いという特性も持つ。他の魔剣にもこの素材はよく使われるそう。ただし魔剣製造技術が失われた現状では既に素材加工さえ困難で、使い道も少なく、おまけに採掘されるという機会さえ無くなっているので幻の素材とも言われている。ただしちゃんと掘れば普通に在る模様。争いの世界はそんな素材を得るにも一苦労だという訳だ。

挿絵(By みてみん)


---------------------------------


マヴォの【(ドゥル)(オッヴァ)

マヴォが誇る必殺技の一つで、輪刃状の回転光を飛ばすというもの。軽い追跡機能が有り、高速で浮遊追尾しながら敵を切り裂く事が出来る。その切断力はかなり高めで、普通の魔剣使い程度なら魔剣ごと断ち切る事が可能。例え躱されても問題無し、数分は維持出来るのでその間に数も増やして手数倍増に。これを躱すのは余程の強者でないと叶わない。実は結構恐ろしい技なのである。


しかし今回は相手が悪く、初出ながら破られる事に。

他にも技はあるらしいが、それは今後の物語に期待しよう。


なおアージにも【地裂剛斬(ラウンダーエッジ)】という技があったが、こちらは正式な技ではない。そもそもアージはそういった派手さを嫌うので、基本的に技らしい技は無いとされる。


---------------------------------


殴る者 叩く者 射る者

拳甲型、双棍型、短弓型の魔剣の名称。心輝達用に造られたカプロお手製の試作魔剣。それぞれがエブレを基にして造り上げられたもの。なので基本能力はエブレと同等。ただし実験の意味も兼ね、それぞれ仕様が異なっている。


拳甲型はメリケンサックの様な物。インパクト時に命力が弾ける様に設計。また備えると瞬発力と慣性作用力が向上し、通常時より速く動く事が出来る。


双棍型は二対一体の魔剣として実験的に造られた物。タイミングよく叩く事で威力を跳ね上げる事が可能。ただしそのタイミングはシビアであり、早々上手くは行かない。


短弓型はその名の通り遠距離攻撃用。威力に関してはあまり拘っていない。ただし単純な攻撃の為、最もコントロールし易い仕上がりとなった。射出速度にも優れ、命中精度も上々。


なおこのネーミングはカプロ的にカッコイイと思った物。彼等からしてみれば日本語の響きは独特であり、特別性を感じさせるのだとか。(日本人が英語をカッコイイと思うのと同じ理由だと思えばいい) とはいえ、これらの名にはそれぞれ『ボウゼ』『ドトゥング』『ニッシャ』という『あちら側』の名も冠している。ただしこれらの名称は翻訳能力で全部題名通りの名になってしまうので、伝わらないのは言わずもがな。こちらはこちらでカッコイイのでとても惜しい。


---------------------------------


アゾーネ

人間が住む砦。遥か昔よりナイーヴァ族との盟約を交わした事で比較的温和に過ごす事が出来た街である。ただしその盟約に則り、今まで他の人間や魔者と拘らずに頑なと閉鎖的だった。

基本は農業と水産業で成り立っており、文化的製造などは行っていない。島として現れたが元は陸続きだったらしく、その痕跡とも言える崖はナイフで切られたバターの様に滑らかだった。


街の者達は殆どがナイーヴァ族との盟約を必死に守って来たのだが、転移後に一部が反発。それに乗じて強硬派が盟約を破って祠を漁り、その所為でナイーヴァ族達の怒りを買って今回の騒動へと発展した。直後、首謀者と関係者は騒動勃発時に民の手で拘束。しかしそれでも収まらなかった為、急遽首謀者一味から一人を選出し、決闘に向かわせる。だがその者も魔剣を手に入れたばかりとあって瞬殺、ただ火に油を注ぐだけの結果となった。後は物語で語った通り。


なおその後、彼等は日本本州に移住。とある廃村を利用した開拓支援事業の一環で特別就労者兼居住者として働く事となる。ただしそんな彼等はこれ以降、物語には登場しない。


---------------------------------




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ