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優しさこそ、本当の強さだ

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本作品の内容はフィクションです。

登場する人物・団体・地名等は架空のものであり、実在する人物・団体等とは一切関係がありません。

また本作品には過激な表現が含まれておりますが、犯罪にあたる行為など実際に行われますと、刑法により厳重に処罰されますので絶対に真似しないでください。

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現れたのは国王と呼ばれた園長先生。

光一「説明していただけますか?」

国王「全て話そう。私たちの知っていることを」

そして園長先生は語りだした。

国王「私たちは、この星の者ではない」

あの魔法といい分身といいただ者ではないと思ったが。まさかの異星人かよ。

光一「それはおかしい。何億光年先でも生命は確認されてないはずだ」

国王「そのまた先に私たちはいるのだよ。しかし私たちの星はそう長く持たない。私達の力が強すぎるのだ」

自らが星を壊す。俺の力もそうだ。これ以上強くなったら星が持たない。

国王「そこで私たちはあるプロジェクトを立案した。光速を越えるワーププロジェクトだ。異空間転移だよ」

マジかよ。ご都合にもほどがあるだろ。

国王「私たちが四代元素を扱えるのは先の戦うで承知の通りだと思う。それらを駆使しワーププロジェクトを完成させたのだよ」

頭が追い付かん。

国王「そして選ばれた三人。私、ガラハッド、ゲイシーがこの星にワープした。この星の技術力と私たちの技術力を合わせれば星を救えると思ってな」

国王と側近って感じか。

国王「失敗したよ。この星にワープした際にワープ機構を何者かに奪われてしまった。元の星に帰ることすら叶わんよ」

何者か……ね。

国王「私たちは手を取り合うためにきたのだ。だから星に順応するために調べ尽くした。調べたのだがわからないことがある。君の存在だよ」

俺もわからないよ。

国王「私はゲイシーとガラハッドに頼んで君を調査した。もちろん私も園長となって君に近づいた」

おかしい。

光一「一つ質問です。国籍はどうなさいましたか? あなたにはないはずだ」

国王「背乗りさせてもらったよ」

警察用語。工作員が他国人の身分・戸籍を乗っ取る行為だ。行方不明者などが急に現れた時は気を付けなければならない。公○のお家芸などと噂もあるくらい事件は多発している。スパイ活動には必須だからだ。

光一「園長先生達の事情はわかりましたよ。でもゲイシーは人殺しだ」

国王「彼は元から手の負えない男だった。今でも私の命令は聞いてはくれないよ。しかし彼は私たちの星の中では一番強いのだ」

あんなのが最強だと? 悪の権化みたいなもんじゃないか。

国王「ガラハッドですら倒せないのだよ。側近は強いほうがよい。だから私は彼を側近にした。いつ寝首をかかれるかヒヤヒヤしたものだね」

誰も倒せない悪。残念ながら俺達の国にもいる。警察の軍事力を遥かに越える。マフィアだ。殲滅兵器がない平和な世界で牙を研いでいる頃だろう。

国王「私の話は以上だ。質問なら受け付けるよ」

光一「すいません。園長先生の話には正直あまり興味は……」

国王「正直だね! 光一くんらしいよ!」

光一「ただ伺いたいことがあります。園長先生達のアバタールは視覚共有は可能ですか?」

これが可能であれば。

国王「可能だよ。光の出所を知りたいんだね」

話が早い。

光一「はい。そこには能力の秘密があるはずです」

国王「どうぞ。これが調べた限りのメモリーだよ。光一くんが仕事してる間に整理してたんだ」

ブログとかやってたわけじゃねぇのかよ。

光一「それを渡してください。バックアップは取ってあるんでしょう?」

国王「もちろん」

メモリーを受けとる。これで終わりに出来る。

光一「有難うございます。園長先生達はワープ機構奪還に向かわないのですか?」

それほどの力を有しながら。

国王「いや私たちはアバタールの使用で消耗してるからね。返り討ちにされてしまう。ワープ機構を盗んだのは十中八九その能力の開発者だが……光一くんより強かった場合負けちゃうよね。それにこれは光一くんの問題な気がしてやまない」

生まれながらにして能力の保有。兄貴の言葉で確信に変わった。

光一「結局の話なんですけど。最初っから普通じゃなかったんですよね……。独りは嫌なのに誰かの側にいると傷つけてしまう気がして……」

それが咲希の後押しによって変わった。

国王「咲希ちゃんと仲直りしなさいよ」

光一「事が済んだらします。だから園長先生は園長先生のままでいてください。子供が好きなんですよね。見てればわかります」

国王「国王なんて柄じゃないんだよ。私はずっとこんな仕事がしたかったんだ」

やっぱり園長先生は園長先生だった。

光一「行ってきます」

これからは帰ってきたら待っててくれる人がいる。無人の家に挨拶をする癖は直りそうにないけど。

園長「いってらっしゃい。園児達と咲希ちゃんと私が待ってるよ」

あっ忘れてた。

光一「ガラハッド。決めセリフを忘れてた。

Only the gentle are ever really strong.

外国語だ。訳は、優しさこそ、本当の強さだ」

なぜか言っておきたかった。強いだけで正義は語りたくなったから。

帰ったら向日葵畑でも散歩に行きたいな。正義の象徴である向日葵。花言葉は私はあなただけを見つめる。

光一「ヤバい! ユウトを助けてから博士の元に向かわないと!」

駆け出す。終わりに向かって。


優しさこそ、本当の強さだ2


光一「なん……で……」

ユウトが血まみれで倒れていた。

光一「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

急いでユウトを担ぐ博士の元に急がないと!

なんで悠愛がいない! ゲイシーにさらわれたってのかよ!

光一「俺のミスだ……」

くそ! 俺の帰ってくる場所に悠愛もユウトもいないってのかよ……。ふざけてるだろ……。

めげそうになる。でももう兄貴の声は聞こえない。叱咤してはくれない。背中を押してはくれない。

光一「開発者を止める。平和にこの能力は必要ない」

それは俺の存在を否定する事だ。何か間違ってる。良くない。そんな気がした。


優しさこそ、本当の強さだ3


ユウトは医務室に運ばれた。博士にメモリーを渡して事情を説明した。博士も調べようとしてくれてたんだが光が降り注ぐ時間帯は、電子機器が使い物にならなくなっていたのでお手上げだったらしい。家の度重なる停電は能力開発者の電子ハックだったわけだ。

光一「時間がない。相手は最新のテクノロジーを持ってる」

博士「場所は離れの孤島じゃ。全国の電子機器をストップさせるなんぞ規格外じゃ……」

博士もビックリな化け物が相手だ。

光一「それでも行かなきゃいけない。俺にしか出来ないことだ。犠牲者をこれ以上出せない」

無理も承知の上だ。

博士「わかった。手配する。ジェット機で突っ込んで貰うぞ」

光一「頼むぜ」

博士「必ず帰ってくるんじゃぞ! あっそれとマスタピースは在庫がないんじゃ……大剣を持っていってくれ」

マジかよ。万全じゃねぇんかい。だが。

光一「善は急げだ。俺と兄貴の力なら完封出来るはずだ。大剣が壊れたらそこらたへんの物拾って戦うさ。それと今度は戦いにはならない気がする。相手が攻撃してくるとも思えないからな」

俺の想像が当たればだ。

博士「ふむ。じゃがな光一。兄がいないのだ。気絶したら復帰は出来ん。今までは兄がいたから生き延びれたんじゃ。その事を忘れるでない」

光一「忘れるわけがないだろ」

ずっと守られてきたんだ。これからは俺がいろんな人を守らないといけない。

光一「戦いはこれで最後だ! 博士! 頼むぜ!」

博士「おじいちゃんに任せておきなさい!」


優しさこそ、本当の強さだ4


かくして俺はジェット機で孤島へと向かった。いるのはたぶんあいつらだ。あったら一発はぶん殴らないと気がすまない。でも……会いたい。一般家庭に生まれていたら俺は幸せだったのかな。


光一「なぁ兄貴? 俺達はなんで最初っから重症だったんだ? おかしいよな? その解答が目の前にあるんだ。止まれないよ」

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