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第2話 鳩ポッポと善人と平和

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本作品の内容はフィクションです。

登場する人物・団体・地名等は架空のものであり、実在する人物・団体等とは一切関係がありません。


また本作品には過激な表現が含まれておりますが、犯罪にあたる行為など実際に行われますと、刑法により厳重に処罰されますので絶対に真似しないでください。


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今日も寝起きが悪い。しかも筋肉痛ときた。寝起きは毎日悪いのだが筋肉痛は一週間に一度ほどある。筋トレをしたわけでもないし能力を使っても筋肉痛にならないと言うのはもうわかっている。

光一「最悪の目覚めだ」

声「いつもわるいんじゃなかったのか?」

今日も消えてはくれない謎の声。俺的にはこれ以上謎は増やさないでほしい。そろそろ 流石の俺でも病んでしまうわ。

声「仕事に行ったら明日は休みだぜ? 頑張るんだな」

光一「声援ありがとう。休みと言っても俺のするのとなんざいつもの能力練習くらいなもんなんだけどな」

ピヨピヨと小鳥達が鳴いている。毎朝お勤めご苦労様と言いたいくらいだ。たまにうるさいと怒鳴りたくなるときもあるが……。

今日も観ないくせにテレビをつける。またアイドルの美姫が映っていた。なんだか新曲を発表したらしい。

声「CD買うぞ。借りたらダメだ。コレクションするぞ」

光一「断る」

なぜか謎の声は美姫が好きだったりする。ミーハーってやつだな。ミーハーとは流行などに熱中しやすい人達のことらしい。解説終わり。

仕事に行かなければならない。子供の笑顔見れば寝起きのダルさなんてどうにでもなる。

光一「行ってきます」

ドアを開けたその時、目の前に葉っぱを咥えた鳩がいた。

鳩「おはようっポー! 」

喋った。鳩が。

声「鳩がしゃべったぁぁぁぁぁ!」

光一「なんでお前が先に反応するんだよ!」

鳩「これからお世話になる鳩っぽ。よろしくっぽぉぉぉぉぉぉ!」

やたらテンションが高い鳩である。最悪だ。朝っぱらから謎が増えた。俺さん実はどっかで危ないものでも吸ってんのか?

こういうときは、シカトするにかぎる。

俺は鳩を無視して仕事場に歩く。ちょっといつもより歩くスピードが速いかもしれない。

鳩が横でパタパタと音を立てて飛んでいる。

鳩「待つっぽ! 鳩が来たから何か伝えに来たんじゃね? とか思わないっぽか?」

光一「チョットナニイッテルカワカラナイッポ」

真似してみた。関わったら絶対変なのに巻き込まれる。面倒ごとに構ってられるか。

鳩「手短に説明するっぽ。世界の危機でお前しか助けられないっぽ。世界を救うヒーローになるっぽ」

やっべぇ。鳩が喋るうえに意味わからんこと言ってる。これはマジで俺がイッテるっぽいな。帰りに精神科寄っていくしかないっぽー。

鳩「嘘っぽ」

光一「人間様おちょくってんじゃねぇぞ!そのパタパタうるせぇ羽引きちぎってやんぞ!」

この鳩舐めてやがる。

鳩「動物愛護団体に訴えてやるっぽ」

光一「ふざけてんじゃねぇ! 喋る鳩なんぞ実験動物にされてしまうわ!」

鳩「なんて物騒なお人っぽ。動物は愛でるべきであると思うっぽー」

光一「なんてイライラさせる鳩だ。てか俺に何の用だよ。俺じゃなくてもいいだろ」

鳩「僕は人間がみたいっぽ。正直言うと誰でもいいっぽ。でもなんかお前は普通とは違うっぽ」

光一「俺が普通とは違う? そうだな。違うな」

鳩まで普通とは違うなんて言われるなんてな。俺がどんだけ普通でいたかったなんて知らねぇくせに。

光一「いいだろう。見せてやるよ。人間的ってやつをさ。ただし俺が一人でいるとき意外は、出てくるな。マジで研究材料になっちまう ぞ」

鳩「ありがとうっぽ! 僕の主食はオリーブの葉っぽよ」

なんでこいつこんなに図々しいんだ。餌までねだってきやがる。

光一「わかったよ。とりあいずお前との話に集中してたら仕事に遅れちまう。それじゃな」

誰も見ていないので能力を使って高速移動をする。地面を蹴ると地面がえぐれた。だが俺の靴は壊れない。もちろん博士のお手製である。

光一「ロボットもこれくらい頑丈だったらな」

声「高いんじゃないか?」

光一「そうだな。それもそうだがお前以外にも謎が増えたんだがどうしてくれる」

声「俺のせいじゃない」

光一「はぁー」

ため息をついた。また幸せがどこかいっちゃったな。


全速力で走っていると咲希の姿が見えたので能力を解除した。戦う意思だけがスイッチではなく使う使わないと思うだけで能力の使用を決めれる。とんでもなく便利である。ただこの能力がバレると俺が鳩の前に実験動物にされかねないので人前では絶対に使わない。

光一「おはよう」

咲希「おはよーこうちゃん!」

挨拶は大事である。俺にとって咲希は唯一の友達であり同僚なのだから。

咲希「今日はちゃんと挨拶してくれるんだね。たまにシカトするし」

めんどくさいときはシカトする。俺の癖である。

光一「気のせいだろ」

咲希「華麗にスルーしてくるときあるじゃん!」

めんどくさいのでスルーする。

咲希「無視しないでよ!」

怒鳴られた。今日は何事もなく1日が過ぎればいいなぁ~。あっもう喋る鳩に会ってしまったんだった……。


俺は今、喋ることが大好きな女の子達の相手をしている。これも保母さんの仕事である。変なことを教えないようにしなければ。

女の子「お嫁さんにしてぇ~」

光一「君が結婚出来るようになる年には俺はもうおっさんになってるよ」

最近の子供はなんでこんなに大人なんだろうか。ちなみに俺はロリコンじゃない。

女の子「光一お兄ちゃんは大人なんだもん。ここの男は子供ばっかり」

光一「いや君も子供じゃん? 子供っぽくしないといけない年なんだよ?」

俺は子供からはモテる。悲しい話である。俺も子供は好きだがそういう目で見てはいけない。法的にも道徳的でもアカンのである。

咲希「また女の子たらしこんでる! ダメだよ!」

光一「人聞き悪いことやめろよ」

めんどくさいのが来た。

咲樹「ねぇまことちゃん? なんでこんなチャラそうな人がいいの?」

なんて失礼なやつだ。この保育園ではピアスもヘアカラーも認められている。てかこの世界では人それぞれの個別化が重視されている。 そうしないとオリジナリティーが生まれないからだ。パクりばかりの世の中よりはマシなのかもしれない。しかしまだこの文化が出来て間もないので黒髪の人が多い。

まこと「顔がカッコいいところと髪が金色でキラキラしてるところと肌が白いところと」

光一「もういいよ。流石に恥ずかしいだろ?」

マジでやめてほしかった。好意を向けられるのは苦手だ。しかも容姿を誉めるのはなんか嫌だ。金髪なのは人から絡まれないように。一部の人からは絡まれやすくなった。肌が白いのはあまり外に出ないからだろう。顔はイケメンなのかは自分ではわからない。

咲希「こうちゃんみたいな人はチャラい人って言うんだよ? 女好きで毎日他の女の子と遊んでて月に一回は女の子泣かせてるんだよ? 覚えておいたほうがいいよ」

光一「めっちゃ偏見だぞそれ! 俺がかわいそうだとは思わないのか! まことちゃん超引いてるじゃねぇか!」

咲希「あははははははは」

爆笑する咲希。悪女だなこいつ。

「咲希ちゃん? それくらいにしてあげなさい。光一くんがここに来れなくなってもいいのかい?」

咲希「園長先生!? すいません。つい遊び心で……」

園長先生がきた。なんか見るの久しぶりな気がするな。

光一「園長先生久しぶりですね。作業、はかどってます?」

園長先生は俺の知る限り最高の善人である。この保育園を立ち上げ出来る限りの園児を迎え入れるためにネットで稼いでいるみたいだ。 育児のブログなどを書いていてネットでも人の役に立つ活動をしている。いずれは世界中の孤児とホームレスを助けたいとも言っていた。無理だと一蹴することは簡単だ。でも俺は園長先生が大好きだったりする。

園長「いや最近は年なのもあってあんまり上手くいってないね。園児のことも最近は君達に任せっきりだ。本当に助かっているよ」

光一「いえいえ園長先生は休んでいていいんですよ。俺が頑張りますから」

俺は園長先生の夢を応援したい。するだけでもこの世界にはいい人がいるって信じられるから。

咲希「こうちゃんは園児と遊んでいるだけじゃない?」

光一「うるさい」

咲希は一言多いとたまに思う。


帰路につく時間になった。今日は咲希もさっさと帰った。友達と遊ぶんだろう。明日休みだし。

声「遊ぶ友達がいないって寂しいやつだよなぁー」

光一「誰に言ってんだよ」

声「おまえ」

光一「おまえもいねぇじゃねぇか」

いつもの独り言を言って自宅に向かう。するとあの鳩が目の前にいた。

鳩「あの朝の走りはなんだっぽ!? 君は人間じゃないなっぽ!」

光一「俺は人間だし!てか喋る鳩は鳩じゃねぇだろ」

鳩「心外だっぽ! 僕は鳩っぽ!」

マジでうるせぇ鳩だ。なんで鳩に人間じゃないなどと罵倒されなきゃならんのだ。

光一「とりあいずだがお前は人間を見るんだろ? 家にこいよ。道で鳩とおしゃべりしたくないんだよ。俺はさ」

鳩「家っぽ? やったっぽ!屋根のある宿で暮らせるっぽぉぉぉぉぉぉぉ!」

やかましいし図々しいし……。これも俺のイカれてしまった頭が原因なら世話しなくてはなるまい。マジで精神科行くべきかもしれないな。


俺達は家に着いたわけだが着いたとたん餌をねだってきた鳩。仕方ないので主食? であるオリーブの葉を通販で大量購入する。

光一「買ったぞ。明日には届く」

鳩「今日は何を食えばいいっぽ?」

光一「オムライス作るから食えよ」

鳩「わかったっぽ」

わかったらしいので。台所に行ってオムライスを作る。俺は独り暮らししているので料理なら簡単な物なら作れる。

俺流オムライスの手順で披露しよう。まず暖めたフライパンに角切りバターを。

「ジューーーーー」

ええ香りとええ音や。バターはすぐに溶ける。フライパンにご飯をどーん。説明が適当すぎか。どーんしたら中華お玉をダマを潰していく。中華お玉っていうのは普通のお玉より長いんだぜ? 由来は知らんけども。ダマを潰したらすかさず鍋をふる。これでさらにパラパラに出来るわけだ。べちゃべちゃのご飯は好きじゃない。ご飯を炊くときもいつも水は少し減らしてある。

光一「おりゃりゃりゃりゃぁぁぁ!!!」

カチャンカチャンカチャン。

リズミカルに鍋を振るのが俺流である。

鳩「静かに料理できないっぽ?」

光一「うるせぇ」

鳩「僕はうるさくないっぽ」

おっとそろそろケチャップの出番だぜ。適量のケチャップをご飯にかける。その間も鍋を振っている。鍋の振るだけでもうご飯が赤色になった。

光一「これくらいでいいだろう」

鳩「独り言が多いっぽ」

無視する。ご飯を皿にうつし次はオムレツを作る。フライパンを小さいフライパンに持ちかえる。俺の相棒オムパンの出番だ。オムライス作るフライパン略してオムパンだ。

手順は簡単。卵三個切るように混ぜておき暖めたオムパンにバターを溶かし卵を流し入れる。あとはカチャカチャと鍋と箸を動かしオムパン手元を上げ手元の卵を奥にやる。半分ほど奥にやったらオムパンの回りを箸で円を書くようにして一周。くっついてたら困るからな。後はさっきの鍋振りと同じように鍋を振るんだが手首をとんとん箸を持っている手をグーにして叩いてやるとかなりうまくいく。卵がひし形になってきた。切れ目が上の状態でさっきのケチャップライスの上に乗せる。すかさず卵をきる。オムライスの出来上がりというわけだ。正直上手く説明出来た気がしない。最後にパセポンをちらして終わりだ。あっと説明する。パセリのコンカッセ(みじん切り)を略して パセコン。それがなまってパセポンだ。

テーブルにオムライスとスプーンを準備して。

光一「いただきます。食べよっと」

鳩「僕のは?」

忘れてた。小皿を持ってきてスプーンで少しよそった。

光一「やるよ」

鳩は何もいわずオムライスにありついた。少し微笑ましい光景かもしれない。てかオムライス食って大丈夫なんかこいつ。


シャワーを浴びて今日はもう寝るとしよう。鳩のせいで疲れた。

鳩「オムライスありがとう。お礼に名前付けていいよ」

どうでもいいことを鳩は言った。名前か。

光一「お前はオリーブの葉が好きなんだろう?」

そして俺はきっと産まれたときからずっと持っている。ネックレスをみた。デザインは鳩が何やら葉っぱを加えている。博士に聞いたことがある。このデザインは何かの象徴なのかと。

『それはね光一。平和の象徴という意味だとおもうんじゃよ』

そうか外国語で平和は……。

光一「ピースだ」

そうして俺は眠りについた。平和なんて知らずに鳩に平和なんて名前をつける俺はなんてバカなんだろう。

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www.instagram.com/peach_iusta/

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