表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ケイオス・イーラ  作者: アメジスト
5/11

ケイオス・イーラ 5

日本でも、出来る事は・・・出来ない事も、やりつくし、生き残るのに必死な、努力はしてたのです。ただ、妖魔の方が、強かっただけでした。

対魔師団・日本防衛計画の破綻

 日本では、本当に混乱の極みだったのです。当初、陸上自衛隊対魔師団は、札幌、青森、盛岡、仙台、新潟、舞鶴、東京、名古屋、大阪、広島、高知、福岡の12ヵ所に拠点を構え、各師団とも、実戦兵力1万名、後方予備兵力2万名、更に、特訓大量育成中の、神官を結界強化の為の防衛要員として1万名。と言う、総兵力48万名に及ぶ、大戦力によって、日本を守りきるという、大構想を計画していたのでした。

 それが、私と母さんが入院していた3週間の間に、大幅な計画の縮小と、北海道からの撤退計画が、極めて不完全な朝令暮改の元に、実行されたのでした。更に、米軍が守備して、豊富な武器弾薬で、守っていた沖縄とは、連絡が途絶えたのでした。内海を除く島への、音信も途絶えていたのです。

 当初、中位種、下位種が局所的に出現。対抗できたのが、本物の日本刀、薙刀、槍などで武装した、各流派の指導者と門下生が活躍。過半数を全滅に成功。え~・・・その中には、母さんと私も入ってましたよね~ ただ、その結果全員が、重体で入院でした。また、実弾を装備した、自衛隊が残りを概ね全滅に成功。

 ならばと、腕に覚えの在る者に、博物館から刀剣商、あらゆる日本刀、薙刀、槍・・・弓矢を支給して、湧き出る妖魔を次々に全滅。そして、これまた、次々に入院。一部弓矢も通用した為、兵器関連部門では、日本刀の大量生産に加えて、全金属製の槍、スピアや、全金属製の矢を射出するボウガンが、開発されていました。理由は、薙刀、槍は、一撃で、木製部分が、腐ってしまったからでした。矢もまったく同じ理由でした。

 何故か? 日本には火薬が、決定的に不足していたからでした。この時点で、既に日本全土を守る計画は、大きく揺らいでいたのです。実戦兵力、後方予備兵力の銃器の弾の生産が、計画の1割に満たなかったのでした。

 更に愕然とさせる、現実が突きつけられたのでした。入院した重体の、第一線主力兵力予定者は、極めて回復の早い者が、5%居ましたが、他の全員が、最新医学でも手当ての手段が無く、無残に腐り、息絶えたのでした。当時その理由は、全く解っていませんでした。

 そして、輸入の途絶が、日本の息の根を止めたのでした。石油、天然ガスは、日本でも、ほんの少し採れるのですねえ。しかし、備蓄分では、1年いえ、半年持たない事は、直に分りました。食料もまた同じ、多少マシではありますが、寒冷地での防衛を放棄するしか無かったのでした。

 電気だけは、過去の失態から回復した原子力発電、水力発電、風力発電、ソーラー発電などで、必要電力の60%は、確保可能でした。などと言っても、如何しようも無い状態だったのです。

 人が、この状態の中で、生き残る為には、武器、食料、防護衣料、治療、エネルギーが必要でした。そして、情報部の資料によって、これらの内、武器に関しては、妖魔の体液に、一定時間以内に、下位種から順に上のレベルの体液に、計画的に浸すことにより、妖魔に通用する、武器としての、強度を上げる事が、分って大騒動と、多数の犠牲者が、出てしまったのでした。妖魔の体液に触れる=死。ただし、平均12時間で、効力は、殆ど無くなります。そのタイミングで、防護服、靴手袋を短時間浸すと、若干抵抗力が上がります。ただ、この場合、1回限りで、体液の効果は、失われます。そこで、試行錯誤の結果、第一線で戦い、重体となった、者の軍服から下着まで、研究対象となり、ついに、下位種にならば、ある程度の効力を発揮する。防護服の製造に成功したのでした。

 武器の方が、早く下位種にまで、対抗出来る、槍、ボウガンと矢の量産体制に入る事ができました。無論、刀にも、同様の処置がとられて、少なくとも、下士官、兵士に支給出来る体制を整えたのでした。しかし、人間のスピードと、妖魔のスピードには、差が在りすぎ、戦果より犠牲の方が多い。下手をすると、全滅させられる新部隊が、出る始末でした。

 そこで、数少ない、妖魔に平気な者を、正式に一尉とした、今の部隊編成が、出来上がったのでした。この時点で、首都機能をより結界の強力な、京都に移したのです。対魔師団の主要拠点は、東京、名古屋、大阪、福岡の4ヵ所とされ、静岡、舞鶴、広島、徳島には、大隊以上規模の拠点が、守る結果になっていたのでした。

過去の話ばかりで、私(真琴)も、憂鬱になってしまいました。次回は、明日のお話です。・・・多分

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ